大谷、打撃解禁で大きな一歩も… まだ見えぬ「投手・大谷」の復帰目処
右ひじ側副靭帯損傷が発覚後、バットを振らずブルペンで目慣らしをする大谷 【写真は共同】
実戦復帰に向けた次の段階に関しては、マイナーでのリハビリではなく、管理された環境を想定し、非公開で行われる見込み。アリゾナのキャンプ施設などで毎回打席に立つ特別ルールの練習試合などを重ねる可能性もある。復帰時期に関してエプラーGMは、「未定」としているが、経過次第ではオールスター前の復帰もあり得るのかもしれない。
もっとも、ここまではある程度予想されていた。
打撃だけなら患部に影響はなし
「程度にもよりますが、靭帯を損傷していたとしても、通常の打撃の動きの中で悪化させる可能性は低い。打撃は問題ないのでは」
「打撃もだめ、というレベルなら、手術が必要だということ」
さらには、こんな話も聞いていた。
「極端な話、痛みさえ我慢できるなら、靭帯が切れていても打撃はできる」
そうした証言の信憑性はこの日、奇しくもエプラーGMが裏付けている。
「私自身、いろんな形で(影響を)聞いた。例えば、スイングするとき、左手でリードする形になるが、大丈夫か? と言ったことを。ただ、(ドクターの見解は)そうしたことで悪化することはないだろう、とのことだった」
そもそも、最初にMRI(磁気共鳴画像診断装置)検査を受けたとき、チームドクターらは、「指名打者だけなら、打っても構わない」というものだった。しかしチームとしては、今季中の投手としての復帰を考えた。その場合、あの段階で治療を優先する必要があった。自身の血液から採取した血小板を使って組織の修復や再生を図るPRP注射を打ったのも、あくまでも投手復帰を見据えての治療――。