【新日本プロレス】猪木vs.ゴッチから始まった歴史 新日本の「旗揚げ記念日」を振り返る
オカダvs.内藤のIWGP初戦も旗揚げ記念日に
“レインメーカーショック”の直後に内藤とのIWGP戦が行われている 【t.SAKUMA】
2013年は「旗揚げ記念シリーズ」となり、3月3日、後楽園大会のメインでは、当時のIWGPヘビー級王者であった棚橋と、IWGPジュニア王者であったプリンス・デヴィット(現フィン・ベイラー)がノンタイトル戦で戦い、17分43秒、ハイフライフローで棚橋が勝利。なお、セミでは、中邑vs.ランス・アーチャーによるIWGPインターコンチネンタル(IC)王座戦も行われている。
2014年からは、旗揚げの聖地である大田区総合体育館に復帰。この年は3月6日に「旗揚げ記念日」として行われ、メインでは、前年と同じ構図である、IWGPヘビー級王者のオカダと、IWGPジュニア王者の飯伏幸太が激突。18分41秒、レインメーカーでオカダが勝利している。なお、この日のセミは棚橋&内藤組vs.中邑&石井組という、今現在の状況では実現不可能な顔合わせというのも、時間の流れを感じさせる。
昨年は天コジが3年4カ月ぶりIWGPタッグ
昨年は天コジが3年4カ月ぶりにIWGPタッグ王座に返り咲いた 【写真:SHUHEI YOKOTA】
2016年の3月3日の大田区もNJC開幕戦として1回戦8試合が行われ、メインでは、ファレが棚橋に勝利し、2年連続の金星獲得を果たしている。なお、同大会では、オカダがCHAOS新メンバーとしてオスプレイの加入を発表。それから2年後に、今度は2人でメインを飾るというのは興味深い出来事だ。
2017年は3年ぶりに3月6日に「旗揚げ記念日」として開催され、メインでは、現IWGPヘビー級王者であったオカダからの指名により、オカダvs.タイガーマスクWのシングル初対決(ノンタイトル戦)が実現。“中の人”の正体を推測するファンからは「30分時間切れ引き分け」を予想する声も多かったが、結果は27分3秒、レインメーカーでオカダが勝負をつけ、王者の意地を見せた。また、セミファイナルでは、当初、出場予定であった本間朋晃の負傷欠場を受け、急遽タイトルマッチに臨んだ天山広吉&小島聡の天コジが、実に3年4カ月ぶりにIWGPタッグ王座に返り咲き。ファンの感動を誘った。
最近はオカダがメインに連続出場
今回はIWGPヘビーとIWGPジュニアの王座同士によるシングルマッチ。どんな歴史が刻まれるか 【写真:SHUHEI YOKOTA】
また、昨年のタイガーマスクW戦については、オカダ自ら2.5札幌大会のリング上で「1人、闘いたい相手がいます。ボク個人として興味があるのは、タイガーマスクW」とファンと会社に訴えて実現。今年のオスプレイ戦も、2.10大阪大会のリング上で「ヘビー級はNJCに出るでしょ。ヘビー級が出ないということは、久しぶりにヘビー級vs.ジュニアヘビー級のチャンピオン対決をやりたい」と、どちらも“オカダ発信”でカードが即決している。
なお、内藤も昨年のオカダvs.タイガーマスクW戦の実現後、「自分でテーマを見つける」と、当時保持していたIC王座の挑戦者にタイガーマスクWを指名するも、これはまったく実現せず。「会社はオカダの言うことは聞くのに、オレの言うことは聞かない」という不満とジェラシーをますます増幅させる結果となってしまった。
今回、4年ぶりのIWGP王者対決実現にあたり、オカダはオスプレイについて「新日本らしい、気持ちのこもった試合ができる選手。弟のようでもあるし、一番認めている、プロレス界一番の選手」とまで絶賛。2015年12月にイギリス遠征をした際に対戦し、その素質に惚れ込んで新日本入りを推薦してCHAOSの一員として招き入れただけに、思い入れもひとしおだ。「旗揚げ戦のアントニオ猪木対カール・ゴッチ。これが、今の時代ではオカダ・カズチカ対ウィル・オスプレイ」と、46年前の歴史に挑む覚悟まで示している。
なお、46年前は、15分10秒、猪木の卍固めをリバーススープレックスで返したゴッチが、3カウントを奪って勝利するという結末となっているが、果たして、今回も波乱が起こるのか。常に進化・変化し続ける新日本マットに、新たな歴史の1ページが刻まれる大会となりそうだ。