皐月賞組か、それとも別路線組か データが教えるダービー馬券攻略法
前走青葉賞出走馬の各種データ
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走京都新聞杯出走馬の各種データ
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
重賞で上がり1位1着した実績の有無
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
芝2000m以上で1着した実績の有無
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
前記6頭のうちダノンプレミアム以外の5頭は皐月賞に出走しており、この組で重要なのは皐月賞で1〜5番人気に推されていることだった。これも満たすのはステルヴィオとワグネリアンの2頭。前者は芝2000m以上の勝ち鞍がないこと、後者は皐月賞7着がマイナスではあるが、有力視できる存在といえそうだ。また、皐月賞で上がり1位タイのグレイルも一発の可能性はあるだろう。
一方、皐月賞1着のエポカドーロ、2着のサンリヴァル、3着のジェネラーレウーノは、いずれも「重賞で上がり1位を記録して1着」を持っていない。この3頭とも皐月賞で上がり3位以内に入れなかったことを考えても、ダービーでは勝ちづらいタイプなのかもしれない。もちろん、好走の可能性は十分にあるはずだが、2、3着どまりのケースも想定したほうがいいかもしれない。
別路線組では、青葉賞を勝ったゴーフォザサミット。青葉賞当時の馬体重が496キロだから、この組の好走条件となる当日480キロ以上も、よほどのことがなければキープできるだろう。一方、京都新聞杯を制したステイフーリッシュは、その前走が7番人気だった点が気がかりである。
最後に、過去10年では好走歴のない前走からの臨戦ながら、上位人気に推されそうなダノンプレミアムとブラストワンピースにも触れておくべきだろう。ダノンプレミアムは前述の通り、重賞で上がり1位1着の実績を持つ。また、弥生賞1着で芝2000m以上1着も満たしている。万全の状態で出走できるようなら、やはり有力な1頭となりそうだ。ブラストワンピースは芝2000m以上1着の実績は持つが、唯一の重賞出走となった毎日杯が上がり2位1着で、こちらは満たせず。レースぶりから相当な素質を秘めた馬には違いないが、ダービーを勝ち切るとなると、さらなる潜在能力を引き出さなければならないのかもしれない。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。