美しく強い、スペイン代表の変わらない形 新世代の台頭により高まる期待

ラ・ロハは“マタドール”になることを選んだ

今もこれからも、ラ・ロハは美しくも脅威を与えるチームであり続ける 【Getty Images】

 一時はバルセロナ化が進んでいたチーム構成もレアル・マドリーやアトレティコ・マドリー、そしてプレミアリーグで経験を積んだ選手たちが加わることで多様化してきたが、今もラ・ロハは美しくも脅威を与えるチームであり続けている。

 正GKはマンチェスター・ユナイテッドの守護神ダビド・デヘア。最終ラインにはW杯を制した経験豊富なラモスとピケ、高い攻撃センスと対人守備力を併せ持つジョルディ・アルバとダニ・カルバハルが並ぶ。

 中盤の底には世界最高のボランチと言われるセルヒオ・ブスケッツが君臨し、2列目にはアンドレス・イニエスタやダビド・シルバ、イスコ、コケらクリエーティブなMFがそろっている。彼らと1トップのジエゴ・コスタ、モラタらで構成される攻撃陣にはサウール・ニゲス、チアゴ・アルカンタラらMFを加えることも、もう1人アタッカーを加えることもできる(編注:ブスケッツとモラタは3月23日のドイツ戦、27日のアルゼンチン戦では招集外)。

 何よりロペテギ率いる現在のスペインは独自のプレースタイルと個々のタレントを兼ね備えるだけでなく、新世代の台頭により分厚い選手層を誇るチームになった。

 若いタレントが外国人選手との生存競争に埋もれず、続々と頭角を表している要因の1つには、ラ・ロハが“マタドール”になることを選び、明確なプレーコンセプトを打ち出したことが挙げられる。

 そしてわれわれにとってはありがたいことに、今後ラ・ロハの方向性が変わることはまずなさそうだ。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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