“Next Gen”の活躍光る男子テニス 杉山愛コラム「愛’s EYE」
華あるプレーヤー、デニス・シャポバロフ
トップ選手の離脱が続いた男子テニスツアーで、“Next Gen”と呼ばれる若手選手たちが次々と台頭。18歳のデニス・シャポバロフ(写真)も、そのひとりだ 【Getty Images】
前から注目されていましたが、北米シリーズで大爆発したのが18歳のデニス・シャポバロフ(カナダ)です。
全米オープンの前哨戦、マスターズ1000のロジャーズ・カップでベスト4、全米ではワイルドカードがもらえず予選からの出場になりましたが、当たり前のように本戦に勝ち上がりました。第8シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)に勝って、カイル・エドモンド(イギリス)には相手の途中棄権で勝ち、結局、4回戦でパブロ・カレノブスタ(スペイン)に負けたのですが、ラウンドを進めるごとに彼のテニスの良さが引き出されていったという印象です。
彼は攻撃もできるし、ディフェンス力もあるという、オールラウンドのテニスです。どちらかに特化しているというのではないところが、まさに「次世代」のテニスだと感じます。しかも彼には華がありますね。あれだけ観客を引きつける選手というのはなかなかいないと思います。
攻撃力が魅力、アンドリー・ルブリョフ
今までにも強打の選手はたくさんいましたが、彼には何も恐れない若さというプラスアルファがあります。これからテニスに深みもでてくるのかもしれませんが。あの攻撃力は魅力的であり、彼の最大の武器でしょう。
漂う大物感……フランシス・ティアフォー
彼はコート上での真摯(しんし)な姿勢も印象的です。例えばミスをしたあとのリアクションや、ポイント間の雰囲気が、何か確実に上位に来る選手だなというのを感じさせてくれます。
全米では1回戦でロジャー・フェデラー(スイス)と5セットマッチを演じました。この試合ではフェデラーがサービング・フォー・ザ・マッチを逃す場面もありました。結局、フェデラーのブレークバックで終わったのですが、あの場面ではティアフォーが相手を精神的に追い詰めていました。フェデラーもコンディションが良くないとは言われていましたが、今シーズンこれだけ結果を出しているフェデラーを追い詰めたというのは、ただならぬ空気感、大物感がティアフォーにあるからだと思います。
“Next Gen”の筆頭、アレキサンダー・ズベレフ
今のところグランドスラムで力を出し切れていないのですが、それでも、うまくいかない中でもなんとかしようとする感じは、ティアフォーとも共通するように思います。
こう見ていくと、ズベレフもティアフォーも自分のチームに恵まれているように感じます。どちらも、選手を支えるチームの一体感が見てとれます。ティアフォーの家族は、変に「行け、行けーっ」というのではなく冷静に応援しています。
両選手ともグランドスラムを取るにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、何かきっかけをつかんだら、いくだろうなという印象があります。
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