波乱傾向強いハンデ重賞・マーメイドS 今年の穴馬を過去5年データから分析

JRA-VANデータラボ

毎年荒れ模様のハンデ戦

 先週の安田記念で春のG1シリーズが一段落し、上半期の中央競馬のG1は宝塚記念を残すのみとなった。今週は東京・阪神の2場開催で、日曜にはエプソムCとマーメイドSと2鞍の重賞が行われる。今回のデータde出〜たでは、阪神のマーメイドSをピックアップ。ハンデ戦で波乱傾向が強い同レースを2013年以降の過去5年のデータから分析する。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

マーメイドS近5年の上位3着以内馬一覧

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1は近5年の上位3着以内馬一覧。すべて良馬場で行われており、勝ちタイムはスローペースとなった15年以外は1分59秒3〜5とほぼ同じタイムとなっている。4角通過順、上位馬の上がり3Fはバラバラで、ハンデ戦で斤量に差があることによって勝ちタイムが平均化されていると考えられなくもない。実績では劣る人気薄がこれだけ激走できるというのは、それだけ人気馬を負かしやすい舞台設定になっているということだ。

 また、リピーターがまったくいないのもマーメイドSの特徴。同じ条件でもその時のレース展開や斤量、調子などによって、結果が大きく変わっている。

 人気順では1番人気馬は【1.1.1.2】で14年ディアデラマドレが勝利し、連対率40%・複勝率60%。以下、3・6・7・8番人気馬が1勝ずつ。昨年は3着に6番人気アースライズが激走し、毎年6番人気以下の伏兵が激走している。昨年以外は3連単で10万円以上の配当が出ており、波乱傾向が強い一戦だ。

マーメイドSの枠番別成績(過去5年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は近5年の枠番別成績。黄色で強調した1枠、外の7枠・8枠の複勝率が高い。最内の1枠は昨年3着のアースライズなど近3年続けて3着以内馬が出ている。7枠は昨年のマキシマムドパリら近2年続けて勝利、8枠も14年ディアデラマドレら2勝とこれら外目の枠に入った馬の勝ち星が目立つ。逆に内目の2・3枠は3着以内馬が出ておらず、不振傾向となっている。

マーメイドSの年齢別成績(過去5年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は年齢別成績。出走数が最も多い5歳馬が昨年のマキシマムドパリら4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年は上位1〜3着を独占しており、毎年1頭は3着以内に入っている。5歳馬の3着以内馬9頭中5頭が6番人気以下の伏兵だった。

 複勝率で5歳馬に迫るのが4歳馬。14年ディアデラマドレが勝利しているものの、3着以内馬4頭はすべて5番人気以内。そのうち3頭は1番人気での好走だった。6歳・7歳馬は3着以内馬1頭ずつで、やはり4歳馬・5歳馬が中心といえそうだ。

マーメイドSの斤量別成績(過去5年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は斤量別成績。53キロの馬が一昨年のリラヴァティら過半数の3勝をあげ、勝率・連対率トップ。この53キロから56キロまで黄色で強調したゾーンの複勝率が非常に高い。複勝回収率でも54キロを除いて、100%を超えている。今回だと53キロ以上の馬はハンデキャッパーに実力を認められていると考えた方が良いだろう。

 一方で52キロ以下の軽量馬は勝ち星がなく、のべ【0.2.0.33】と不振傾向が目立つ。ハンデ戦だからといって、軽ハンデ馬に飛びつくのは危険だ。

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