熱戦中のスーパーGT、基礎の基礎を紹介 〜予選からレース前までのポイントは?〜

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平川亮とニック・キャシディが乗るLEXUS TEAM KeePer TOM'S 【(C)GTA】

 国内でもっとも観客動員を集めるモータースポーツ、それがスーパーGTです。今シーズンは2009年のF1世界チャンピオン、ジェンソン・バトンがフル参戦し一層注目が高まっています。シーズンは全8戦で争われ、ここまで序盤の3戦が終了。これから勝負の中盤、終盤に向けて、スーパーGTの基礎をおさらいしましょう。今回は予選の楽しみ方と決勝に向けての準備編です。

ノックアウト予選って何?

 通常、予選は土曜に行われ、その前に最低1時間45分の公式練習の時間が設けられます。続けて行われるノックアウト予選は、簡単にいうと勝ち抜き戦です。最初のQ1で上位につけなければ次のQ2に進めず、またその時点でスタート順が決まります。そしてQ2へ進出したチームだけで、改めて上位グリッドを決めるという方式です。その数はGT500が8位まで、GT300が14位まで。なお、GT300のQ1が2組に分けられた場合は、各組上位7位がQ2進出を許されます。

 実施時間は17年と変更点があり、GT300の組分けがない場合、Q1はGT300、GT500の順で、5分間のインターバルを挟み、15分間の計測はそのままですが、Q2はそれぞれの計測は12分間から10分間に短縮。インターバルは8分間のままです。

 そして、GT300の組分けがある場合は、それぞれ5分間のインターバルを挟んでGT300A組、GT300B組、GT500の順で、それぞれ計測時間は10分間とされました。Q2に関しては組分けがない場合と一緒。それぞれ10分間の計測となります。

走っていないけど金曜は何するの?

 ゴールデンウイークに行われる第2戦富士を除き、スーパーGTの公式スケジュールは金曜から開始されます。だけど、その金曜にGT車両が走ることはなく……。勇んで来たのに、サポートレースの練習走行が午前中に走っていただけで、「がっかりした」なんて人もいるんじゃないでしょうか。これはドライバーズブリーフィングが、金曜に設けられているからなんですね。当然、ドライバー全員に出席義務があり、万が一、欠席した場合は手数料を払って、再度ブリーフィングを受ける必要があります。もっとも、その前後にはチームごとのミーティングが行われますので、そうそう欠席するようなドライバーはいませんが……。

 一方、チームとしては金曜はマシンの搬入、ピットの設営を行う重要な一日でもあります。ピットウオークなどでレースウイークのピットをのぞいたことがある方もいるでしょうが、チームごとに装備が機能的に配置され、「豪華」「かっこいい」などと感じたはず。でも、普段のピットはせいぜいモニターが置かれるぐらいで、ガラーンとしたもの。それをあそこまで豪華にしてしまうのですから、けっこう時間はかかるんです。ただし、撤収は速攻ですが!

ドライバーの装備品

 スーパーGTに限らず、レースに出るにはヘルメットを被って、レーシングスーツを着て……というのは誰でも理解しているはず。あと、グローブも。けれど、何でもいいというわけではなく、装備品はすべてFIAの公認を受けたものでなくてはなりません。スーツはもちろんのこと、グローブ、ソックス、シューズ、アンダーウエア、バラクラバス(頭に被る目出し帽のようなもの)は耐火性でなくてはならないのです。ひととおり(場合によってはスペアも)そろえると、それなりの金額にもなってしまいますが、何より安全第一!

 さらに、もうひとつ装着が義務助けられているのが、HANSです。ヘルメットにぶら下がっていて、ドライバーの肩に乗っかっている、日常生活では見慣れないもの。あれがそうです。頭部及び頚部の保護装置で、ひどいクラッシュがあるとしっかりシートベルトを締めていても、ステアリングにヘルメットが当たった、なんてことがごく稀にあるんです。それは衝撃によって首が信じられないほど伸びたからで。HANSの装着義務で、近年は重大なアクシデントの発生は激減しています。

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