シーズン162試合、長距離移動に時差も MLB入門編<その2>
2月中旬に投手、捕手がキャンプイン
スプリングトレーニングで投球練習するエンゼルスの大谷。 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
日々、こんな見出しがニュースのヘッドラインを賑わせているように、いまや日米ともにオープン戦真っ盛り。ただし、キャンプからオープン戦までの流れには日本プロ野球(NPB)とメジャーリーグ(MLB)で、やや違いがある。
NPBでは毎年、2月1日に12球団が一斉にキャンプインするが、MLBの場合は2月半ばにまずは投手と捕手のバッテリー組、その後に野手が集合して「スプリングトレーニング」と呼ばれるキャンプ期間に入る(キャンプインの日程は球団によって多少、前後する)。キャンプが行われるのはアリゾナ州、フロリダ州のいずれかだ。
今年から大谷翔平が入団したエンゼルスを例に取ると、まずは2月13日(現地時間)にバッテリー、そして2月18日に野手がキャンプ地のアリゾナ州テンピに集合し、翌日から合同練習がスタート。その4日後には早くもアスレチックスと対外試合を行い、そこからは毎日のようにエキシビジョンゲーム、あるいはスプリングトレーニングゲームと呼ばれるオープン戦をこなしながら、シーズン開幕に向けて調整をしていく。
MLBではこのオープン戦も、あくまでスプリングトレーニングの一環であり、開幕直前にキャンプ地を離れるまでは、試合も基本的にそれぞれのキャンプ地で行われる。これもエンゼルスを例に取ると、3月24日まではキャンプ地でオープン戦を行い、翌25日から地元ロサンゼルスに戻ってドジャースと最後のオープン戦3連戦。そこから1日置いて、3月29日にはもうレギュラーシーズンの開幕を迎える。今年は全30球団が同じ日に開幕するが、これは50年ぶりのことであり、現在の全30球団制では初めてのことになる。
長い連戦も当たり前
しかも、広大な北米大陸だけに移動距離が日本とはケタ違い。たとえば大谷のいるエンゼルスが同じア・リーグのレッドソックスと敵地ボストンで対戦する場合、本拠地のロサンゼルスから飛行機で4000キロあまりの距離を移動することになる。これは北海道日本ハム時代、福岡ソフトバンクとの試合のために遠征した際のおよそ3倍の距離になる。
さらに米国には国内でも時差があり、ロサンゼルスとボストンではその差は3時間。仮に昼過ぎの便で出発すると、約5時間半かけて着いた時には、現地では時計の針は夜の8時半を回っていることになる。飛行機での移動は基本的にチャーター機で、検査場などを通らずにそのままバスで機体まで横付けされるので楽な面もあるものの、10試合以上の連戦も頻繁にあり(エンゼルスの2018年は最長16連戦)、過酷なのは間違いない。