素質馬そろった弥生賞は誰が勝つ? 無敗ディープ産駒が好走条件クリア
前走クラス別成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走500万下出走馬の各種データ
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走芝重賞出走馬の前走距離別成績
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走芝1600m重賞に該当する馬の多くは、朝日杯FSに出走していた馬。勝率6.7%と勝ち切れない面もあるが、複勝率53.3%と好走する確率は非常に高い。また、13年までの中山開催では【1.1.1.4】、14年以降の阪神開催では【0.2.2.1】と、前走朝日杯FS組は阪神開催になってから好走率がさらに上昇していることも確認しておきたい。
前走芝1800m重賞と前走芝2000m重賞についても、全体としては表4に近い傾向が出ている。これらに関しては、表8と表9の項でより細かいデータを掲載するので、そちらをご参照いただきたい。
前走芝1800m重賞出走馬の前走上がり順位別成績
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走芝2000m重賞出走馬の前走着順別成績
表9 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
まず、前走芝1600m重賞に該当するのは2歳王者のダノンプレミアムのみ。この組は好走率が優秀で、なかでも阪神開催になってからの朝日杯FS組がさらに好相性ということは、表7の項で確認した。先行抜け出しの脚質やキャリア3戦という点も文句なしで、あとは初出走となる2000mの距離がどうかだけだろう。
前走芝1800m重賞に該当するのもワグネリアンのみ。こちらも、この組の条件となる「前走上がり1〜3位」を、東京スポーツ杯2歳Sの上がり1位でしっかりとクリアしている。こちらは新馬戦で2000mを勝っており、距離の不安もない。本番を前にして、ディープインパクト産駒2頭によるハイレベルな戦いが繰り広げられそうだ。
前走芝2000m重賞に該当するのはジャンダルムとサンリヴァルの2頭。この組が弥生賞を勝つには前走1着が必要だったが、前者は前走2着、後者は前走4着に終わっている。ただし、両馬の前走は、昨年からG1となったホープフルS。G1の格を考慮して、過去のデータより重く見ることも可能だろう。
今年の登録馬に、前走で芝のオープン特別を走っていた馬は見当たらず。そこで500万下に目を移すと、芝のレースで「前走1〜3番人気で1、2着」の条件をクリアするオブセッションとリビーリングの2頭が浮かび上がった。データから有力視できる馬として、以上の計6頭を挙げておきたい。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。