波乱傾向強いハンデ重賞・マーメイドS 今年の穴馬を過去5年データから分析

JRA-VANデータラボ

マーメイドSの前走クラス別成績(過去5年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は前走クラス別成績。表の下部の前走重賞組から勝ち馬が出ておらず、前走ヴィクトリアM組を中心としたG1組の連対馬がいないところが波乱傾向の強い最大の要因となっている。

 出走数が最も多い前走1600万下が一昨年のリラヴァティら最多の3勝をあげており、前走1000万下組も2・3着1回ずつ。これら格上挑戦組の好走が多いのが特徴だ。また、前走オープン特別組も昨年のマキシマムドパリ(前走大阪城S13着)ら2勝をあげ、連対率・複勝率ともに優秀だ。

マーメイドSの前走からの斤量増減別成績(過去5年)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は前走からの斤量増減別成績。出走数こそ少ないが、黄色で強調した今回斤量増の馬が昨年のマキシマムドパリら2勝をあげ、複勝率42.9%と非常に高い。今回増減なしの馬は勝ち馬こそいないものの、2着2回で連対率トップ。斤量減の馬は該当数が多く、連対率・複勝率ともに最も低かった。

マーメイドSの前走脚質別成績と前走上がり順位別成績(過去5年)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は前走脚質別成績と前走上がり順位別成績。前走脚質別成績では後方からの追い込みだった馬が昨年のマキシマムドパリら2勝をあげ、連対率・複勝率ともにトップだ。また、前走上がり順位別成績では上がり最速もしくは2位だった馬が好成績をおさめている。1位、2位ともに複勝回収率では100%を超えており、大きく狙ってみたいところだ。

結論

表8 ※フルゲート16頭。除外対象なし。 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の出走予定馬は表8のとおり。

 これまでのデータから推奨したいのが、キンショーユキヒメミエノサクシードの2頭。キンショーユキヒメは前走の福島牝馬Sで重賞初制覇。道中後方から上がり最速の脚を使って差し切り勝ちを決めた。昨年のマーメイドSでは上がり最速で勝ち馬とコンマ1秒差の4着と健闘している。5歳馬で前走から1キロ増も買い材料で、狙い目十分だ。

 ミエノサクシードは前走の阪神牝馬Sは6着に敗れたが、スローペースで瞬発力勝負になったもので度外視して良いだろう。2走前の1600万下・元町Sでは上がり最速で勝利。昨年のパールSでも先日のヴィクトリアMで3着好走のレッドアヴァンセを並ぶ間もなく差し切っている。重賞勝ちこそないものの、前走から斤量据え置きは実力が認められている証といえるだろう。今回も勝ち切る場面までありそうだ。

 他では53キロで実力あるミリッサ、前走上がり1位のアルジェンテ、フェイズベロシティ、ルネイションあたりも穴として押さえておきたい。トップハンデのトーセンビクトリーは近走で以前のような粘りが見られず、しかも不振傾向にある6歳馬で厳しいと見る。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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