ハリル「6人の交代枠を使いたい」 親善試合 ニュージーランド戦前日会見

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ニュージーランド戦の前日会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は6日、豊田スタジアムで国際親善試合のニュージーランド戦に臨む。試合を翌日に控えた5日、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見を行った。

 ハリルホジッチ監督は明日のニュージーランド戦と10日のハイチ戦について、「この2試合のスタメンは同じものにならない」と明言。6人の交代枠についても「その権利を2試合とも使いたい」と多くの選手を起用する考えを示し、選手たちには「最大限の力を見せてほしい。そしてそのチャンスをしっかりと生かしてもらいたい」とメッセージを送った。

 一方で「一貫性を持って選手を選びたい」「守備、攻撃両方のバランスを保たなければいけない」とも語っており、「連勝して自信をつけたい」とあくまで勝利を目指す姿勢を強調した。

W杯への準備はもう始まっている

 コンニチハ。すでに3日間、合宿でトレーニングしている。その中では、選手たちを休ませながらトレーニングをしてきた。そして、たくさんの話をした。個別にも話をしたし、全体でのミーティングも行っている。どちらかといえば私のモノローグ(独白)のような形になったが、ほとんどの選手と会話もした。

 とあるミーティングでは、W杯に向けたメンタルの話もした。つまり、W杯への準備はもう始まっているという話だ。W杯はサッカーの大会では最も素晴らしい、美しいものであるけれど、同時に要求が高い。そして危険であるという話もした。その大会への準備ができていなければ、それが後悔につながってしまう。フラストレーション、屈辱を感じることになると伝えた。

 それぞれの選手が各自のクラブで日々トレーニングや試合をしていて、その間のFIFA(国際サッカー連盟)マッチデーで合宿がある。彼らはその両方で自分のポジションを勝ち取るための戦いをしなければならない。この8カ月というのは、彼らにとって非常に重要な期間だ。1人1人がポジションを勝ち取るために戦わなければならない。そしてW杯への準備をしなければならない。もちろん、体脂肪率が12%以上の選手がいれば、その選手は準備ができていないということで、メンバーリストに入ることはない。

 明日はわれわれにとって非常にいいテストが待っている。対戦相手は次の重要なプレーオフに向けて準備をしている。彼らもW杯に出場したいという思いで戦うだろう。非常にモチベーションが高いと思う。非常にフィジカルなチームで、デュエル(球際の競り合い)というコンセプトがこのチームにはあると思う。非常にアグレッシブなチームだ。

 そしてもちろん、われわれもこの2試合を通じて戦わなければならない。前回、われわれはサウジアラビアに負けている。ここで連勝をしたいと思っている。そしてしっかりと自信をつけてまた、11月の合宿に臨みたい。現在、世界のトップ2ともいえるチーム(ブラジル、ベルギー)と来月は対戦することになる。

攻守のバランスを保つ一貫性が必要

――監督は新しい選手やこれまで出番のなかった選手に機会を与える考えを示した。そういう選手を入れてがらりとチームを変えるのか。あるいはこれまでのベースの中に少人数加えてプレーを見るつもりなのか?

 この2試合のスタメンは同じものにならない。ただ、私もいいかげんなことはできない。一貫性を持って選手を選びたいと思っている。そしてそれぞれの選手が90分プレーするのか、45分プレーするのかは分からないが機会を与えたいと思う。

 この試合では6人の交代枠があるが、その権利を2試合とも使いたい。それ以外にも選手たちの疲労具合も見なければならない。たとえば、来週の金曜日に試合がある選手もいる。そういった要素を考えながら、バランスよくチームを作りたい。ただ、何分プレーするかにかかわらずそれぞれの選手には最大限の力を見せてほしい。そしてそのチャンスをしっかりと生かしてもらいたい。彼ら以外にもチャンスを持っている選手がいるからだ。

――一貫性を持って選手を選びたいと言っていたが、何に基づいた一貫性か?

 まずチームのバランスを崩さない、いい加減なことをしないということだ。ディフェンス、中盤、トップで一貫性のあるプレーができるように2試合とも組み立てたい。守備、攻撃両方のバランスを保たなければならない。私の頭には3つほどのチームの形があるが、もしかしたらこの2試合で試すかもしれない。それが実行できるかは試合の状況によって変わってくる。

 たとえば(6月の)イラク戦についてはいくつかの違うゲームプランを考えていた。しかし3人のけがによりプランを変えざるを得なかった。守備のバランス、攻撃のバランス両方を保つ一貫性ということだ。

――明日の試合は日本がボールを保持すると思うが、オーストラリア戦のような堅守速攻ではないサッカーになった際、期待していることは?

 まずフィジカル面でオーストラリアとニュージーランドは似たところがある。どちらにもフィジカル的な戦いがある。(ニュージーランドは)オーストラリアよりもさらにアグレッシブかもしれない。ポゼッションについては、前回(の会見で)チャンピオンズリーグの試合を用いて説明したように、ポゼッションは勝利を約束していない。勝利が最も重要である。そのためには相手よりも多くの得点を取らなければいけないし、デュエルの面で勝たなければならない。

――香川真司とじっくり話していると言ったが、彼に要求していることは?

 もちろんシンジとはじっくり話した。けがをして復帰をしている最中だが、まだたくさんプレーをしていない。前節はテクニックを駆使した美しいゴールをマークした。ドイツでも最も良いクラブに所属し、厳しい競争の中で戦っているが、できるだけポジションを勝ち取ってほしいと彼には言った。また本来のレベルを取り戻してほしいと。そして、代表でプレーする意欲と決意をしっかりと保つようにと要求した。
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