G1馬集結も本命に推せない危険な実績馬 データで読み解くチャンピオンズC
前走着順別成績
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走レース別成績
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
過去3年のチャンピオンズC1〜3着馬
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
中京ダート1800m初出走となる場合は、中京以外の中央ダート1800m実績がある程度の参考になりそうだ。16年2着のアウォーディーは、アンタレスS(G3)1着を含んで【2.0.0.0】。15年2着のノンコノユメも、500万下ながら1着になったことはあった。
なお、過去の1〜3着馬は、ダート重賞(地方交流を含む)1着を含んだうえで、2着以内を2回以上記録したことがある馬ばかりで、これは最低条件といえるだろう。
結論
加えて、サウンドトゥルーは前走のJBCクラシックを勝ったものの、その際の4角通過順が8番手だった点も不満が残る。同様のことは、アポロケンタッキーとゴールドドリームの両G1馬にもいえる。
昨年3着のアスカノロマンは好走率の高い6歳馬。グレンツェントは好走例のない4歳馬ではあるが、同年の東海S1着馬とあれば無視はできない。その東海Sで2着だった5歳馬のモルトベーネにも注意は払うべきだろう。ただし、これらの3頭はいずれも前走着順が4着以下。同じことは、一昨年2着のノンコノユメや昨年4着のカフジテイクにもいえ、これらの5頭はコース適性でどこまで巻き返せるかというところか。
こうして見ると、中京ダート1800m実績で上位の馬はいずれも一長一短といわざるをえない。そこで、前走着順が3着以内だった馬たちに目を移してみたい。
まず目につくのは、みやこSを制したテイエムジンソク。これでダート1800mは6勝目となった。前走4角1番手という点は確かに気になるのだが、道中は3〜4番手を追走しており、決して逃げていたわけではない。また、テイエムジンソクに注目するのであれば、同馬をエルムSで下したロンドンタウンも軽視はできない。前走で韓国に遠征し、コリアカップ1着以来となるローテーションは未知数だが、左回りのダート1800mという条件は今回と同じだ。
もちろん、JBCクラシック2着から臨む今年の帝王賞勝ち馬ケイティブレイブも忘れてはいけない。2000m以上の実績が目立つものの、中央のダート1800mでは【2.3.2.0】と4着以下に落ちたことがない。逆に、1400mをメインに走ってきたキングズガードも、前走のみやこS3着を含めてダート1800mでは【0.1.1.0】と2戦していずれも好走しており、意外な穴馬になるかもしれない。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。