【新日本プロレス】内藤がLIJ対決制し決勝進出へ望み オメガはまさかの連敗 飯伏も3敗目
内藤(右)がSANADAとのLIJ対決を制し首位タイに 【写真:SHUHEI YOKOTA】
この日はBブロック公式戦5試合が行われたが、関東地方に台風13号が接近している影響か、戦局も大荒れとなり、まさかの展開続出に客席が大きくどよめいた。
メインイベントでは内藤哲也がSANADAとのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)同門対決に勝利。蝶野正洋(1991&92年)、天山広吉(2003&04年)以来となる、史上3人目の2連覇達成が見えてきた。
内藤は首位タイに並んで最終戦へ
内藤(左)は試合後、「SANADA、非常に手ごわい相手でしたよ」と相手を賞賛 【写真:SHUHEI YOKOTA】
内藤がグータッチを要求すると、SANADAは応じると見せかけ反撃を狙うが、内藤もこれを読んで先にアタック。場外で鉄柵に打ちつけ、花道へ連れ出して背中にドロップキック。リングに戻ったところへツバを吐きかけると、SANADAもバックドロップ、リープフロッグ、ドロップキック、プランチャ、ミサイルキック。内藤もトルネードDDT、雪崩式フランケンシュタイナー、グロリアと攻勢に出るが、SANADAもネックスクリュー、ミサイルキック、タイガースープレックス。さらに内藤のデスティーノを食らった直後に逆デスティーノを発射し、Skull Endで捕獲。しかし、ラウンディングボディープレスを内藤にかわされ自爆。それでも、なおも飛びつき式Skull End、ローリングバッククラッチホールドと貪欲に勝利を狙いに行くが、内藤が投げ捨てジャーマンからのデスティーノで振り切った。
試合後はLIJメンバーのEVIL、BUSHIがリングイン。EVILの手には7.7米国カリフォルニア大会で首を負傷し、現在欠場中のもう1人のメンバー、高橋ヒロムのジャケットが握られており、内藤も「今頃、彼も新日本プロレスワールドで試合を観てると思う。すぐ帰ってくるのか、まだ時間がかかるのか分からないけど、高橋ヒロム、さっさと帰って来いよ」と呼びかけた。最後は恒例の「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の大合唱の後、ついに内藤とSANADAがグータッチ。そこにEVIL、BUSHIも加わり、あらためてLIJの絆を確かめ合った。
バックステージでも「SANADA、非常に手ごわい相手でしたよ。さすがLIJのメンバー。頻繁に戦うことは無いにせよ、近い将来、また戦うことがあるでしょう」と、再戦の際には、さらに互いを競い合い、高め合えるよう呼びかけた内藤は、「他力本願だけど、一応残った。自力で何とかなる話じゃないけど、この夏、最高のクライマックスをオレが見せる。楽しみにしてください。武道館でまたお会いしましょう」と決勝進出、そして2連覇に希望を託した。
これで内藤は6勝2敗と首位タイに浮上。最終戦8.11武道館では、難敵ザック・セイバーJr.戦に臨む。両者は今年の3.11兵庫での「NEW JAPAN CUP」1回戦で戦い、内藤が22分43秒、オリエンテーリング・ウィズ・ナパーム・デスで敗れているだけに、ここでザックに春のリベンジを果たし、決勝進出へ可能性をつなげたいところだ。
一方、SANADAは4勝4敗。最終戦の石井智宏戦で勝ち越しを決め、新たなステージへとチャレンジを広げるか。
矢野がバレットの内紛に便乗しオメガから金星
疲労困憊で試合に臨んだオメガ(左)は矢野にまさかの黒星 【写真:SHUHEI YOKOTA】
オメガは自身の試合が控えているにも関わらず、直前の飯伏幸太の試合に飛び込み、最愛のパートナーを体を張って救出。だが、BULLET CLUB OGの反撃にあい、大ダメージを負って、リング上にダウン。そんな状況にも関わらず、対戦相手の矢野が入場してきてしまう。矢野はこの千載一遇のチャンスに、早々にTシャツを脱ぎ捨て、ゴングを要請すると、いきなりカバー。オメガもこれはカウント2ではね返すが、なおも矢野はコーナーマットをすべてはぎ取り、オメガに金具攻撃。オメガもコーナーマットを手にチャンバラで応戦。矢野はならばと、今度はオメガと若手の成田蓮の手をテーピングでつなぎ、場外リングアウトを狙う作戦に。しかし、オメガは成田ごとリングインし、合体ラリアットで反撃に出る。テーピングをはずしたオメガは、Vトリガー、高速ドラゴンスープレックスから再度Vトリガーを狙うが、矢野は海野レフェリーをつかんで阻止すると、さらに海野レフェリーごとオメガに急所攻撃。さらに「フェアプレイ日大」に反する悪質タックルも炸裂。すると、そこにBULLET CLUB OGのタマ・トンガが乱入し、矢野、オメガに建て続けにガンスタンを見舞うと、ダウンしたオメガの上に矢野を載せて逃亡。このタイミングで息を吹き返した海野レフェリーがカウントを3つたたいたため、裁定は矢野の勝利という結果となった。
これでオメガは6勝2敗と、6連勝からまさかの2連敗。現在1位タイで並ぶ内藤には直接対決で勝利しているため、最終戦8.11武道館での飯伏戦に勝利すれば、決勝進出はできるものの、やはり心配なのが、この試合で負った心身へのダメージと、BULLET CLUB OGによる乱入だ。
一方、矢野は2勝6敗と最下位タイながら、よりにもよって、オメガ、飯伏というゴールデン☆ラヴァーズの2人から文字通りの大金星をGET。最終戦のタマ・トンガ戦は反則行為連発の大荒れの展開となりそうだ。