「ラ・パスの休日」でほっと一息!? 〜世界一過酷なラリーの休息日〜
絶景の丘、おしゃれな街並みに感激
ライカコタの丘から望むラ・パスの街。カップルのデートスポットでもある。いいなぁ…… 【写真:杉山友輝】
2人の抱擁が終わったころを見計らって彼氏に話を聞くと、「ラ・パスの恋人たちはライカコタの丘にみんな来るんだ。もう何時間でもいられるよ」。明るく爽やかなラ・パスっ子ならではのコメント、しかしながらオッサン2人では何時間もと言うのはちょっと……ということで、2人で苦笑いしながら次なる場所へ。
絶景だったライカコタの丘で撮影。しかしながら、ここに登るまでに酸素不足で手足がしびれてしまう高山病の軽い症状に…… 【写真:杉山友輝】
実際ラ・パスに来て感じたことのひとつにスマホの普及率。1年前よりも民族衣装のおばあさん始め、老若男女みんなスマホを使っていて、さらに以前より通信速度やカバー率も飛躍的に向上しているようです。
1年前日本で借りていったWi−Fiは、ラ・パスではかなり苦戦しました。しかし今回はほぼノーストレスでつながるという進歩。事実こちらの通信関係者に聞くと、首都の通信改善にかなり資本を投下したとのことで、そこにもラ・パスの「勢い」のようなものを感じました。
ラ・パスの人の温かさに涙……
街に4路線走るロープウエー。次回乗ることの夢を残して今回はあきらめます 【写真:杉山友輝】
急げばロープウエー取材も可能ですが、ラ・パスは高地。体は正直で急いだり焦ったりすると、すぐに指先がしびれたり頭が痛くなったりと、高山病の症状が出てきます。ダカールラリーはここラ・パスでやっと折り返し地点、まだまだ取材も続きます。今回は無理をせず、ロープウエーからの絶景は来年のお楽しみにとっておきました(来年のコースはまだ発表されていませんので、またラ・パスに来れるかは不明ですが……願えば叶う! で)。
さて、あっという間の「ラ・パスの休日」。オッサン2人(平均年齢48歳)ですから「ローマの休日」のような、ロマンス的なことは何ひとつない「休日」。でも、ラ・パスは素敵な街でした。
ラ・パスの街へ入る際には20キロ前から市民の熱い歓迎を受けます 【写真:杉山友輝】
こちらで出会ったラ・パスの女性の話は忘れられません。
「ラ・パスはとても不便なところにあるから、外国人はあまりこないわ。だからダカールラリーで多くの外国人が来てくれるのは、本当にうれしく誇りに思うのよ。そしてね、ラ・パスの冬はとても寒いの。でも寒いからかしら、私たちの心はとても温かいのよ。その温かさをダカールラリーの皆さんに分けてあげたいの」
日本から遠く離れた旅の空。その言葉に目頭が熱くなりました。