鍵はセッターと、ミドルの有効活用 杉山祥子が語るグラチャン女子の見どころ

田中夕子
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8月のアジア女子選手権を5大会ぶりに制した日本。5日から今季の総括となるグラチャンに臨む 【Getty Images】

 リオデジャネイロ五輪が終わり、中田久美監督のもとで新たなスタートを切った全日本女子は、9月5日に開幕するワールドグランドチャンピオンズカップ(以下、グラチャン)で韓国、ロシア、ブラジル、米国、中国という世界の強豪国と対戦する。

 新たなメンバーが加わった新生全日本はどんなバレーを目指しており、われわれはどんなポイントに注目すべきなのか。自身も全日本で活躍し、グラチャンにも2度出場した経験を持つ杉山祥子さんに、今大会の位置付けや見どころを語ってもらった。

すべてのチームにチャンスがある大会

 五輪の翌年に行われるグラチャンバレーは日本に限らず、世界中のチームが「変化」して臨む大会です。監督やスタッフが変わり、選手も変わる。五輪を終えてベテランが引退したりと、どんな選手が来るのか始まるまで把握しきれていない部分もある中、それぞれのチームが次の五輪に向けて作り始める、新たなチーム作りのスタートという位置付けではないでしょうか。

 私自身も現役時代に2度、グラチャンバレーに出場しました。最初は01年、次は05年。01年は前年のシドニー五輪の出場権を逃した後で、チームも全く固まっていませんでした。今、客観的に見ると決してチーム状況がいいというわけではありませんでした。

 それでも結果は3位で銅メダル。ゼロからどころか、マイナスからのスタートで決して最高の状態とは言い難い中でも私たちが結果を残せたように、まだ完成されていない状況だからこそ、すべてのチームにチャンスがある大会でもある。それもまた、グラチャンならではの醍醐味(だいごみ)です。
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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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