Wシリーズは1勝1敗で注目の第3戦へ “世界一”へ鍵握るダルビッシュの先発
ホームで強い“内弁慶”アストロズ
第3戦の先発へ向け、調整するダルビッシュ 【Photo by LG Patterson/MLB Photos via Getty Images】
今プレーオフでのアストロズは完全に“内弁慶”。アウェーでは2勝5敗、チーム打率2割1分9厘、1試合平均3.0得点だが、ホームでは6戦全勝、同2割7分6厘、5.2得点と圧倒的な強さを誇る。もともと打者有利で知られる本拠地で、主に打線の力で中盤イニングまでに主導権を奪うのが必勝パターンになってきた。
勢いに乗るアストロズとしては、指名打者制度が採用されるヒューストンでの3試合に全勝して一気に勝負を決めてしまいたいところだろう。特に地元ファンが熱狂的に迎えるであろう第3戦に勝てば、流れは加速する。第5、6戦にアストロズは再びダラス・カイケル、ジャスティン・バーランダーという左右の2枚看板をつぎ込めるだけに、ドジャースに焦りも生まれかねない。
敵地で強いダルビッシュ
レフトへのホームランが出やすく、前記通りに打者有利なミニッツメイド・パークにおいて、ダルビッシュは通算4勝1敗、防御率2.16という好成績を残してきた。過去、アルテューベには32打数7安打6三振、コレアに15打数3安打6三振、ユリエスキ・グリエルにも7打数1安打1三振と、アストロズのクリーンナップを綺麗に抑えている。迎える第3戦では、序盤に相手上位打線の勢いをせき止めることがポイントになるだろう。第2戦では崩れたといっても、ブルペンの質ではやはりドジャースが上だけに、終盤イニング勝負ならナ・リーグ王者は再び有利になる。
ただ、その一方で、この時のために獲得された日本人右腕が、尋常ではない熱気に包まれたヒューストンで早々と先制点を許すことがあれば……。
2戦終了時に1勝1敗となった過去通算59度のワールドシリーズで、第3戦を制したチームが世界一になった例は37度を数える。そんなデータを省みるまでもなく、27日のゲームの大切さは誰の目にも明らかだ。
名勝負の末に敗れた第2戦で、絶対有利と目されたドジャースの栄冠のシナリオは本当に崩れたのか。それとも頂点に向かう途上での小さなつまづきだったのか。ヒューストンでのゲームの中で、その答えははっきりと見えてくるに違いない。