凱旋門賞は「エネイブルのための」ものか サトノ他ライバル勢はどう打倒する?

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サドラーズウェルズ直系が昨年に続き浮上か

今年もシャンティイで開催される凱旋門賞、ロンシャンとは傾向が違う血統の特異性にも注目したい 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 昨年に続きシャンティイ競馬場で代替開催される凱旋門賞では、血統的な特異性にも注目しておきたい。従来のロンシャン開催では欧州の大種牡馬サドラーズウェルズの系統が不振を極めていたが、昨年は一転して直系が上位を独占した。今年も主役のエネイブルをはじめ、A.オブライエン勢の前記4頭も該当。それに対してフランス勢の前記3頭は異系に属している。

サドラーズウェルズ直系で見ると、今年G1を2勝しているユリシーズの末脚が不気味 【Getty Images】

 サドラーズウェルズの直系という点では、今年になってG1を2勝しているユリシーズも同様だ。キングジョージではエネイブルから4馬身半差の2着と完敗したものの、今回は当時にくらべて斤量差が縮まる。さらに、キングジョージの10頭立てから頭数が増え、エネイブルへのマークが一段と厳しくなることが必至なのも、末脚自慢のユリシーズには好都合だ。また、フォワ賞を制して臨むドイツのチンギスシークレットもサドラーズウェルズの直系。道悪巧者ぶりはサトノダイヤモンドを通じて日本の競馬ファンに強く印象づけたばかりで、エネイブルやA.オブライエン勢など、今回の中心勢力と未対戦だけに底知れない魅力がある。レース当日まで雨が降るほどに勝機も拡大するのではないか。

マーク薄くなったサトノダイヤモンド、あとは天気次第

サトノダイヤモンドは4か月ぶりを叩いて変わり身必至、好天なら前進可能だ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 日本期待のサトノダイヤモンドは、フォワ賞の結果からもチンギスシークレットとは正反対の条件が望み。勝ち負けはフォワ賞より少しでも好状態の馬場が前提で、何はともあれ天気次第の面がある。そこをクリアできれば、4か月ぶりの実戦をひと叩きした変わり身で前進も大いに見込めるだろう。前走は遠征初戦であらゆる面がテストケース。僚馬サトノノブレスともども敗戦から学んだことは少なからずあったはずだ。何よりも、近年の日本調教馬とは異なり、本番での厳しいマークから解放された立場を幸いとしたい。

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