ボクシング界に見る五輪戦士たちの活躍 世界戦のリングに立つ選手たちは?

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バンタム級の逸材 スティーブンソンに注目

バンタム級のシャクール・スティーブンソン(写真)は軽量級の核になりうる存在として期待されている 【Getty Images】

 ボクシングの本場とも言える米国代表組では、バンタム級銀メダリストのシャクール・スティーブンソン(20)に対する期待が高い。スピードとテクニックを兼ね備えた長身サウスポーはトップランク社と契約して今年4月にデビューし、3戦全勝(1KO)をマークしている。近い将来の軽量級の核になる逸材と言われており、バンタム級で多くのトップ選手を抱える日本も要注目だ。12月9日に第4戦がセットされている。

 ライトフライ級銅メダリストのニコ・ヘルナンデス(21)は、地元カンザス州で人気を集めている。3戦全勝(2KO)と歩みは順調で、12月にはマイナー団体のフライ級王座決定戦に出場する予定だ。この階級も日本に世界王者がいるだけに、近い将来に接点が出てくるかもしれない。

 ライトウェルター級8強のゲイリー・アントゥアヌ・ラッセル(21)は、父親がトレーナーで兄がWBC世界フェザー級王者(ゲイリー・ラッセル)というエリートの血筋だ。今年5月、兄の世界戦の前座で1回TKO勝ち。9月にも1回TKO勝ちを収めており、11月21日に第3戦が組まれている。リオデジャネイロでは準々決勝でガイブナザロフに惜敗したが、プロで雪辱の機会を狙うことになる。

 このほかフライ級代表だったアントニオ・バルガス(21)はトップランク社と契約してプロに転向し、バンタム級で4戦全勝(3KO)をマークしており、ライト級8強のカルロス・バルデラス(21)は2試合とも1回KO(TKO)勝ちを収めている。ミドル級1回戦敗退のチャールズ・コンウェル(20)は、プロではスーパーウェルター級で5戦全KO勝ちを収めている。

 米国籍ながらハイチ代表として五輪に出場したリチャード・ハッチンス(20)は、フロイド・メイウェザーのプロモーション会社と契約。プロでは3連勝(1KO)を収めている。同様に米国在住ながらホンジュラス代表としてリオデジャネイロ五輪に出場したライト級のテオフィモ・ロペス(20)もプロに転向。昨年11月の初陣から7連勝(6KO)の快進撃を続けている。

コンランや銀剥奪のアロイアンにも注目

マイケル・コンラン(左)はトップランク社と契約。パッキャオの前座となる試合で勝利を飾っている 【Getty Images】

 12年ロンドン大会でジョシュアを輩出したイギリスでは、スーパーヘビー級銀のジョー・ジョイス(32)が先月、いきなり10回戦に臨み8回TKO勝ちで初陣を飾った。12月に次戦が予定されているが、年齢的なことを考えると早い時期に勝負に出る可能性が高そうだ。

 イギリスにライトヘビー級銅メダルをもたらしたガーナ出身のジョシュア・ブアチ(24)は、7月にプロデビューし、9月、10月と勝利を重ねている(3勝2KO)。このほかイギリス勢ではライト級ベスト16のジョー・コーディナ(25)が5戦全勝(4KO)、ウェルター級ベスト16のジョシュ・ケリー(23)が4戦全勝(3KO)、ヘビー級ベスト16のローレンス・オコリー(24)が6戦全勝(5KO)と順調に白星を重ねている。

 12年ロンドン大会でフライ級銅メダルを獲得し、15年の世界選手権優勝を挟んでアイルランド代表として出場したリオデジャネイロ五輪では準々決勝で敗れたマイケル・コンラン(25=アイルランド)も好調だ。トップランク社と契約して今年3月に米国でプロ転向を果たしたコンランは、7月にはオーストラリアのブリスベンで行われたマニー・パッキャオ(38=フィリピン)対ジェフ・ホーン(29=オーストラリア)のWBO世界ウェルター級タイトルマッチの前座で第3戦に臨み、大観衆の前で3回TKO勝ちを収めている。

 この試合を含めて4試合すべてを規定ラウンド内で終わらせている。次戦は12月9日、米国のニューヨークで予定されている。イケメンで好戦的ということもあり、軽量級のスター候補と言える。

 軽量級のボクシング強国、メキシコではライトフライ級16強のホセシト・ベラスケス(24)が4戦全KO勝ちを収めて注目と期待を集めている。ミドル級で銅メダルを獲得したミサエル・ロドリゲス(23)も4戦全勝(2KO)と歩みは順調だ。

 ウェルター級でモロッコに銅メダルをもたらしたモハメド・ラビ(24)にも注目したい。15年世界選手権では優勝しているラビは今年3月にチェコでプロデビュー戦を行い、ドイツ、フランスと転戦して3勝(2KO)をマークしている。地域の活性化という意味でも活躍が期待される。

 フライ級で銀メダルを獲得しながら4カ月後にドーピング違反が発覚、メダルを剥奪されたミハイル・アロイアン(29=ロシア)も忘れてはなるまい。今年5月に10回判定勝ちを収めてプロ初陣を飾ったアロイアンは、7月には12回判定勝ちでスーパーフライ級のWBCシルバー王座を獲得。現在はWBC同級14位にランクされ、すでに世界挑戦圏内にいる。アロイアンはアマチュア時代に国際大会で現WBA同級王者のカリド・ヤファイ(28=イギリス)やラウシー・ウォーレン(30=米国 元WBAバンタム級王者)、アンドリュー・セルビー(28=イギリス 現世界ランカー)らに勝っている実力者だけに、ヤファイらトップ選手も気になる存在と言えよう。

 こういったオリンピアンたちが世界戦のリングに立ち活躍する日は、そう遠くないはずだ。

Written by ボクシングライター原功
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