【年越しプロレス】鈴木&竹下がシャッフルトーナメント優勝 TAKAは25周年記念黒星で年越し

高木裕美

バラモン×カリスマなど意外な「ベストマッチ」

“カリスマ”佐々木とバラモン兄弟の意外なマッチングが好連携を見せた 【佐瀬順一】

 今年参加の16チームは、完全に運任せの抽選にも関わらず、意外と「ベストマッチ」なチームが続出した。

 バラモン兄弟(シュウwithケイorケイwithシュウ)&佐々木大輔の「カリスマバラモン」は、1回戦では佐々木がバラモンのかぶりもの、2回戦ではバラモン兄弟が佐々木のレザージャケットに合わせて登場。バカ兄弟と悪のカリスマの融合は、とんでもない化学変化を起こし、客席にまで水やケチャップや墨汁が飛び散る、まさにDAMNATION(地獄送り)な状況に。惜しくも準決勝で敗れたものの、最後まで捨て台詞を吐いて去っていくなど、人でなしぶりを存分に発揮した。

 男色ディーノ&橋本大地の「破壊兄弟」は、カリスマバラモンとの遭遇により、大地が“覚醒”。かつて大地の父・真也さんが小川直也とのOH砲で開発した合体技「オレごと刈れ」になぞらえ、ディーノが佐々木のバックを取って「オレごと掘れ」と呼びかけると、大地も戸惑いながらも「ファイト一発!」でディーノの尻に“合体”。さらに、カリスマバラモンの策略にはまり、顔面からディーノの地獄門に突っ込んでしまった。17年は神谷英慶との「大神」で大日本の「最侠タッグリーグ」で優勝したり、ストロングヘビー級王座を初戴冠したりと飛躍の年となったが、最後の最後で“ミソ”がつく形となった。

 15年は準優勝という結果を残し、16年にKO−Dタッグ王座も獲得したHARASHIMA&宮本裕向の「スマイルヤンキー」は、2回戦で惜しくも敗退。

 アントーニオ本多&野村卓矢の「チャーミングドールズ」は、野村が本多とおそろいのワンショルダーで登場し、女性ファンが萌えまくるも、残念ながら1回戦でカリスマバラモンの毒牙にかかり敗退。

 石井慧介&植木嵩行は「ストリートファイターII」のコスプレで登場し、植木が見事なザンギエフっぷりを見せるも、逆にディーノのスクリューパイル男色ドライバーにKOされ、あっさり1回戦で姿を消した。

年越しのタイミングで丸め込まれる

TAKAは2018年最初の黒星を取られることに 【佐瀬順一】

 セミファイナルでは、「TAKAみちのくデビュー25周年記念試合」として、TAKAみちのくがディック東郷&伊東竜二&高木三四郎と組んで、吉野コータロー&ダイナソー拓真&菊田一美&MAO組と対戦。年越しのカウントダウンと同時に3カウントがたたかれ、TAKAが新年を迎えると同時に18年初黒星を喫した。

 TAKAは92年9月にユニバーサル・プロレスリング後楽園大会でデビュー。同郷の先輩ザ・グレート・サスケの若手時代の名前「MASAみちのく」からリングネームを引き継ぐと、翌年にはサスケらと共に新団体みちのくプロレスに移籍。94年には新日本プロレス主催の「スーパーJカップ」で一躍脚光を浴び、同年の「BEST OF THE SUPER Jr.」にも参戦。トップロープに飛び乗り、場外へ飛ぶ姿を見た現場監督の長州力が「あいつは宇宙人か」と驚いたことにより、その技は「宇宙人プランチャ」と名づけられた。その後、WWEに移籍し、KAIENTAIとして活躍。02年にはKAIENTAI−DOJOを旗揚げし、若手選手の育成を行いながら、全日本プロレスでは外国人軍団「RO&D」のリーダーに就任。11年からは新日本に参戦し、現在は鈴木みのる率いる「鈴木軍」の一員として、リング内外で存在感を発揮している。

 TAKAは吉野にヒザ蹴り、ストンピングを繰り出すと、MAOはTAKAにドロップキックを放って場外へ落とし、かつて「宇宙人」と呼ばれたTAKAに見せ付けるかのように、トップロープに飛び乗ってのラ・ケブラーダ。さらにTAKAをコーナーに詰め、トレイン攻撃を繰り出すが、逆にMAOがエジキに。すると、年越しまで残り3分となったことで、試合権利のない選手たちが次々とリングインし、MAOへ攻撃。残り10秒を切ったところで、TAKAが意気揚々と新年初勝利を狙おうとするも、MAOがかわして横入り式エビ固めで丸め込み。新年のカウントダウンと3カウントが同時に進行し、0時を迎えた瞬間にちょうど3カウントが入り、試合終了のゴング。TAKAはデビュー記念日となる9.4K−DOJO後楽園大会(TAKA&飯伏幸太組vs.オカダ・カズチカ&外道組)に続き、またしても自身のメモリアルマッチを黒星で飾るという皮肉な結果となってしまった。

「日本インディー大賞2017」MVPに鈴木秀樹

「日本インディー大賞2017」の結果発表&授賞式が行われた 【佐瀬順一】

 FIGHTING TV サムライの「インディーのお仕事」が制定する「日本インディー大賞2017」の結果発表&授賞式が行われた。同賞は番組視聴者による投票結果で決められ、MVPはフリーの鈴木秀樹が初受賞。大日本のBJWストロングヘビー級王者として5度の防衛に成功した功績が認められた。

 ベストバウト賞では、12.17大日本・横浜大会での竹田誠志vs.高橋匡哉によるBJWデスマッチヘビー級王座戦が受賞。新世代の2人による激闘が多くの人々の心を響かせた。

 ベストユニット賞では、昨年に続き今年もDDTのDAMNATIONが受賞。授賞式では、なぜかメンバーではない島谷常寛が裸ネクタイ姿で号泣しながら謝罪した。

 ベスト興行賞では、大日本プロレス11.17上野公園大会が受賞。アンドレザ・ジャイアントパンダ登場やポセイドンマッチが大きな話題を呼んだ。

 ニューカマー賞では、新根室プロレスのアンドレザ・ジャイアントパンダが受賞。VTRでの出演となったが、なんと、アンドレの彼女のティン・ティンが妊娠しており、3月に赤ちゃんパンダが誕生する予定であることが発表された。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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