「緊張しなかった」宇野昌磨の不動心 圧倒的な演技で日本に勢いをもたらす

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団体戦3位発進、チームに勢いをつける

男子SPに続いて行われたペアSPで、須崎海羽、木原龍一組(前列)は自己ベストを更新。日本は3位につけ、幸先のいいスタートを切った 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 4年前のソチ五輪では、羽生結弦(ANA)が団体戦のSPで好スタートを切り、その勢いのまま男子シングルを制した。今大会の男子シングルはここから1週間ほど空くが、試合が行われるリンクで良いイメージを残せたことはプラスに働くだろう。

 それでも宇野は気を引き締める。

「団体戦と個人戦はまったくの別物ですし、一歩間違えれば僕もたくさんミスしてしまう可能性がありました。今回はたまたま僕がうまくいっただけなので、(シングルに)つながるものはなかったと思います」

 男子SPに続いて行われたペアSPで、日本は須崎海羽、木原龍一組(木下グループ)が自己ベストを更新する57.42点をマーク。ペア自体の順位は8位だったものの、団体戦の1日目が終わった段階で3位につけた。宇野の演技が日本に良い流れをもたらしたのは間違いない。

 団体戦が行われる前日、小林芳子フィギュア強化部長は宇野をSPに起用する理由について「フリーに進むことが大前提。本人の希望や今のコンディションを考慮して選んだ」と話した。そして「とにかく勢いをつけてほしい。良いスタートダッシュを切れれば、チームジャパン、ひいては個人戦の成績にもつながる」と期待も寄せていた。今回はまさに狙い通りの結果となったのだ。

 五輪の舞台にも動じぬ心の強さ。チームに勢いを与える影響力――。成長著しい20歳は、頂点に立つ資格を存分に見せ付け、16日の男子シングルに臨む。

(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)

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