シーズン162試合、長距離移動に時差も MLB入門編<その2>
インターリーグはシーズン通して実施
ヤンキース対メッツのインターリーグは両チームの本拠地を地下鉄で行き来できるため「サブウェイシリーズ」と呼ばれる 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
インターリーグの対戦カードは年によって異なるが、同じ都市や近隣の都市を本拠地とするチーム同士による名物カードは、毎年組まれている。お互いの本拠地を地下鉄で行き来できることから「サブウェイ(地下鉄)シリーズ」と呼ばれるヤンキース対メッツ戦や、高速道路のフリーウェイでそれぞれの球場を行き来することができるエンゼルス対ドジャースの「フリーウェイシリーズ」などがこれに当たる。
NPBと同様に7月に行われるオールスター戦は、MLBでは年に1試合だけ。現在は30球団あるので、単純計算だとそれぞれのチームのホームグラウンドで開催できるのは、30年に1度ということになる。今年は7月17日に首都ワシントンDCのナショナルズ・パークで開催されるが、ワシントンDCでの開催は49年ぶり。1試合のみのため、ファン投票によって選ばれた選手がスタメン出場するのがメジャー流だ(投手はファン投票の対象外)。また、NPBでは試合前に行わるホームラン競争は、試合前日に公開練習と併せて開催されている。
1カ月も盛り上がるポストシーズン
このポストシーズンは4つのステージに分かれており、その期間は1カ月にもおよぶ。まずは両リーグともにワイルドカード同士で1試合制の「ワイルドカードゲーム」を行い、勝者は5回戦制(3戦先勝)の「ディビジョン(地区)シリーズ」に進出。ディビジョンシリーズを勝ち抜いたチーム同士が、今度は7回戦制(4戦先勝)の「リーグチャンピオンシップ(リーグ優勝決定)シリーズ」で対戦し、これに勝てばリーグ優勝ということになる。つまり、仮に地区優勝を逃しても、プレーオフを勝ち抜いてリーグ王者になる可能性があるということだ。
ここまで来ると、残るはいよいよメジャーリーグの頂点を決める7回戦制(4戦先勝)の「ワールドシリーズ」のみ。1903年から始まったこのシリーズを最も多く制したのはヤンキースの通算27回だが、松井秀喜がMVPに選ばれた2009年を最後にMLB王者の座からは遠ざかっている。昨年はアストロズが4勝3敗でドジャースを下し、球団創設以来初のワールドチャンピオンに輝いたが、今年はどのチームが頂点に立つのだろうか。