有終の美を飾る3位も清宮「悔しさ残る」 U−18野球W杯3位決定戦リポート

BASEBALLGATE

3位決定戦のカナダ戦に大勝し、笑顔でタッチを交わす清宮(写真左)と中村 【写真は共同】

「第28回WBSC U−18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)の3位決定戦が日本時間11日に行われ、侍ジャパンU−18日本代表が8対1でカナダ代表に快勝。有終の美を飾り、3位で今大会を終えた。

3回に清宮の適時打などで4点先制

 スーパーラウンドを2勝3敗で終えて3位決定戦に回った日本。4対6で敗れたカナダとの今大会最終戦にメンバーを変更し、1番・藤原恭大(大阪桐蔭)の後に伊藤康祐(中京大中京)を2番に置き、3番・安田尚憲(履正社)、4番・清宮幸太郎(早稲田実)は不動で、中村奨成(広陵)を「6番・捕手」で起用。先発マウンドには三浦銀二(福岡大大濠)が上がった。

 初回1死二塁のチャンスを逃した日本だったが、3回表に9番・小園海斗(報徳学園)がヒットで出塁し、暴投で二塁へ。その後、相手エラーが重なって2点を先制すると、無死二、三塁となった場面で、4番・清宮がカウント2ボール2ストライクからの変化球をセンター前に運び、今大会初のタイムリー。さらに櫻井周斗(日大三)の犠牲フライで加点し、この回4点を先制。続く4回表にも8番・増田珠(横浜)のヒットからチャンスを作って、1番・藤原と3番・安田のタイムリーで2点を加点した。

三浦が12K!圧巻の奪三振ショー

7回無失点、12奪三振の好投を見せた先発・三浦 【写真は共同】

 日本の先発・三浦は、立ち上がりから伸びのあるストレートとキレのある変化球で、3回まで1四球のみの無安打無失点で6奪三振の快投。4回1死から初ヒット、7回には2本のヒットを許したが、後続を抑え込んで7回106球を投げて3安打1四球無失点、計12奪三振と圧巻の奪三振ショーを展開した。

 打線も7回に中村のヒットの後に増田がタイムリーを放つと、8回にも1点を加えて計9得点。2番手・磯村峻平(中京大中京)が1イニングを無失点に抑えた後、最終回に登板した3番手・清水達也(花咲徳栄)がカナダの反撃に遭って1点を失ったが勝敗には影響がなく、8対1でゲームセット。最後は笑顔でハイタッチして今大会を終えた。

試合後のコメント

■小枝守監督「自分たちの色が今日は出た」

――ウイニングボールを清宮選手から手渡されていたが、今日の試合を振り返って?

 昨日の負けで吹っ切れて、自分たちの色が今日は出たんじゃないかなという感じを受けます。発揮するには時すでに遅しでしたけど、最後こう形で終われたのは一つ報われたかなと思います。

――監督として今大会を総括して?

 やはり短期の結集というのが非常に難しい中で、選手は非常に頑張って、お互い知り合おうという努力をしていたと思います。時間はかかりましたけど、そういう点ではこういう風に結べたというのは良かったと思います。

――この後のミーティングではどのような声をかける?

 僕が固い男なので、野球だけではダメだぞと。イコールで結ばれる人間というのは、野球も私生活も立ち振る舞いも、すべて密接な関係があるぞとは言おうと思います。

3回に今大会初のタイムリーを放った清宮。今大会2本塁打も打率は2割台前半に終わり、「なかなか試合で貢献できなかった」と振り返った 【写真は共同】

■清宮幸太郎「主将として試合で貢献できなかった」

――最後の試合を終えた今の気持ちは?

 勝ったんですけど、なんか悔しさが残るというか…。でも本当にキャプテンとしてみんなでやってこれて、本当良かったです。

――こらえている涙にはどんな思いがある?

 やっぱりキャプテンとして、なかなか試合で貢献できなかった。そんな中でもみんなが文句を言わずに自分についてきてくれた。不安はすごくあったんですけど、最後本当にみんなすごく声を出していましたし、いいチームになったなと思いました。

――この20人、日本代表の仲間というのは?

 みんなも上の舞台でたくさん残る。これからもこの仲間は貴重になってくると思うので、ずっと大事にしていきたいです。

――自身のバッティングについては?

 やっぱりバットが違うのもあったと思うので、まだまだ練習が必要かなと思います。

――次のステージのこの経験はどうつながっていく?

 ずっと監督さんも、なかなか結果が出ない中で自分を4番で使い続けてくれてましたし、なかなか打って返すことはできなかったですけど、それでもメダルを獲ることができた。早実で負けた時とはまた違う悔しさが残っているので、もし次にまた日本代表になることができれば、この悔しさを晴らせればと思ってます。

――自身の高校野球を振り返って?

 技術的にも人間的にもものすごく自分自身変わることができましたし、この2年半で自分の人生を大きく変えることができたかなと思ってます。
■三浦銀二「チームを勝たせる投球ができた」

――今日のピッチングを振り返って?

 よく指にかかってコントロールもできたので良かったと思います。

――高校野球最後の先発マウンドだったが?

 最後のマウンドだと思ったので、しっかり自分のピッチングをしようと思っていました。

――7回12奪三振の見事なピッチングでしたが、何が良かったか?

 真っ直ぐ、変化球ともにストライクが取れていましたし、空振りも取れていた。相手が外国人であろうと自分のピッチングをして、腕を振ってしっかり投げようと思ってました。

――今日は147キロが出たが、自己最速だったのでは?

 最速です。球速にはあんまりこだわってないですけど、一つ出た数字として大きなものになるんじゃないかなと思います。

――今大会最後のゲームでいろんな思いがあったと思うが?

 勝っても負けても最後のゲームだと分かっていた。最後はやっぱり勝って終わりたかったので、チームを勝たせるようなピッチングをできて良かったです。

――日本代表での戦いを通してどんな経験になった?

 外国人のバッターでも通用するということと、チーム力の大事さを痛感しました。

――この経験を次のステージにどうつなげていきたいか?

 いろいろな生かし方があると思いますけど、やっぱり野球を続けるので、大学、プロ、どちらに行くにしろ、しっかり自分のピッチングを貫いて、これからもいいピッチングができればいいかなと思います。

藤原は3位決定戦でも2安打を放つなど、2年生ながら切り込み隊長として、持ち前の巧打を存分に発揮した 【写真は共同】

■藤原恭大「また日の丸を背負いたい」

――大会を終えた今の気持ちは?

 優勝はできなかったんですけど、最後にしっかりいい形で取れたんで良かったと思います。

――2年生として1番バッターを託されたが?

 2年生ながら1番に座らせてもらったので、しっかりチームを引っ張っていこうという思いでした。

――国際舞台を通じて感じたことは?

 やっぱり自分を成長させてくれる場というか、いいピッチャーでしたし、日本に持って帰って成長ができると思います。

――自信になった部分もあったのでは?

 自分でもちょっと打てたらいいなというぐらいに思ってたんですけど、打てるとこはしっかり打てたので、自分としてはすごくいい経験になりました。

――この経験を大阪桐蔭に戻ってどうつなげていく?

 大阪桐蔭では自分が軸になって行くと思うんで、後輩にも同級生にもしっかり伝えて、大阪桐蔭で日本一を獲れるように頑張っていきたいと思います。

――また日の丸を背負ってプレーしてみたいという気持ちは?

 やっぱりまた日の丸を背負いたい。また次も選ばれるようにしっかりプレーして、貢献していきたいと思ってます。

――高校野球最後の1年に向けて?

 悔いのない高校野球をしたいと思っているので、しっかり準備をして戦っていきたいと思っています。
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