清宮の一発実らず…決勝進出へ痛い敗戦 U−18野球W杯カナダ戦リポート
2点ビハインドの8回2死一、三塁でセカンドゴロに倒れて悔しがる清宮。投打にかみ合わなかった日本は4対6で敗れた 【写真は共同】
先発・徳山が3回途中2失点で降板
初回はともに走者を出しながらも無得点。試合は2回に動く。2回表、カナダが先頭打者の四球に内外野の間に落ちる2本のヒットで1死満塁とすると、9番・ブレムナーがセンター前タイムリーを放って2点を先制。日本もその裏、先頭の5番・櫻井周斗(日大三)が四球で出塁すると、1死後に7番・古賀悠斗(福岡大大濠)がヒットでチャンスを広げ、2死一、三塁から9番・西巻賢二(仙台育英)のサードへの当たりを相手守備陣が処理できずにタイムリーヒットとなって1点を返した。
そこから日本は継投に入る。3回途中で先発の徳山から左腕・山下輝(木更津総合)に早々にスイッチ。その山下が3回、4回と無失点で切り抜けたが、5回に2死から満塁のピンチを招いて降板すると、リリーフした3番手・川端健斗(秀岳館)の初球が押し出しとなるデッドボールで1失点。点差は2点に広がった。
2勝2敗で韓国戦の勝利が絶対
しかしそれも束の間、7回表に1死二塁からブルックマンのレフト前タイムリーで同点。その後、振り逃げで2死一、三塁となると、代わった4番手の清水達也(花咲徳栄)がワイルドッピッチ、さらにタイムリーを浴び、この回3失点で4対6と再び2点ビハインドを背負う苦しい展開。その後、日本は田浦文丸(秀岳館)が好投を続けたが、打線が8回裏2死一、三塁のチャンスに4番・清宮がセカンドゴロに倒れると、9回裏も先頭の5番・櫻井周斗(日大三)が出塁するも後続が倒れて無得点。4対6で試合終了となった。
これで日本はスーパーラウンドの勝敗でカナダと2勝2敗で並び、決勝進出のためには明日の韓国戦(日本時間10日午前2時開始予定)に勝利した上で、その後のカナダ対キューバの結果を待つことになった。
試合後のコメント
5回に反撃ののろしとなる今大会2号、自身にとって高校通算111号目となる本塁打を放った清宮 【写真は共同】
――かなり苦しいゲームになったが?
(得点を)取れるところで取れなかったという部分はあるんですけど、勝ちどころというものが向こうに行ってしまったかな、というゲームでしたね。
――勝ちどころという意味ではどの部分が悔やまれるか?
僕自身が悔やまれるのは4回の無得点というのが、非常に自分とすれば悔いというよりも、複雑な心境ですね。
――投手陣は総力をつぎ込んでの継投になったが?
(カナダ打線は)ストレート系に非常に強いという意識が強かったので変化球の多投になったんですが、今一つ制球が定まらなかった。そういう部分は確かにあるんですけど、アンラッキーな部分が非常に多かったゲームだった。
――決勝進出のためには明日の韓国戦で勝つしかなくなったが?
もう何も考えないで、精一杯みんなでやるしかないと思います。ここであきらめるという必要は何もないので、精一杯向かっていきたいと思います。
■清宮幸太郎「本塁打から打線がつながったことが良かった」
――ゲームを振り返って?
チャンスを作ってからの1本が、なかなか出なかったかなというところです。
――試合中ずっと声を出し続けていたが、主将としてどんな気持ちで試合に臨んでいた?
ここにいるみんなは、こんな点差って言ったらあれですけど、2点差とか3点差とかを今まではね返す試合をやってきたので、ぜんぜんあきらめる場面はなかったですし、今までと変わらずにやるだけと思っていた。早実にいるときも声を出し続けて逆転してきたので、そのことを思い出して、自分はいつも通りやっただけです。
――個人としては今大会2本目のホームランが出たが?
逆風だったのでとられちゃうかなと思ったんですけど、芯で捉えてたので入って良かった。でもそれよりも、その後にしっかりみんなでつないでチャンスをくれた。自分の1本でみんなに火がついたじゃないですけど、当たり出してくれたのがすごくうれしかったというか、(本塁打を)打って良かったなと思いました。
――その部分では明日につながるものもあったのでは?
はい。今日負けてしまいましたけど、まだ可能性が潰れたわけではない。明日がまだあるので、世界一に望みをつなげるために明日しっかりと勝ち切りたいと思います。
――明日勝ち切るために何が大事になるか?
この試合にかけていたので気持ち的に落ちてしまう部分が個人個人あるとは思うんですけど、まだ終わってないぞ、と。まだ明日があるんだからしっかり切り替えて、明日やるだけのことをしっかりやろうとみんなに言いたいと思います。
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