「左腕」と「社会人」野手が奮闘 開幕1カ月のルーキー通信簿

ベースボール・タイムズ

ロッテの社会人野手コンビが健闘

開幕スタメンに名を連ねた藤岡(写真左)と菅野。開幕第3戦目には本拠地で2人でお立ち台に上がった 【写真は共同】

 野手陣では、社会人からドラフト2位で入団した藤岡裕大(トヨタ自動車→千葉ロッテ)が奮闘中だ。井口資仁新監督の下、「2番・ショート」で開幕スタメンに名を連ねると、則本昂大から二塁打、三塁打、シングルヒットを放って猛打賞デビュー。ここまで打率2割1分6厘、2本塁打、6打点と改善点はあるが、4月15日、17日と2試合連続本塁打をマークするなどハマった時のパンチ力を垣間見せ、同25日の東北楽天戦では開幕戦以来の3安打猛打賞をマークして進化もアピール。レギュラー不在だった遊撃手として全試合出場を続けている。

 同じく社会人出身、ドラフト4位入団の外野手・菅野剛士(日立製作所→ロッテ)も開幕スタメンに名を連ねた。その開幕戦の2打席目にプロ初安打を放つと、第2戦ではプロ初タイムリーとなる三塁打。第3戦でもタイムリーを放ち、試合後には藤岡裕とともにお立ち台に上った。その後はやや調子を落とし、18試合出場で打率1割8分8厘、0本塁打、8打点と数字的には不満が残るが、まだまだチャンスはやって来るだろう。

 さらにもう一人、開幕から不動のレギュラーとして出場を続けているのが、神里和毅(日本生命→DeNA)である。開幕2戦は7番に座っていたが、3戦目からは1番打者として巧みなバットコントロールと自慢の俊足を武器に、開幕8試合を終えた時点で打率3割5分5厘&5盗塁の好発進。最近5試合は18打数3安打と調子を落として打率2割4分4厘まで数字を下げ、外野守備でもミスが出たりもしたが、ラミレス監督の抜擢に応えるべくトライ&エラーで成長を続けている。

 その他、野手陣では前述の3人に加えて、大城卓三(NTT西日本→巨人)、田中俊太(日立製作所→巨人)、楠本泰史(東北福祉大→DeNA)、宮本秀明(パナソニック→DeNA)、山足達也(ホンダ鈴鹿→オリックス)、福田周平(NTT東日本→オリックス)、松本直樹(西濃運輸→ヤクルト)、島田海吏(上武大→阪神)の計11人が、すでに1軍の試合に出場済み。特に宮本は4月25日、26日と2試合連続本塁打を放って急上昇中だ。

ヤクルト1位・村上が2軍で強打披露

2軍スタートながら、早くも3割、3本塁打と持ち前の強打を発揮しているヤクルトの高卒ドラフト1位ルーキー村上 【写真は共同】

 大学、社会人出身のルーキーたちが続々と1軍デビューを飾る中、昨年秋のドラフトで話題をさらった高卒ルーキーたちは、ファームで鍛練を続けている。

 その中で、2度目の抽選で3球団が競合したドラフト1位の村上宗隆(九州学院高→ヤクルト)が早くも高い能力を見せ、2軍戦25試合で打率3割2分3厘、3本塁打、19打点をマーク。また、ドラフト2位入団の西川愛也(花咲徳栄高→西武)も木製バットも苦にせず快音を連発し、ここまで2軍戦22試合に出場して打率3割2分4厘、0本塁打、5打点の好成績を残している。

 その他、ドラフト1位の安田尚憲(履正社高→ロッテ)は2軍戦27試合で打率2割5分0厘、2本塁打、15打点。中村奨成(広陵高→広島)は2軍戦27試合で打率1割9分7厘、2本塁打、6打点。そして、最大の注目選手である7球団競合の清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)は、3月に限局性腹膜炎で緊急入院するなどで出遅れ、2軍戦でもしばらくはノーヒットが続いていたが、ここに来てアーチ量産で本領発揮の気配。ここまで2軍戦12試合に出場して打率2割0分5厘、4本塁打、9打点の成績を残している。彼らは決して焦る必要はないが、「早く1軍で見たい」というファンの想いにも是非とも応えてもらいたい。

 昨季は京田陽太(中日)、源田壮亮(西武)の野手2人が新人王に輝き、浜口遥大(DeNA)が10勝、山岡泰輔(オリックス)が8勝をマーク。高卒新人では藤平尚真(楽天)が6月に1軍デビュー、8月にプロ初勝利を挙げた。そして高卒野手では細川成也(DeNA)が、シーズン最終盤に1軍デビューを果たしてプロ初打席初本塁打&2試合連続本塁打を放って見せた。さて今季はどうなるか。まだ1カ月。五月病などと言っていられない。新時代を創るルーキーたちの成長、そして活躍を、楽しみに待とう。

(三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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