◎の数は王者レッドと互角、その馬とは? スプリントGI高松宮記念の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

今度こその馬に昨年の覇者 そして香港からの刺客は

桜花賞以来のGIタイトルを狙うレッツゴードンキ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

持木「昨年の国内スプリントGIはともに2着惜敗だったレッツゴードンキですが、流れにかかわらず確実に差し込める末脚は魅力十分ですね。前走は久しぶりにダートを使いましたが、メンバーを考えても大健闘と言える内容でしたし、これが起爆剤となりそうですよ」

広田「桜花賞以来となるGIタイトル獲得を、と関係者の今年に賭ける期待も大きいと思いますが、先週坂路で跨った岩田康騎手も“去年以上に追切りも動けるようになっているし、好調さを感じる”と、年齢的な衰えは全くないことをアピールしてましたね。ある程度速い馬も揃って展開的にもこの馬向きの流れになりそうですし、スタートを決めてインでじっと脚をタメれば直線は弾けるでしょう」

デスク「ただ、前走でフェブラリーSを使ったあたり、まだ陣営が適性を掴み切ってないのかな、とも思ったんだけど」

加茂レッツゴードンキは、本来なら阪急杯で始動となるはずやったんだけど、暮れの香港で減った馬体を戻しながらの調整になったことで、ダートを使ってダメージを少しでも減らす狙いと、レース間隔をあけて万全の態勢で臨みたいという陣営の考えがあったんや。“思い通りの調整ができたし、仕上げには何の不安もない。昨年は勝ち馬に馬場が味方して悔しい思いをしたが、振り返れば、桜花賞以降は交流戦も含めてGIで3度の2着。もう銀メダルはいらない”と、梅田智師も力が入ってましたで」

打越「さっきから出ている“勢力図に変化なし”の見方と、実際に昨年の2・3着馬が人気になるメンバーを考えれば、素直にセイウンコウセイの連覇に期待すべきだろ。シルクロードS2着からの臨戦は昨年と全く同じだし、勝ち馬との着差は広がったとはいえ、自身の斤量が3キロ増えたことを考えれば評価できるはず。週中の降水量は65ミリで、回復してもパンパンの良にはならないだろうし、馬場も昨年同様にこの馬に味方しそうだな」

板子セイウンコウセイの前走は、ようやくスランプを脱出したと言える好内容でしたし、最終追いでもビッシリ追われて順調そのものです。陣営の感触も“体つきや毛ヅヤが良く、動きも良かった。最近の中では一番いいデキ”と、上々でしたが、絶好調と思えた昨年の仕上りと比べると、個人的にはやや劣る印象も受けます。とにかく揉まれないことが好走の条件で、最内枠もプラスに働きそうですが、目標にされる形でどこまで粘れるかですね」

久光「前哨戦となるオーシャンSやシルクロードSが、ともに記録的には平凡な結果となった印象で、僕も大きな勢力図の変化はない派ですが、であれば、そこに出走していた馬が10頭を数える昨年のスプリンターズSの結果を重んじるべきかと思い、ブリザードに逆転の期待をかけます。スタートの不利と道中でも厳しい形でしたが、直線ではレッドファルクスに次ぐ伸び脚。舞台が地元とはいえ、香港スプリントではレッツゴードンキを逆転しましたし、単純なヒエラルキーの中でも上位なのは明白でしょう。パワー型の馬体は、野芝の中山より洋芝をオーバーシードした中京で更に生きるはずですよ」

中邑ブリザードのスプリンターズSは、スタートがヨレ気味だったこともありましたが、完全に挟まれて後手を踏む形でしたね。そこからもなし崩しに脚を使わされる最悪の形でしたが、直線で坂を上がってからもうひと伸びした内容を高く評価すべきでしょう。本来は、好位で立ち回ることもできる馬ですし、スムーズなら勝負になりますよ」

瀬古「年齢がどうたら、の話も出ましたが、僕は8歳馬ダンスディレクターを狙います。レコード決着でのハナ差2着だった前走で健在ぶりはアピールしていますし、ぶっつけになりますが、先週の坂路で51秒8と自身のベストに近い時計が出ており、仕上りも申し分ないと思います。前で運びたい馬の枠の並びを考えても、けっこう先行争いが激しくなりそうですから、流れも向くのではないでしょうか」

板子ダンスディレクターは、2年連続で故障に泣かされたこともあって、8歳にして初めての高松宮記念出走となりますが、視野に入れていた阪急杯をパスしてぶっつけになる点は、鉄砲実績を考えても割り引く必要はないでしょう。スプリンターズSも大外枠から内に潜り込むことが叶わず、道中のロスが響いた分の負けと言えますし、新興勢力の台頭が乏しい状況なら、チャンスは十分あるはずです」

伊利ダンスディレクターは、取りこぼしもある馬ですが、関西圏で掲示板を外したのは21戦中2回しかなく、しかも坂を上がってからゴールまでの平坦部分が長い中京では全て馬券圏内です。さすがに年齢的にはラストチャンスかもしれませんが、ここでGI馬の仲間入りを果たすシーンも十分にありますね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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