GI級集結! 京都記念をデータで斬る レイデオロ最有力も逆転ならアルアイン

JRA-VANデータラボ

前年国内G1連対馬の成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は、過去10年の京都記念出走馬のうち、前年の国内G1で連対していた馬の成績を調べたものである。馬券に絡んだのは全17頭中8頭と半数近く。実績の割には少々物足りない感もあるものの、今年は該当馬が6頭と多く、馬券圏内独占もありそうだ。

 この中で、馬券圏外敗退を喫した9頭の共通点を探ると、ビートブラックを除く8頭は牝馬か4歳馬。ただ、今年は6頭すべてがこれに該当するため、材料には使えない。そこで前走の成績を見ると、前走で馬券圏外に敗退した馬が9頭中6頭。そして「3歳」か「牝馬」の限定戦だった馬が2頭で、どちらにも該当せず馬券圏外だったのは14年のジェンティルドンナのみである。昨年3着のマカヒキ(4歳)や、11年2着のメイショウベルーガ(牝馬)は前走馬券圏外から巻き返しているため、完全な「消し」とは言えないものの、消える可能性が高いのはこのタイプだ。

前年G1連対の4歳馬

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 出走を予定している前年のG1連対馬6頭のうち、5頭は4歳馬。そこで4歳馬をもう少し詳しく見てみると、このタイプの4歳牡馬で馬券に絡んだヒルノダムールとマカヒキは、距離も時期も近い皐月賞の連対馬だった。一方、牝馬で馬券に絡んだブエナビスタは唯一、古牡馬相手のG1・有馬記念で2着の実績があった。皐月賞か、古牡馬相手のG1連対馬は、より好走の可能性が高いと考えたい。

前走G1以外からの好走馬

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表6は、前走G1以外からの好走馬である。前走の成績はまちまちだが、G1で3着以内か、G2連対の実績くらいは欲しいところだ。また、近年は前走G2以下の馬でも、13年のトーセンラーを除いて4番人気以内と、上位人気に推された馬しか好走していない。

結論

 6番人気以内、4〜5歳馬が中心となる京都記念。前走G1組が好成績を残しており、前年のG1連対実績馬なら、前走馬券圏外の馬や、3歳や牝馬限定戦に出走していた馬は割引。皐月賞や、古牡馬相手のG1で連対していればプラス材料になる。

 今年は、前年のG1連対馬が上位人気(表1)を占めそうだが、その中ではまず断然人気が予想されるダービー馬・レイデオロが有力だ。表4で記したように、前走馬券圏外の馬や3歳か牝馬の限定戦だった馬は凡走が目立っている。今年のG1連対馬6頭のうち、これに該当しないのは、前走ジャパンC2着のレイデオロ1頭のみ。表5で挙げた、古牡馬相手のG1連対も満たしている。

 ただ、同馬は皐月賞では5着に敗退。同じく表5で挙げた牡馬2頭が満たしていた、「皐月賞連対馬」ではないこと、加えて近年は1番人気がひと息という点は気に掛かる。逆転があるとすれば、その皐月賞を制したアルアイン。その他では、好成績の5歳馬のうち(表2)、牝馬戦とはいえ前走G1(表3)のクロコスミアで、買い目を少なく抑えたいレースだけに、絞るならこの3頭まで。もう1頭加えるなら、G1以外から同じく5歳のミッキーロケットが表6の実績面をクリアするものの、前走が日経新春杯という点で割引が必要だ(表4)。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント