初めて本義足をつけてから18年の時を経て――タイムスリップ写真館:鈴木徹
1999年→2017年 【1000 DAYS TO GO! COLLECTION 編集部】
1999年/19歳
【1000 DAYS TO GO! COLLECTION 編集部】
ジョギング。やっと歩けるようになった頃だったのですが、ハンドボール推薦で入った大学に戻るために体づくりから始めていました。
――当時の悩みは?
走りたい気持ちに体がついてこなかったこと。義足をつける部分は皮膚が弱くて、血が出てしまうこともしばしば。気持ちはあれど、思いっきり走る練習ができなかったんです。
――当時誰にも負けないと思っていたことは?
スポーツに対する熱意。リハビリ中の患者は気が滅入っている人がほとんどだと思います。でも僕は早く復帰したくて、やりたいことがたくさん。いつもは患者に対して活動の提案をする義肢装具士の臼井(二美男)さんにも、僕は練習を止められるくらいでした(笑)。走る練習ができないときは、水泳をするなど上半身のトレーニングをしていました。
――当時一番悔しいと思っていたことは?
トレーニングの一環で行っていたバスケで、リバウンドに行けなかったこと。義足が動かなかった。足があればいけたのに……。その時に、義足になった自分の現実を実感しました。
――当時一番大切にしていたことは?
弱った心を家族や友だちに見せないこと。足が痛くても「痛くないよ」と言って、これ以上心配はかけたくないと思っていました。
――当時の夢は?
義足をつけて、ハンドボール選手として復帰する。
18年の時を経て……
2017年/37歳
【1000 DAYS TO GO! COLLECTION 編集部】
陸上とお父さん。小学校5年生と2年生の息子がいて、2人ともスポーツをしています。父親としては仕事を見せることが大事だと考えていて、大会に連れて行くなど、スポーツの楽しさ、面白さ、格好良さを見せるようにしています。
――今の悩みは?
ないですね。あえて言うなら、いつまで競技を続けられるかということくらい。
――今誰にも負けないと思っていることは?
ジャンプを突き詰めることへの思い。バスケットボール、ハンドボール、高跳びというジャンプが重要な競技をしてきた中で、どうしたら質の良いジャンプができるのか、技術や走力、筋力などさまざまなアプローチからジャンプのことを飽きずに考えています。
――今一番悔しいと思っていることは?
去年のリオパラリンピックでメダルが取れなかったこと。今年の世界陸上では201cmで銅メダルだっだけれど、同じ記録が出せていたらリオでは3位……。リオでは195cmと中途半端な結果に終わってしまいました。
――今一番大切にしていることは?
家族との時間を長くすること。遠征や合宿が多いのですが、土日はなるべく子ども達と一緒に行くようにしています。
――今の夢は?
2020年東京大会で金メダル。
鈴木徹(すずき・とおる)
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