ハリル「若手がまだ少しおとなしい」 親善試合 ハイチ戦前日会見

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ハイチ戦に向けて、前日会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は10日、日産スタジアムで国際親善試合のハイチ戦に臨む。試合を翌日に控えた9日、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見を行った。

 ハリルホジッチ監督は会見の冒頭で「われわれの目的は2試合勝つこと」とした上で、「最近試合にあまり出ていない選手にもチャンスを与えたいと思っている」と明言。ワールドカップ(W杯)本大会を見据え、「準備をしているので、たくさんの選手を見たい」と出場機会の少なかった選手にチャンスを与える意向を示した。

 また、若手選手に向けて「まだまだ少しおとなしい」とコメント。「年上をリスペクトし過ぎる傾向がある。自信を持ってもらいたい」と話すと、国内組に向けても「もっとできる」とさらなる奮起を促した。

多くのサポーターに来てほしい

 皆さん、コンニチハ。この合宿の2試合目が明日にあるが、ハイチはFIFA(国際サッカー連盟)ランキングでは良い位置(48位、日本は40位。9月14日付)につけている。ただ、あまりたくさんの情報がないチームだ。映像を何試合か見ているが、われわれにとっては残念なことに、彼らはたくさんチームを変えて、さらに監督も変えて臨んでいる。ただ、この監督(マルク・コラ)は私がパリ・サンジェルマン(PSG)にいた時にパリに所属していた人物で、彼のことはよく知っている。

 彼らはチームとしてここ何カ月かプレーしていなかった。ただ、映像を見る限りでは、かなりフィジカル的なチームでスピードもある。FIFAランク48位ということが、クオリティーの高さを証明している。

 われわれの目的は2試合で勝つことだ。最近試合にあまり出ていない選手にもチャンスを与えたいと思っている。われわれは本大会の準備をしているので、たくさんの選手を見たい。われわれもチームを多く変えるかもしれないが、私は勝利を望んでいる。勝つことで、11月の合宿の良い準備になる。絶対的な勝利が必要だ。

 それから、この場を借りて申し上げたいのは、明日、多くのサポーターに来てほしいということだ。要するに、まだチケットが余っている。まだまだたくさんのサポーターが必要だ。われわれをサポートしてほしい。選手たちにもこんなにもたくさんのサポーターに支えられていると感じてほしいからだ。多くの皆さんにスタジアムに足を運んでほしい。そしてチームは美しい勝利で応えたい。前もってありがとうと言っておきたい。

明日はこれまであまり出ていない選手をトライする

――フランスもドイツもチーム全体の年齢が若くなって、だいたい24歳ぐらいになっている。この前の日本代表は平均が27歳ぐらい。チームの若返りについて、W杯までにどのように変えていこうと考えているか? また、世界の流れはそのようになっているが、チームを若くしたいという意思を持っているのか?(秋田豊/テレビ東京)

 秋田さん、もう一回同じ質問をしてくれましたね。私は忘れていませんよ。その流れは続けていきたい。全員をリスペクトしているが、よりいい選手を私は呼びたい。そして、チームは経験のある選手と若い選手を混ぜた方がいいと思っている。また本大会までにできるだけ多くの人数を試したいと考えている。時々は新しい選手を現場に呼んで直接見たい。そしてその選手がどのような感覚を得ているのか感じてほしいし、われわれも感じたい。

 ただ、若手がまだまだ少しおとなしい。年上をリスペクトし過ぎる傾向がある。今でさえバリアーがあると、私は声を大にして言いたい。ただ、若い選手たちに勇気を与え、励ましている。部屋に個人個人を呼んで話しているが、若手に本当に自信を持ってもらいたいがために、そういったトライをしている。

 若手で満足していると言えば、オーストラリア戦だ。本当に勇気があったと思っている。2、3日寝れない日が続いたが、あの決断は正しかった。ただ、その決断はあの時が初めてではない。いろいろな試合で私のコーチングが変わってきているが、今野(泰幸)も使ってみた。ただ彼はそれほど若いわけではない。あの時、自分のクラブでいいパフォーマンスをしていたので呼んだ。

 本大会に向けてすることは、多くの選手を見ること。海外組のことをよく分かっているし、先発なのかそうでないのかは分からないが、ただ私が注目しているのは、国内組でどのような発展をするのかということだ。12月にEAFF E−1サッカー選手権もある。私にとっては国内組のいろいろな選手をしっかりと見るチャンスだ。

 メディアの皆さんには若手をしっかりサポートしてほしい。もちろん若手を使うリスクも分かっている。秋田さんも元日本代表だが、若手が秋田さんにどんどん迫ってきているのは秋田さんにとって良くないと思う(笑)。

 チームの雰囲気はいいと思う。前よりも良くなっている。そして合宿でもいいディスカッションができて、私の中でもいい準備ができたと思っている。この合宿からわれわれは本大会が始まっていると思っている。選手達にも8カ月準備していこうと話している。

 満足できていない部分ももちろんある。私は話をするとかなりダイレクトに言うタイプだ。選手はダイレクトに言われると、そういう習慣がついていないのになと感じる選手もいるかもしれない。ただ、選手をリスペクトしていないから、そういう態度をとっているのではなく、もっとできるんだよということだ。国内組ももっとできるよというメッセージだ。本大会に出たければそれをやってくれと伝えている。

――以前の会見で、この2試合で違う先発になると言っていたが、どういうことを意識して試合を見たいと思っているのか?

 日本では「決まった先発」という言葉を私は使っていないと思う。私がメンバーを出した時に、何人かは今まで通りの先発だと言う人もいるが、来年の3月に向けて最終的なチームを決めたいと思っている。私の頭には13〜15人、しっかりプレーしてほしい選手がいる。本大会では(グループリーグが)3試合ある。3試合がかなり短い期間で行われる。だいたい本大会では2、3試合目で疲労がたまり、変更を加えなければいけない状況がやってくる。

 ビッグクラブもそういった傾向があり、パリ・サンジェルマンなどもそうだ。いつもプレーしているというメンバーもいるし、監督もいつも出ている選手を外すことができないみたいだが、私はそういった方々とは違うコーチングをしている。スターと呼ばれる選手も疲れていれば休ませる決断をするし、選手がうれしくないと思っても私はそうする。クラブの監督と代表の監督はまた違うが、私はどんな選手にも先発を約束していない。たとえば競争に入っていない、アンタッチャブルな選手だと思っている選手がいたとすば、彼のパフォーマンスはマックスではないと思ってしまう。

 ただ、明日はこれまであまり出ていない選手をトライすることになる。いろいろな選手が入ると思う。われわれのスターはチームだと言っているが、選手にもそれが浸透していて、いいマインドができていると思う。

――今月からW杯の戦いが始まっていると言っているが、W杯はこれまでやってきた戦術などの延長線上にあるのか? それとも本大会に向けて新しいものを作らなければと考えているのか?(ミムラユウスケ/フリーランス)

 いろいろなオーガナイズはトライしてみたい。私の頭には3つの異なるオーガナイズがある。ニュージーランド戦でも特に中盤で使ったが、明日も同じような感じになると予想している。

 例えば、3アタッカーだが、両サイドアタッカーがいて、真ん中という感じだ。もしかしたら状況などを考えて真ん中に2アタッカーで臨むかもしれないし、その時は真ん中も2枚になる。いろいろな状況が来るので、その状況に合わせて使っていきたい。この3つのオーガナイズは、われわれの選手リストに当てはめた時のことだ。それぞれのオーガナイズを阿吽(あうん)の呼吸にするには練習時間がかなり必要だ。ホワイトボードでの説明は簡単だが、練習や試合が必要だ。阿吽の呼吸や、補足関係、協力の関係が守備でも攻撃でも出てくる。

 ただ、私がオーガナイズを選んだ時に選手たちは役割を把握している。すでに選手に渡してある日本代表のアイデンティティーという資料があるが、それを必ず持ってきてもらい、特に守備で大事なことが書いてある。それをしっかりとリスペクトしていれば、この前の試合の失点はなかったと思っている。

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