実力拮抗で青学・原監督「往路は混戦」 監督トークバトル、上位校の注目点は?

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全区間に主力をおける選手層の厚さが勝負の鍵

早稲田大の相楽監督は勝負を分ける区間として、やはり5区の山上りが重要だと話す 【スポーツナビ】

 次のトークテーマは「勝負を分ける区間」。原監督は「やはり山が勝負を分けると思います。特に山上りで差がつくので、“神”が出ると、その大学が強いのかなと思います」とやはりキーポイントは山の5区、6区とした。酒井監督は「もちろん5区や、往路の1区、2区もですが、渋いところで4区と、裏の7区がポイントになる。混戦が予想されると、1区、2区には主力を投入しますし、5区も適正がある選手を持ってきます。優勝を狙っているチームにとっては、4区の距離が伸びて、ここに準エースを持ってこれることが大事。さらに復路が手薄になってしまうので、そこで7区、8区に主力を持ってこれるチームが優勝争いができるチームだと思います。こういうところで区間賞をどこが取るかを見て欲しい」と、優勝争いは選手層の厚さにかかってくると話す。

 相楽監督は「今日の話を含めると1区、2区。ただ最終的には5区。やはり山が大事。上りでは、前後のチームが見えなくなり、そこまでの走りをリセットして流れを大きく変えることができる区間。ここでの走りが後半の走りにつながります」とやはり箱根駅伝の一番特徴的な部分をキーポイントに挙げた。

 長門監督は「山だとは思いますが、これだけ1区、2区に主力が並ぶと、3区でどのような流れができるかが注目。3区で遅れるところと、エースの勢いを加速させるところで変わってくる」と話し、大後監督は「やってみないと分からない。どこの区間も大事だけど、6区は復路の1区になりし、ここで乗れるといい流れになる。ただ今回は9区、10区まで三つ巴、四つ巴になり、9区あたりで抜け出す大学が優勝できるのでは」と実力拮抗で最後の最後まで気が抜けないと話す。

 結局、今回は1区2区のハイペースで流れを作り、それを3区、4区で落とさずに、特殊区間の5区山上りにつなげるか。そして復路の最初から最後まで主力を置ける選手層の厚さを確保できるチームが、もっとも優勝に近いことになるだろうと予想される。

各チームにドラマ それぞれの選手に暖かい声援を

最後はそれぞれの監督が本戦に向けての意気込みを語り、イベントを締めた 【スポーツナビ】

 1時間半に及んだ監督トークバトルの締めは各監督が本戦に向けての意気込みを述べた。

 神奈川大の大後監督は「これだけ注目をされながら、スタートラインに立つレースは何十年ぶりだと思います。選手たちも戸惑っているところもあると思いますが、せっかくの機会なので、いい経験をさせて、いい成果を収めて、次のステップを踏めるような選手がどんどん出てくるような経験をさせたいです」と全日本大学駅伝優勝のプレッシャーをさらなる力に変えたいと話した。

 順天堂大の長門監督は「前回以上というのが目標ですが、特に往路では“3本の柱”がいるので往路優勝の争いに加わりたいと思います。またエース塩尻の良さをしっかり、1月2日に発揮できるようなチーム状態で戦いたいなと思います」とエースを中心に往路での活躍を誓った。

 早稲田大の相楽監督は「目標に向けてしっかり頑張りたいと思います。本大会では、往路復路含めて、混戦で順位変動が目まぐるしいレースが予想されます。そういった中で求められるのが、精神的なタフさとコツコツ積み上げてきたトレーニング。早稲田らしい粘り強く泥臭いレースを展開して、タフなレースを勝ち抜きたい」と伝統校の誇りを持って戦うと話した。

 東洋大の酒井監督は「今年はフレッシュな若い陣容でチャレンジャーとして思い切ったレースをしたいと思います。“その1秒を削りだせ”を体現するような、東洋らしい、あきらめない走りをしていきたいと思います」と10年連続の3位以内をチャレンジ精神で狙っていく。

 そして青山学院大の原監督は「“ハーモニー大作戦”、最後は調和を取りまして、青山に鐘を鳴らしていきたいと思います。4連覇、応援の程よろしくお願いします」と大学駅伝最終戦で有終の美を飾りたいとした。

 総括としてコーディネーターの山梨学院大の上田監督が「今日はエントリーの日でした。チームの中で選べなかった選手がいます。すでにチームの中では、感動や涙と、相反する思いがありました。336人のエントリーがあり、実際に走れるのは210人。この中にもドラマがあり、勝負の中でも敗者と勝者、希望と絶望、抜くものと抜かれるものと、相反するものが1つのレースの中ですべて混在するドラマがあります。それぞれのチームにそういうドラマがあるんだという思いで、選手たちに暖かい声援を送ってほしいと思います」と語り、盛り上がったイベントを締めくくった。

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