宮原知子「去年とは違う自分の姿を」 復帰戦で感じさせた変化、その決意

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320日ぶりの実戦復帰

宮原が氷上に姿を見せると会場は大歓声に包まれた 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

「やっとここまで来ることができたんだな」

 宮原知子(関西大)は、自分に向けられた大声援を聞き、そう思ったという。昨年12月の全日本選手権以来、320日ぶりの実戦復帰。ここまで長く試合から遠ざかった経験はない。復帰の舞台は地元関西・大阪で開催されるNHK杯。現地入りしてからは好調を維持していた。

 だから「想像していたよりは緊張しなかった」。前の滑走者である本郷理華(邦和スポーツランド)がダイナミックな演技でスタンディング・オベーションを浴びる中、淡々と氷上に現れ、自分の曲がかかるのを待った。

 ショートプログラム(SP)の冒頭は3回転ルッツ+3回転トウループのコンビネーション。しかし、ルッツの着氷が「前に詰まった」ため、2つ目のトウループを2回転に切り替えた。その後は3回転ループ、ダブルアクセルとジャンプを決めていく。スピンではすべてレベル4を獲得した。冒頭のコンビネーションでルッツが回転不足と判定されたため、65.05点の6位とベストな状態と比べるとやや物足りなさは残ったが、復帰戦にしては「悪くない結果」だった。浮かべていたのは安堵(あんど)の表情だ。

「練習ほど良くなかったので悔しい気持ちもあるんですけど、夏のアイスショーのとき(7月の『THE ICE』)はもっと悪かったので、なんとか演技をまとめられてホッとした気持ちもあります」

離脱はマイナスばかりではなかった

エース宮原知子が320日ぶりに真剣勝負の場へ帰ってきた 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 左股関節の疲労骨折が判明したのは今年1月。2位に輝いた昨年12月のグランプリ(GP)ファイナル時は断続的だった痛みが、3連覇を達成した2週間後の全日本選手権時には間断なく続いていた。年が明けても状態は変わらず、病院で検査をしたところ、診断が下された。

「受け入れられなかったですし、呆然としました」

 過去にこれほど大きなケガはしたことがなかった。だからこそ、どうしていいか分からなかった。このまま練習してもいいのか、それとも休んだ方がいいのか。「変に練習しても悪くなるだけだから」と休むことに決めた宮原は、スケートのことを考えないようにした。

 ただ、長期にわたる離脱はマイナスばかりではなかった。その間、音楽をたくさん聴いたり、映画を借りて見たりと今までにない時間を過ごした。「一度はやってみたかった」という衣装のデザインにも挑戦。アイスショーで使用する衣装は宮原本人がデザインしたものだ。

「これまでそういうことをしてこなかったので新鮮でしたし、感情の幅が広がったと思います」

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