松山英樹はアンダーパーも首位と9打差 上位選手と明暗を分けたバーディ数

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トータルイーブンパーの18位タイで予選突破となった松山英樹。予選上位選手と松山との差はどこにあったのか? 【Getty Images】

 相性のいい「マスターズ」でゴルフの海外メジャー初制覇を目指している松山英樹は予選ラウンドを終えてトータルイーブンパーの18位タイ。順位こそ初日の29位タイから上げたが、首位との差は7から9打差に広がった。2日目に6アンダーをたたき出した首位のパトリック・リード(米国、トータル9アンダー)と5アンダーをマークした2位のマーク・リーシュマン(オーストラリア、トータル7アンダー)が抜け出しているのもあるが、松山と上位陣の差はどこにあったのか?

松山はいいショットは打つもチャンスメークできず

 硬く締まった高速グリーンに加えて2日目は風もきまぐれな様相。選手を大いに惑わせた。その中でも上位の選手は確実にスコアを伸ばした。初日、首位に立ったジョーダン・スピース(米国)は1番ホールのダブルボギーが響いてスコアを2つ落としたが、それでも貯金を生かして4位タイ(トータル4アンダー)。3位につけているヘンリック・ステンソン(スウェーデン、トータル5アンダー)、スピースと同じ4アンダーのロリー・マキロイ(北アイルランド)はアンダーパーのラウンド。4位タイまでの5人に共通しているのは、予選ラウンドでバーディを取りまくったことだ。

 リードは2日間で14バーディ(5ボギー)、リーシュマンは1イーグル、8バーディ(ボギーとダブルボギーがそれぞれ1つ)。ステンソンは10バーディ(5ボギー)でマキロイのバーディ数は8(4ボギー)。スピースは1イーグル、9バーディ(5ボギー、1ダブルボギー)。5人ともにバーディ量産体勢で、スコアをつくった。難解なオーガスタナショナルGCではボギーも覚悟の上。攻めきって、バーディを奪った者しかはい上がることはできない。「攻めた選手はチャンスにつくし、グリーンの真ん中でもいいと逃げた選手のボールはピンから遠ざかる」と小平智(1オーバー、28位タイ)も話すように、リスク覚悟で攻めきる必要があるのだ。

 対する松山は2日間で5バーディ、ボギーが3つにダブルボギーが1つ。ボギーの数こそ少ないが、明らかにバーディの数が少ない。「すべてがダメ」と大会前に話していたが、そんな状態だからなのか、チャンスメークができていないのが数字に表れている。チャンスを生み出すのに絶対必要なフェアウェーキープ率は、2日間を通して82.1%。上位5人と比べてもきわめて高いが、パーオン率は5人より劣る61.1%だ。

松山浮上の鍵はパッティング

 加えて、最終的にバーディを生み出すパット数も5人より劣る。「パットも良くなってきた」と2日目には光明を見いだしたが、平均パット数(1ホール当たり)1.67はリードの1.42が驚異的なことを抜きにしても、他の4人の1.5台から見劣りする。18ホールで換算すれば、リードと松山のパット差は9打。ピッタリとトータルスコアの差となって露呈している。

 2015年に5位に入ったときは4日間の平均パット数は10位。7位タイに入った16年は16位。当時の感覚を取り戻せば、ティショットが好調な松山にもまだまだ勝機があるともいえる。パットは水物とはよくいわれるが、決勝ラウンドで劇的に変わることができれば、日本に朗報が舞い込む可能性だって十分あるのではないか。
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