ロッテ・井上晴哉“春男”返上の理由「過去の僕からすると怖いものはない」

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同期入団の山川は「かわいい弟分」

「僕は4番でも5番でも、ランナーをかえすことが仕事」。チームに求められることは誰よりも自覚している 【写真:BBM】

 チームから求められている役割。4番としての責任。それは誰よりも自覚している。盟友である獅子の4番の存在に刺激を受けながら、止まることなくシーズンの最後まで駆け抜けるつもりだ。

――開幕を4番で迎え、現在も再び4番を任されています。

 やはり4番というのは一番期待されているバッターだと思います。ただ、僕は4番でも5番でも、ランナーをかえすことが仕事だと思っています。4番も5番も役割は変わらないと思いますし、4番だからといって気負うこともありません。もともと僕に求められているのはランナーをかえすこと。僕も井口さんが掲げる“走塁改革”の一員なんですけど、走るところでの貢献は確率が低いので(笑)。

――4番というところでは、同期入団で埼玉西武の山川穂高選手は意識する存在なのではないでしょうか。

 僕が社会人のときから、あいつは大学生でしたけど、日本代表で一緒にやってきた仲ですから。

――昨季、山川選手がブレークしたことは刺激になりましたか。

 刺激にはなりましたけど、あのときは結果を追ってしまって、何をすればいいのか分からない状態でした。人のことを考えている場合じゃなかったですね。「あいつ、打ってるな。すごいな。頑張れ」って(笑)。それくらいの感覚でした。

――今はライバルチームの4番同士です。

 あいつに対しての感情って自分でも不思議なんですよね。対戦するときは「絶対に負けないぞ!」と思うんですけど、それ以外のときは「頑張れ!」って思うんです。まるで兄弟に対する感覚ですよね。かわいい弟分というか。あいつがどう思っているか分からないですけど。

――終盤戦に向け、目指すべきところはさらに上だと思います。

 僕の中で、ここまでは出来過ぎだと思います。だから逆に怖いものがないですね。数字を見ても、打率は下がりますけど、ホームランも打点も減ることはない。数字的に見ても、過去の僕からしてみればもう怖いものはないんです。だからある意味、無心で行ける。このまま走れるところまで走って、チームのために何とかしたい。それだけです。

――では具体的な目標も。

 ないですね。でもこの前、乳酸菌ショコラ(親会社のお菓子)を100個いただけましたけど、ホームランを20本打ったら今度はショコラを5年分もらえるみたいなので、そこだけはこっそり個人プレーで(笑)。

――チームとしても上位争いに食らいついています。

 いいポジションにいますし、僕がプロに入ってから一番もつれている感じがしますから。もちろん、やるからには優勝を目指していきたいと思います。

(取材・構成=杉浦多夢)

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