森保「OAも含めて競争だと伝えている」 U−21代表、アジア大会メンバー発表

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OAのプレー表明はありがたい、心強い

森保監督はOAのプレー表明に「ありがたい、心強い」とコメント 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――(東京五輪の)予選がないメリット・デメリットもあると思うが、2年間でどんな形でチーム作りを進めていくのか。どのあたりでOAを呼ぶのかなど、チーム作りのイメージを教えてほしい。

 OAを呼べるのであれば、次の大会から呼びたいと思っています。なぜかといいますと、選手は監督、コーチ、指導者からいろいろな影響を受けて、指導者からの働きかけで成長することももちろんありますけれど、経験のあるベテランの選手から言葉で伝えてもらう、一緒にプレーして感じることがある。そして背中を見せてもらうと、若い選手、経験の浅い選手は刺激を受けて成長につながると思います。できれば次の大会から(呼びたい)、という思いはあります。

 これまでの五輪代表チームで起こっているミスは割と同じです。失点の部分では、トゥーロンで解消・改善されたということは聞いていますけれど、例えば1失点すると、その後短時間で複数失点してしまうという(ことがあった)。メンタルが少し弱かったり、そこで踏ん張り切れないということがあった。そういった部分で、経験豊富なベテラン選手が入ったら、どうやって戦うのか、どういうメンタルを持って続けていったらいいのか。1つの東京五輪世代のこれまでの課題というところで説明しましたけれど、他にもいろいろな局面で経験のある選手から、伝えてもらう・見せてもらうというのは、いいことだと思います。そういう(OAの)起用は早い方がいいと思いますけれど、そこはいろいろなタイミングもあるので(笑)、そこはまた考えていきたいと思います。

 チーム作りとしては、東京五輪の本大会が一番大切だと思うので、その本大会で最強なチーム、一番力が発揮できる状態に(なるよう)チーム作りをしていきたい。もちろん毎試合勝ちを狙っていくという部分は大切にしていく。無駄な試合はまったくないので、一番選手にとって良いこと、チームにとって良いこと、次につながることを考えながら、本大会に向けて最高のチーム、最強のチームが作れるようにしていきたいです。

――チーム作りの観点で、チームを早めに固めるのか、それとも最後まで競争させるのか教えてほしい。

 大会が近くなればなるほど、チームとしてコアな部分を固めていくことはあると思いますが、それは自然に起こることだと思います。チームを固めていくことを考えていても、この世代の選手だけではなくて、実力や調子で入れ替わるのがサッカーだと思います。まだ大学生もいますけれど、それがプロだと思います。そこは本大会に向けて、段々とコアなチームを作っていくということには変わりないですが、そこにはすべて競争があると思っています。

――OAの話もあったが、W杯ロシア大会終了後に東京五輪に「出たい」と立候補した選手もいる。そういった選手たちについて、監督にはどんな思いや考えがあるのか。

 A代表の選手たち、ロシアW杯に出た選手たちが東京五輪に向けて、OAでのプレーを表明してくれているということ、チーム作りに貢献したいということを表明してくれているということは大変ありがたいと思っています。本当に心強いですし、うれしいです。

 最終的に誰を選ぶかについては、もちろん現段階では決まっていないですけれど、東京五輪世代の選手には「OAの選手も含めて競争だ」ということは伝えています。そういう意味では、OA枠についてもチームにどこが必要なのか、誰が必要なのかということになるかもしれない。そこは考えていきたいと思います。

 うれしいのは、代表チームを日本人として支えていきたい。よりレベルアップさせていきたい、貢献していきたいと思ってくれている気持ちが本当にありがたいと思います。私がやっていきたいこととしては、まだまだ経験が浅い選手が多い東京五輪チームで、経験豊富な選手たちにいろいろな関わりをもってもらって、経験を伝えてもらう。より良い選手になるために、接点を持てる。そういう環境が作れたらと思います。

――次の大会でOAを呼びたいとのことだったが、次の大会というとA代表のアジアカップがある。そこを東京五輪世代とA代表の融合の場にする考えはあるか。そのために、今後のA代表と五輪代表の活動をどうしていくか教えてほしい。(元川悦子/フリーランス)

 完全に固まっているプランがあるわけではないですけれど、就任会見でも話したように「世代間の融合」をやっていきたいと思っています。東京五輪世代の選手、若い選手・経験の浅い選手をA代表に引き上げていくということ。その点については、やはりチャンスを与えられるべき選手には、A代表の舞台も経験してもらいたいと思います。それをどこまでやるか、どんな比率でやっていくのかについては、今自分の中で決まっているわけではないのですが、とにかく融合させながら、日本代表で結果にこだわりつつ、でも全体的に底上げしていくという両方を考えてやっていければと思っています。

――(A代表と五輪代表の)合宿を一緒にやることも考えている?

 それは現実的にはできないと思いますけれど、いろいろなプランを考えられるので、どうやったら全体が(底上げできるか)。より良い方法でやれればと思っています。

――世代間の融合や世代交代という中で、東京五輪のチームはある程度形を作ってきて、A代表はまだこれからだと思う。その中でA代表と五輪代表を一貫した、同じようなコンセプトを持ってチームを作っていく考えはあるか。それとも、A代表と五輪代表は全く別のものという考え方なのか。

 A代表と五輪代表のコンセプトは同じで、共有しながらやっていきたいと思います。そこで招集した選手や、そのときにトライすることなど、状況が違ってくることもあると思うので。システムが同じかどうかとか、見える形は違うかもしれないですけれど、やっている内容や心構えとしては、同じコンセプトのものでやっていきたいと思います。

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