森保監督「良いベースができるように」 U−21代表、AFC選手権メンバー発表

スポーツナビ

選手には複数ポジションをやってもらう

「選手には複数のポジションをこなしてもらい、けが人などがいてもチームとしての力を落とさずにやっていきたい」と森保監督 【スポーツナビ】

――最初の公式戦ということで、戦い方として公式戦ならではの変化はあるのか? また、MFに入っている選手が多いが、これは監督の意図があるのか?

 公式戦での戦い方にタイとの違いがあるかとのことですが、違いはありません。公式戦であろうと、違う大会だろうと、いろいろな試し方とかポイントが違うことはあると思いますが、すべて勝負にこだわっていくことは練習試合でも公式戦でも常に考えていきたいと思いますし、選手やスタッフにも勝ちにこだわることは求めていきたい。今回のアジア選手権だからという特別なことはなく、ベストを尽くしてやっていくことに変わりはありません。

 もう1つの質問ですが、MFが確かに多いですね。選手には複数のポジションをやってもらおうと思っていますし、FWの選手の中盤をやってもらったり、中盤の選手は守備に回ってもらうなど、複数のポジションをやってもらいたいと思っています。ポジションは中盤の選手を多く集めたわけではないです。

 今後の招集に当たっても、前回のタイでの大会のときにも、選手には複数のポジションをやってもらうと伝えています。今回もそうですが、フィールド20人、GK3人で最大6試合をやっていく。五輪を見据えても、中2日で18名でMAX6試合を戦わなければいけない。その中で、GKは別ですが1人が1つのポジションしかできないと、けがや疲労などコンディションの部分でチームとして機能しなくなる。

 機能不全をなくすためにも、選手には複数のポジションをこなしてもらい、けが人やコンディション不良の選手がいてもチームとしての力、機能は落とさずに、さまざまなオプションを持ってやってもらえるようにしていきたいと思います。私自身はあまり深くポジションは気にしていません。今後、練習を見て、ある程度ポジションは分けていくとは思います。

――年齢的には年上の相手との大会になると思うが、今大会の目標は?

 前回(大会)よりも高いところにということはやっていきたいとは思いますけれど、全部の試合をこなして決勝までいって、優勝を目指したいと思います。相手は2歳年上のメンバーを中心に編成してくるチームが大半だと思いますけれど、そこのチームとマッチアップしたときに、同等の試合をしてもらえると思って招集していますので、年はあまり気にしていないです。

 この12月のタイでの大会でも、対戦相手はU−22のチームがほとんどでしたけれど、その中でも選手には相手はカテゴリーが上だとかは一切言わずにやってきました。世界を見据えて彼らの成長を考えたときに、この年代では2つ上の選手と対等に戦えなければいけないと思ってやっていますし、年上のメンバーにも勝ってやるという強い気持ちで臨んでほしいと思っています。

個の強さも求めるが、組織としてやっていく

――多くの選手に自分の考えを浸透させていきたいとのことだが、ステップアップのイメージとして、だいたいこのぐらいの時期にここまでできればみたいなイメージがあるか?

 まずは、個の力を上げてもらえるように選手には働き掛けていきたいと思っています。そこに向けて私を含めてスタッフもサポートしていくということ。プラスして、組織で戦うんだということは練習でもミーティングなどで言葉で伝えるという部分でも選手に働きかけていきたいと思っています。大枠はみんなで力を合わせていくという部分です。個の強さも求めますが、組織としてやっていくということを同時に練習で伝えていきたいと思います。

 攻撃は速攻も遅効もサッカーにはありますので、守備もボールを奪いにいく守備と相手にやらせない守備、そういうところも含めて全員でバランスを持って攻撃し、全員で守備をしていくことを練習でもやっていきたいと思います。

――メンバーを見ると、遠藤など天皇杯決勝に残っているメンバーもいるが、そのあたりの交渉は難しかったのではないか?

 選手の招集についてはリストアップをさせていただいて、後は協会の方と西野さんにクラブの方とコミュニケーションを取っていただいて招集させていただいています。天皇杯決勝までいって休む機会もないと思いますが、それも含めて上の方にお任せしていますので、今回来てくれるということで、本人の意思とクラブが派遣してくださるということなので感謝したいと思います。

――選手に複数ポジションでのプレーを求めるという話だが、所属クラブだと1つのポジションで練習する選手も多いと思う。これからの期間でどのような練習を求めたいか? またクラブに対してそのような話はしているのか?

 複数のポジションと言いましたけれど、そこは言葉の1人歩きをしてほしくないなと思っています。まずは選手は日常クラブで練習して、代表に来てプレーしてもらうということ。代表でも短い活動期間の中で成長していくと思いますし、働き掛けていきたいです。クラブに戻った時に、選手をクラブの財産として、少しでも価値を高めようと働き掛けていると思いますので、それを代表でも生かして、クラブに戻ってもらいたいと思っています。

 代表とは違うポジションと言われましたが、そういうケースもあるかと思います。複数のポジションをやることについては、「何でも屋」になるわけではなくて、まずは選手のスペシャルな部分、特長を生かして伸ばしていくというのはクラブの皆さんが考えていることと同じだと思います。まずはスペシャルなものを磨いてもらう。プラス、違うことができれば本人のさらなる成長につながるのではないかと思います。

 最初からFWもできてディフェンスもできてではなく、攻撃に特長がある選手であればそこをしっかりと見て伸ばしていってあげたい。そこにプラスアルファのことができるように、選手を見て伝えていきたいと思います。

――昨年のU−20W杯を取材にいったが、日本の選手はプレーもうまかったし、指導者の言うことを聞くいい選手が多かったが、リーダーシップを取れる選手がいないように感じた。現時点でキャプテンは決めているのか?

 キャプテンを誰にするかは現時点では考えていないです。練習を見て決めたいと思います。リーダーシップを取れる選手は決めて出てくるものではないですし、自然とグループの中にいてリーダーシップを取っている選手が見えてくる。もともと持っているもので、性格的にリーダーとしてずっとやってきたという選手は自然に見えてくると思うので、見極めていきたいと思います。

 U−20W杯でリーダーシップのある選手が見えなかったということですが、そこは選手のキャラクターもいろいろあると思います。ただ、どの選手も世界の高みを目指すという胸に期する思いは間違いなくあると思いますので、その思いを見ていきたいと思います。

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