侍女子「マドンナジャパン」代表選手発表 「結束してW杯6連覇を勝ち取りたい」

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高校生も3人選出

ワールドカップ代表20選手を発表した橘田監督(左)と全日本女子野球連盟の長谷川会長 【スポーツナビ】

 侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」の橘田恵監督は25日、都内で「第8回WBSC女子野球ワールドカップ(W杯)」のメンバー20選手を発表した。5大会連続選出となる里綾実(愛知ディオーネ)、4大会連続の川端友紀(埼玉アストライア)らのベテラン勢に加え、高校生3人を含む10代の選手が10人選出されるなどバランスの取れた選出となった。今大会は8月22日から31日まで米国フロリダ州ヴェイエラ市で行われ、マドンナジャパンは6連覇を目指す。
全日本女子野球連盟・長谷川一雄会長のコメント

 世界6連覇を目指す侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」の代表20人が決まりました。われわれ女子野球連盟は、昨年から中学生の選抜チームを香港の国際大会に派遣し、アジアカップには高校生を派遣するなど、野球が大好きな女の子たちに野球を続ける意欲を持ち続けてもらおうと思ってやってきたのですが、その中で昨年のアジアカップで活躍した選手が非常に頑張って、このフル代表に顔を見せるまでになってくれました。非常にうれしいことで、私としても非常にいいメンバーがそろったなと思っております。
橘田監督のコメント

 今回の選考につきましては、より多くの女子選手の可能性を探るため、一次選考では書類選考だけでなく動画での選考も取り入れ、二次選考では野球競技能力を主観的だけでなく客観的にも見るために、可能な限りの測定を取り入れるなど、新たな取り組みも行ってきました。そのような中、36名の代表候補選手の2度の合宿を経て、これまで日本の連覇を支えてきたベテラン選手、昨年のアジアカップや国内大会で活躍する若手選手、また女子プロ野球とアマチュア女子野球において走攻守で最高峰の選手を選出いたしました。

 このチームはこれまでのW杯での優勝という豊かな経験を持つ選手や、18歳以下の若手で臨んだアジアカップで優勝してフル代表に上ってきた成長著しい若手選手、そして期待を込めて新たに選出した選手で構成いたしました。野球の実力はもちろんのこと、野球に取り組む姿勢、プレーに対する考え方などさまざまな観点から選手を見て、熟慮の結果、自信を持って選出した現時点での女子野球日本最強のメンバーです。国を代表して、日の丸を背負って世界と戦うことに誇りと責任を持ち、選手はもちろん、コーチ・スタッフ、チームに関わる全員が結束してW杯6連覇を勝ち取りたいと思います。そして日本が女子野球の模範となってリーダーシップを取れるよう努めてまいります。

橘田監督は6連覇を目指すだけではなく、日本女子の野球が世界の模範となれるように一致団結したいと語った 【スポーツナビ】

以下、質疑応答。

――20人に絞るのは大変だったと思いますが一番悩んだ部分と、投打の中心選手を教えてください

 今回36名の候補選手から20名を選出するということで、年々レベルが高くなっていますし、それぞれの持ち味も異なる中で、W杯をどう戦うかとなった時に、投手に関してはゲームコントロール能力の高さ、野手に関しては守備力、持ち味を生かしつつ複数ポジションを守れるというバランスも考慮して選びました。投手の方は前々回MVPの里、清水美佑(アサヒトラスト)、田中露朝(尚美学園大)の3名を軸に考えていきたいと思っています。また、打の方は長打がある三浦伊織(京都フローラ)、川端に加え、出口彩香(ハナマウイ)、船越千紘(平成国際大)の粘り強いバッティングに期待をしています。

――初代表が12人と若手の起用が多く見られますが、若手への期待を教えてください

 昨年のアジア大会を経験した選手も含まれてきますので、初のフル代表ではありますが、代表経験者が半数以上を占めていると考えています。3人の高校生も十分に実力を持っていますので実力を発揮してもらうとともに、ベテラン選手からもしっかりと学んで、今後の若い世代の中心になっていってほしいと思っています。

――キャプテン候補がいたら教えてください。

 2度の合宿でリーダーという形で出口選手にお願いしておりましたが、今回正式に出口選手にキャプテンをお願いしたいと思っています。

――グループ分け(日本はカナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国と同組)が発表されていますが、どんな印象ですか?

 グループでの戦いから厳しい戦いが予測されていると思いますが、私達も一つひとつ勝っていくことに変わりはありませんので、そこはしっかりと準備をして、日本らしい細かな野球で1点を取る形で進めていきたいと思っています。

――合宿、大会を通じて選手に経験してほしいことや、監督が選手に伝えたいことがあれば教えてください。

 日本は5連覇中ではありますが、勝つことだけを目的にするのではなく、日本の女子野球が世界の模範になり、リーダーシップを取るために、日本からどのようにして学んでいただくかも含めて、すべてにおいてレベルの高い取り組みをしていきたいと思っています。野球においては攻撃のバリエーションや走塁のレベル、守備の正確性など、日本が一番できている部分だと思いますが、世界から見てもやはり日本はすごいなと、学んでもらえるようにしっかりやってこうと伝えていきたいと思います。

――6連覇が懸かる大会に向けて、目標を意気込みをお願いします。

 日本代表選手は国内の選手にとって良き見本となれるように努めていくことはもちろんのこと、6連覇というのは日本チームしかトライできないことですので、しっかりと達成するということはもちろん、世界の女子野球の普及発展のためにできることをしっかりやっていきたいと思います。また世界のチームが日本の野球に対し、より興味を持ってもらえるような、レベルの高い走攻守を精いっぱい準備をしてやっていきたいと思います。

――3人の高校生選手の特徴を教えてください。

 投手の石村奈々(履正社高)は力強いピッチングのできる選手です。坂原愛海(京都両洋高)は大きな舞台でも自分の力を十分に出して、ゲームをコントロールする力がうまい選手だなと感じています。田端凛々花(折尾愛真高)については、捕手ではあるのですが外野も守れますし、打力も素晴らしいですが走力の高さも含めて今回選出しました。

――最年長の選手から高校生まで11歳位の年齢差がありますが、そのチーム作りでの期待、難しさなどはありますか?

 いままでもそれくらいの年齢差はあったと思いますが、近年若手選手のレベルが上ってきていまして、そういう部分では実力差は極めて均衡していると考えています。若手選手が歳上に気を遣わないわけではないのですが、こちらからしっかりフォローすることによって、若手、ベテラン関係なく、私達の目標は6連覇すること、世界の模範になっていくことを徹底して会話していくことで、年齢差は埋まっていくのではないかな、と。女子野球においてはほかのカテゴリーと異なって、高校、大学、クラブチーム、プロも含まれる大会も一年の中で組まれています。ほかのカテゴリーに比べると年代差があるなかで競技をしていますので、そこはさほど気にしていません。

――監督が去年就任されて、大きな大会は去年のアジアカップ以来になりますが、昨年の大会での反省なども今回のメンバー選考の中に含まれていますか、またケガなども含めた予備メンバーなども考えていますか?

 昨年のアジアカップについては18歳以下で編成しておりましたので、全員が国際大会が初めてという状況で不安もありました。その中で今回、その経験や前回、前々回のW杯を含めて半数以上が国際大会の経験者ですので、去年よりもしっかりと準備が整えられるのではと考えております。また、20人という選手選考について、もちろん20人全員がベストなコンディションで大会に臨めるかと言われれば大変難しい部分もあるかと思いますが、20人でしっかりと準備を進めていきたいと思います。その中でもし大きなケガなどありましたら、連盟と相談して今後検討していければと思っています。
代表メンバー
■投手
里綾実(愛知ディオーネ)
谷山莉奈(埼玉アストライア)
水流麻夏(レイア)
清水美佑(アサヒトラスト)
田中露朝(尚美学園大)
大野七海(大阪体育大)
石村奈々(履正社高)
坂原愛海(京都両洋高)

■捕手
船越千紘(平成国際大)
緒方佑華(履正社RECTOVENUS)
田端凛々花(折尾愛真高)

■内野手
川端友紀(埼玉アストライア)
出口彩香(ハナマウイ)※主将
田中美羽(アサヒトラスト)
小島也弥(IPU環太平洋大)
阿部希(ハナマウイ)
吉井温愛(履正社RECTOVENUS)

■外野手
三浦伊織(京都フローラ)
中田友実(愛知ディオーネ)
北山未来(履正社RECTOVENUS)
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