高梨沙羅、会心の笑顔で銅メダル 重圧から解放され、迷わず4年後へ
チームメイトも涙を流し、喜びを分かち合う
2回目の飛躍を終えた高梨沙羅(左)に駆け寄る伊藤有希=平昌 【共同】
「一緒に出たソチ五輪ですごい悔しい思いをしていたのは見ていました。この4年間ずっと苦しんできたと思うので、メダルを取れて本当に良かったなと思って涙が出てきました」(伊藤)
「沙羅ちゃんがメダルを取った瞬間に、かっこいいなと思って感動しちゃって」(岩渕)
会場も高梨を後押しした。高梨の地元である北海道上川町や下川町などから応援団が大挙して駆けつけ、「自分たちのホームなんだと思ってもらうことで、自分らしいジャンプをしてもらえたら」(エイブル応援団・浅田さん)と、背中を押した。関係者エリアには、この日をオフに当てた葛西紀明、小林陵侑(ともに土屋ホーム)といった男子ジャンプ陣の姿もあった。
大会のたびに周囲への感謝を口にする高梨だが、この日は「日本チームとしてこの場で試合に臨めて良かったなと思いますし、次の北京五輪にもつながることだと思います。チームに助けられてここまで来れたということは、(今回の結果の)すごく大きな要因です。ホーム感というか会場の雰囲気もすごく良くて力になりました」と感謝する。
高梨だけではなく、日本女子ジャンプ界にも待望のメダル
高梨自身も「ソチの悔しさは跳ね返せたので、次の北京五輪では今度こそ金メダルを取るという新たな目標ができました」と、迷わず4年後の再挑戦を明言した。
6日に平昌に入った後、代表の山田いずみコーチは高梨に「ソチ五輪の時の顔よりも私は今の顔の方が好きだよ。何より表情が良い」と声をかけたと言う。10代から背負い続けてきた重圧からはこれで解放されるだろう。吹っ切れた高梨は、今後どのような競技人生を送っていくのか。これからも日本に満面の笑みを届けてほしい。
(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)