今年のドバイは青服ゴドルフィンが席巻 GIレース5戦4勝で日本馬もお手上げ

JRA-VAN

日本馬健闘も一歩届かず

ドバイターフを制したベンバトル、2番手から抜け出し日本馬を完封した 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 G1ドバイターフ(芝1800m)には2016年の覇者リアルスティール、昨年からの連覇を目指すヴィブロス、さらにクロコスミア、ディアドラ、ネオリアリズムの大挙5頭が出走して、日本調教馬による3年連続優勝が期待されたが、勝利したのは、2番手から抜け出したゴドルフィンのベンバトルだった。

 それでも、日本馬も闘志を見せてヴィブロスが馬群の後方から大外を伸びて2着。リアルスティールとディアドラの2頭が同着3着と健闘した。

連覇を狙ったヴィブロスは猛追も一歩届かず2着 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

2年ぶりVが期待されたリアルスティールも地力は見せたが…… 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 ヴィブロスのC.デムーロ騎手は「ここ最近のヴィブロスは日本で力を発揮できていなかったと聞いていましたが、十分にリラックスできていました。前半は抑えて後ろからという調教師の指示でした。馬は頑張りましたが、勝ち馬が強かったです」と勝ったベンバトルを称え、リアルスティールのM.バルザローナ騎手は「いいレースをしましたが、少し力が及びませんでした。まだまだ走れる馬だと思うので、次は頑張って欲しいです」とコメント。ディアドラのC.ルメール騎手は「直線を向いた時は本当に勝てると思いましたし、このコースも合うんでしょうね。でも勝った馬は強かったです」と語った。

「直線を向いた時は本当に勝てると思った」とディアドラ騎乗のルメール、大健闘の3着だった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 クロコスミア(7着)とネオリアリズム(8着)は上位争いに加わることができず、レース後に、クロコスミアの岩田康誠騎手は「自分のペースでいきましたし、折り合いも付いたと思います。最後もバタっとはきていないです」と話し、ネオリアリズムのJ.モレイラ騎手は「集中しきれていなかったので、良いスタートが切れませんでした。道中も少しかかっていたので、最後も伸びませんでした。テンションが上がっていて、ベストなパフォーマンスを出せなくて残念です」と悔しさをにじませた。

 優勝したベンバトルの優勝タイム1:46:02は2014年にジャスタウェイが優勝した時のレコードタイム1:45:52に次ぐレース史上2番目に速いタイム。G1は初勝利になるが、1月と2月に重賞を連勝し、3月10日のG1ジェベルハッタは出遅れと道中で外を回らされる不利がありながら2着に入った勢いが本物であったことを証明した。今後は6月の英G1プリンスオブウェールズステークス(芝2000m)を目指すことになりそうだ。

 ゴドルフィンは、G1ドバイターフ、G1ドバイシーマクラシック、G1ドバイワールドカップに加えて、芝1200mのG1アルクオーツスプリントをジャングルキャットで優勝。この日に行われたG1競走5つのうち4つを制する大成功となった。

マインドユアビスケッツ史上2頭目の連覇

ドバイゴールデンシャヒーンはマインドユアビスケッツが後方一気のVで史上2頭目の連覇 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 マテラスカイが挑戦したG1ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)は、昨年の覇者でもある米国のマインドユアビスケッツが、今年も後方から切れ味鋭い末脚を繰り出して優勝。このレースの連覇は2001、02年に達成した米国のコーラーワン(2001年はG3)以来2頭目の快挙となった。優勝タイム1:10:12は前哨戦のG3マハブアルシマールでジョーダンスポートがつくった1:10:18を塗り替えるコースレコードだった。前哨戦同様に今回もジョーダンスポート(6着)が逃げて、800m通過のタイムは45.51秒。レコードだった前走の通過タイムをさらに1.12秒上回るもので、最後はこれを追いかけた組には厳しくなり、最後方から飛んできたマインドユアビスケッツに展開が味方した。

 マテラスカイは速いペースを3番手で追いかけて5着に健闘。レース後に武豊騎手は「これだけのメンバーでもスピード負けはしませんでした。道中の感じも悪くなかったですし、先手が取れなくても馬は戸惑っていなかったので、悪くない流れだと思っていました。ラストも伸びてくれればと思いましたが、さすがに豪華メンバーで相手が強かったです。それでも、今後が楽しみになる一戦だったと思います」と語った。

UAEダービーは愛国のメンデルスゾーンが18馬身1/2差の圧勝

 G1以外のレースに出走した日本調教馬では、G2ゴドルフィンマイル(ダート1600m)でアディラートが3着、アキトクレッセントが14着。アディラートは昨年のG2UAEダービーに続く2年連続での遠征で好走を見せた。

 G2UAEダービー(ダート1900m)に挑戦したタイキフェルヴールとルッジェーロはそれぞれ6着と8着。このレースを18馬身1/2差で圧勝した愛国のメンデルスゾーンは、5月5日に米国で行われるG1ケンタッキーダービーに出走予定。同日には英国のG1英2000ギニーにここまで3戦無敗のディープインパクト産駒サクソンウォリアーも出走を予定しており、R.ムーア騎手がどちらを選択するかにも注目したい。

(サラブレッドインフォメーションシステム 伊藤 雅)

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