キタサン有終の美をデータも後押し 逆転あるなら3歳スワーヴ&クロニクル

JRA-VANデータラボ

注目の大一番をデータから占う

 今週は有馬記念が行われる。翌週にホープフルSが控えるが、今年一年の中央競馬を締めくくる意味でもなんとしても当てたいレースだ。出走メンバーは引退レースとなるキタサンブラックや、ジャパンCに続く勝利を狙うシュヴァルグラン。3歳馬のスワーヴリチャードあたりが特に注目を集めそうだ。有終の美を飾るか、それとも新星が世代交代を高らかに宣言することになるのか。注目の大一番をデータから占う。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年の有馬記念好走馬一覧

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は過去10年の有馬記念好走馬の一覧。3着以内に好走した馬の情報を記し、何か特徴的な傾向がないかをまずは調べる。注目のキタサンブラックは3年連続での参戦。昨年は2着、一昨年は3着とすでに好走を果たしている。このように同じ馬が複数回好走するケースは、中山においてはめずらしくない。有馬記念だけでなく中山記念なども、リピーターが強いレースとして有名だ。

 有馬記念ではゴールドアクターやゴールドシップ、オルフェーヴルやダイワスカーレットといった馬が過去10年で複数回好走している。その中でも一度は1着となるケースが多い。ブエナビスタは2着が2回だが、連対を果たして人気馬としての責任は果たした。キタサンブラックはまだこのレースで勝利がなく、勝ち切れるかどうかが焦点だ。同馬の3着以内の好走を予想することは全く難しくはない。上位人気は間違いなく、無事ならば高確率で走ってくるはず。何着になるかという正確な着順まで予測しなければいけないタイプと言えるだろう。

 人気面は波乱含み。昨年こそ1〜3番人気で占める人気サイドだったが、例年は7番人気以下の馬が食い込んでくる。二けた人気の激走はやや減りつつあるが、人気馬だけで決まるケースの方が少ない

 性別は牡馬が優勢。2500mという距離で、タフな暮れの中山という舞台だけあって牝馬にとってはかなり厳しいと思われる。過去10年で好走した牝馬はジェンティルドンナやブエナビスタ、ダイワスカーレット。名牝クラスの実力馬しか好走していない

 年齢面では若い馬が優勢。有馬記念に限ったことではないが、ハイレベルのレースだけに3〜4歳馬の活躍が目立つ。以前は7〜8歳馬の好走もあったが、近年は不振だ。

 騎手も相性のいい人とそうでない人がありそうだ。複数回好走しているのは池添謙一騎手やルメール騎手M.デムーロ騎手らがいる。特にルメール騎手やM.デムーロ騎手は異なる馬で好走し、なおかつ穴馬でも食い込んでいる。外国人出身という意味では、ムーア騎手やウィリアムズ騎手、スミヨン騎手なども実績を残している。トリッキーなコースでもあり、鞍上の手腕もかなり大事だと考えたい。

 調教師は何といっても池江泰寿厩舎の猛攻が凄い。昨年優勝のサトノダイヤモンドを筆頭にオルフェーヴル、ドリームジャーニーといった勝ち馬を輩出。さらにトゥザワールド、オーシャンブルーなど、伏兵馬まで滑り込ませる活躍。有馬記念で好走させるための馬の作り、仕上げ方を熟知している。角居勝彦厩舎もルーラーシップ、ヴィクトワールピサといった異なる馬で好走を果たしている。リーディング上位の名トレーナーは、この大一番で特に頼りになる存在だ。

 あとは好走馬の馬番を記した。このレースは枠順がかなり重要。なるべく内枠がほしいコースだ。ただ、実際には二けた馬番でも好走しているケースは多い。昨年優勝したサトノダイヤモンドは11番だった。ゴールドシップの好走はいずれも二けた馬番だったし、ダイワスカーレットやアドマイヤモナークも二けた馬番で好走している。ただ、いずれも力が上位の馬ばかり。やや力が見劣ると考えられる馬は、外枠ではなく内枠を引けないと厳しくなる。

過去10年の有馬記念好走馬の前走成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 過去10年の好走馬についてもう少し調べていく。表2は前走レース名と前走着順を記した。最も多いのは前走JC組。のべ12頭が該当しており、好走馬の4割を占める。着順は関係あるようで、あまり関係はない。というのもJC1着→有馬記念1着という成績の馬が1頭もいないからだ。昨年キタサンブラックが惜しくもその成績を逃しており、やはり容易ではない。実際にはJCで少し敗れている(5着以内)馬が着順を上げてくるケースの方が多い。二けた着順に惨敗していた馬の巻き返しもあるが、数としてはそこまで多くない。

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