今年のメンバーは、実績があって調子のいい馬がいない感じで、どの馬に注目したらいいか決めかねちゃいますね。それなら、僕の好きな“強い馬が復活するパターン”に期待しようかな。サトノダイヤモンドに注目します。

　じつはクリストフ（・ルメール騎手）とはすごく仲良くさせてもらっていて、彼はガンバ大阪の試合を見に来てくれたりするんです。サトノダイヤモンドが3歳のとき、クリストフは最初、この馬とマカヒキの両方に乗っていて、皐月賞はどっちに乗ったらいい？　って訊かれたこともあるんです（笑）。当時、ハーツクライでの有馬記念勝利やウオッカによるジャパンC制覇など、すでに日本で実績を積み上げていたトップジョッキーからの意外に質問に、「オイオイ、（クリストフは）乗るプロやろ！（笑）」ってツッコミを入れつつ、僕はサトノダイヤモンドをオススメしたんですが。そんな思い入れもあるので、復活するところをぜひ見たいですね。

　ただし、雨が降って重馬場になったりしたら、他にもっと期待したい馬もいます。サトノクラウンです。確か去年、重い馬場で勝っていますよね。そのあとの天皇賞・秋もやっぱりグチャグチャの馬場で2着に来ていて。このところ大敗が続いていますけど、そういう馬場適性はけっこう大事だと思っているので、雨ならば今度はこの馬の復活に期待してみたいです。

　こういう馬の力の比較が難しそうなときは、ジョッキーだけ見ていてもレースはけっこう楽しめるものですよね。僕は競馬場に遊びに行ったときに紹介していただいたりして、知り合いのジョッキーも何人かできましたし。

　このメンバーで知り合いということで応援したいのは、ユタカさん（武豊騎手）のダンビュライト、大舞台に強いミルコ（・デムーロ騎手）のキセキ、（福永）祐一くんのヴィブロス、ユウガ（川田将雅騎手）のストロングタイタン、ケンイチのゼーヴィント、それからクリストフのサトノダイヤモンド……う〜ん、たくさんいすぎて困っちゃいますね（笑）。

　ワーザーは、香港の馬ですか。これも重馬場に強そうですけど、でも日本の馬に頑張ってほしいんですよね。全体に平均年齢が高いメンバーですし、スマートレイアーも面白そうですね。8歳牝馬が勝つのはなかなか厳しいかもしれないですけど、このメンバーなら。芦毛も１頭だけですし、頑張ってほしいですね。

　あとはパフォーマプロミスが気になります。前走が目黒記念3着ですけど、そのときのハンデが56kgで、それほど軽ハンデの恩恵があったというわけじゃないんですね。それで3着に入っているなら、けっこうやれそうな気がしてきました。今年はこのあたりの馬の走りにも注目して、レースを楽しんでみようと思います。

■遠藤 保仁（えんどう・やすひと）
Jリーグのガンバ大阪に所属するプロサッカー選手。ポジションはミッドフィールダー。1980年、鹿児島県桜島町（現・鹿児島市）生まれ。鹿児島実業高等学校から横浜フリューゲルス、京都パープルサンガ（現・京都サンガF.C.）を経て2001年にガンバ大阪へ。日本代表としても2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2014年ブラジルと3度のワールドカップに出場し、国際Aマッチ出場数の日本人最多記録を持つ（2018年現在）。愛称は「ヤット」。