平昌五輪・新種目ビッグエアの楽しみ方 一発の大ジャンプが迫力満点

野上大介

注目ライダー

2月16日、ビッグエアの公式練習後、撮影に応じる(前列左から)岩渕麗楽、藤森由香、国武大晃、鬼塚雅(後列左から)広野あさみ、大久保勇利 【写真は共同】

大久保勇利(ムラサキスポーツ)
得意技: バックサイド・トリプルコーク1440、スイッチ・バックサイド1260

 近年はアプローチに人工芝、着地部にエアバッグを敷き詰めた通年滑走できるジャンプ施設で技に磨きをかける若手ライダーが多く台頭してくる中、小学3年生でスノーボードを始め、北海道の恵まれた山と雪を滑り込むことで上達してきた。独特の回転軸で放たれるスタイリッシュなスピンが特徴。

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國武大晃(STANCER)
得意技:バックサイド・トリプルコーク1440、フロントサイド・トリプルコーク1440

 平昌五輪のスロープスタイル男子予選の日に16歳の誕生日を迎えた高校1年生ライダー。ビッグエア伝統の一戦、AIR+STYLE北京大会で強豪が出そろう中、堂々の4位につけた。難度の高いフロントサイド・トリプルコーク1440を操るだけに、バックサイド・ダブルコーク1620の成功率が勝敗のカギを握る。

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マックス・パロット(カナダ)
得意技: キャブ・トリプルコーク1800、フロントサイド・トリプルコーク1440

 カナダ・ケベック州に位置するライダー養成所から輩出されたトップコンペティター。精密機械のように正確無比なスピントリックを操る。X GAMESアスペン大会では、2014年と16年から3年連続でビッグエアの金メダルを獲得。平昌五輪でも金メダルの筆頭候補で、男子スロープスタイルでは銀メダルを獲得した。
マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
得意技:バックサイド・クワッドコーク1800、キャブ・トリプルコーク1620

 18歳。2017年のX GAMESアスペン大会において、コンテスト史上初のクワッドコークとなる、バックサイド・クワッドコーク1800を成功させた。トランポリンにより培った身軽さと、卓越したボードコントロールであらゆる回転を操るスピンマスター。
マーク・マクモリス(カナダ)
得意技:バックサイド・トリプルコーク1620、スイッチバックサイド・トリプルコーク1620

 24歳。16年2月にAIR+STYLEロサンゼルス大会で大腿骨骨折、17年3月にバックカントリーの事故で複数箇所の骨折などの重傷を経て復活。17年のX GAMESアスペン大会ビッグエアで3位、同ノルウェー大会では同種目で優勝を飾った。平昌五輪の男子スロープスタイルでは銅メダル。

ビッグエアで無敵を誇るオーストリアのアンナ・ガッサー 【写真:Shutterstock/アフロ】

鬼塚雅(星野リゾート)
得意技:キャブ900、バックサイド720

 歴史あるビッグエア大会として知られるAIR+STYLE北京大会で2位、ドイツで行われたW杯ビッグエアでも2位に輝くなど、コンスタントに上位に食い込む活躍。五輪直前に福島・アルツ磐梯の特設キッカーで放たれたバックサイド・ダブルコーク1080を大舞台で成功させることができるか。
藤森由香(アルビレックス新潟)
得意技:フロントサイド・ダブルアンダーフリップ900、バックサイド720

 トリノ、バンクーバー、ソチと3大会連続スノーボードクロスで五輪出場を果たしていた傍らで、フリースタイルの撮影活動も行っていたことからスロープスタイル&ビッグエアに競技転向。非凡なるフリースタイルスキルと大舞台での豊富な経験が彼女の武器だ。

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岩渕麗楽(キララクエストク)
得意技:キャブ900、バックサイド720

 昨年12月に米コロラド州カッパーマウンテンで行われたW杯ビッグエアでバックサイド・ダブルコーク1080を手をつきながらも成功させて優勝した。今年1月のX GAMESアスペン大会では完璧な同トリックをメイクして銀メダル獲得。一気に平昌五輪のメダル候補に名乗りを上げた。

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広野あさみ(TJR)
得意技:フロントサイド720、バックサイド720

 ビッグエアでは特筆すべき成績を残すことはできていないが、昨年11月の時点で自身のSNSにフロントサイド900やスイッチバックサイド900を成功させた動画を投稿。その完成度次第では上位を狙うことも夢ではない。勢いある滑りで一発逆転を狙いたいところだ。

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アンナ・ガッサー(オーストリア)
得意技:キャブ・ダブルアンダーフリップ900、バックサイド720

 26歳。昨シーズンのFIS世界選手権からビッグエア種目には4大会出場しており、すべてで優勝を飾っている。今年1月に行われたX GAMESアスペン大会では、得意技とされている上記2トリックに加えて、フロントサイド・ダブルアンダーフリップ900も成功。もはや敵なしか。
ヘイリー・ラングランド(米国)
得意技: キャブ・ダブルコーク1080、フロントサイド720

17歳。2017年のX GAMESアスペン大会ビッグエアでキャブ・ダブルコーク1080を繰り出して金メダルを獲得。高回転よりも低回転で男顔負けのスタイリッシュなスピンを繰り出すことに定評のある、唯一無二のライダーだ。高難度化が急がれる昨今、彼女が繰り出すクールなスピンにも注目したい。

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著者プロフィール

スノーボードジャーナリスト。1974年生まれ。スノーボード歴25年。全日本スノーボード選手権大会ハーフパイプ種目に2度出場するなど、複数ブランドとの契約ライダーとして活動。2004年から世界最大手スノーボード専門誌の日本版に従事。約10年にわたり編集長を務め、16年3月に退社。同年8月、『BACKSIDE』をローンチ。各種スノーボード競技において、テレビでの解説やコメンテーターとしても活動中

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