侍打線が2安打無得点と沈黙 U−18野球W杯アメリカ戦リポート
投手陣は23奪三振をマークも……
2年前の前回大会決勝で敗れた宿敵相手に、日本は左腕・川端健斗(秀岳館)が先発した。その立ち上がり、1番・シアニに安打を許すも、2番・ヤングを空振り三振に仕留め、二盗を狙ったシアニを捕手・中村奨成(広陵)が強肩で刺して三振ゲッツー。続く3番・ゴーマンも空振り三振を奪った。その裏、日本は1番・藤原恭大(大阪桐蔭)がヒットで出塁。丸山和郁(前橋育英)の犠打と安田尚憲(履正社)の四球で1死一、二塁と先制機をつくるが、4番・清宮幸太郎(早稲田実)がセカンドゴロ併殺打。すると直後の2回、アメリカが無死三塁から6番・カサスが左中間へ2ランを放って2点を先制。次打者に四球となったところで再び雨脚が強まり、そこから約1時間半の試合中断となった。
再開後、試合の流れをつかみたい日本は、続投した川端が力強いストレートと縦に割れる鋭いスライダーを武器に、要所を締めるピッチングを続けたが、5回に1死二塁から振り逃げの送球間に本塁ベースカバーを怠った隙を突かれ、二塁走者の生還を許し失点。さらに続く6回2死二塁からシャニにレフトへ弾き返されて再び失点。川端は5回3分の2を127球15奪三振の力投も、6安打6四球での4失点で降板した。
問題は打線。初戦のメキシコ戦では11安打10得点を奪ったが、この日は先発のマーソーから初回のチャンスを逃すと、中断再開後の2回からはリリーフした左腕・ウェザーズの最速150キロの速球を軸としたテンポの良い投球の前に手も足も出ず、5回2死から9番・小園海斗(報徳学園)がヒットを放ったのみと沈黙。
投手陣は2番手の田浦文丸(秀岳館)が2回3分の1を5奪三振、3番手の磯村峻平(中京大中京)も1イニングを3者連続三振と、3投手で計23奪三振を奪ったが、打線が最終回も3番手のギンに抑え込まれ、試合を通じて計2安打3四球での完封負け。1勝1敗で第3戦のキューバ戦(日本時間4日午前6時開始)に向かうことになった。
試合後コメント
――かなり難しいゲームになったが?
ホームランの2点と、やむを得ないボーンヘッドかなというところなんですけど、ピッチャーが2ケタ三振を取って、ピッチング自体は良かったと思います。点差以上に収穫はあったんですけど、やっぱりゲームですから勝たなければ価値が出ない。これを生かして次の試合に臨みたいと思います。
――投手陣は3人合わせて20個以上の三振(計23三振)を取って健闘したが?
そうなんですよね。ですからピッチャー陣がダメージあるのかなとも思ったんですけど、非常に収穫があった。あとは攻撃陣がどういうふうにするかという中で、2年生の2人が1本ずつでは難しい。その辺を立て直したいなと思います。
――攻撃陣はこの後、どのようなことが大事になってくる?
例年よりもアメリカの投手陣がコントロールが良かった。球威がある上に制球が良かった。非常にチーム力を上げてきているという印象です。やはりボール球を打たないということ。ストライクヒットを徹底しないといけない。追い込まれてからはちょっとキツいと思います。
――明日以降、より負けられない戦いが続きますが?
プレッシャーの中でやらなければいけないことは避けては通れない。絶対に引くことがないように頑張りたいと思います。
■清宮幸太郎「自分から崩れてしまっている」
――今日の試合を振り返って?
完敗だったかなって感じです。
――アメリカの投手陣に対戦して?
自分でストライクゾーンを崩してしまっているなと。自分から崩れてしまっているなという感じがあります。(外中心の配球は)分かっていたんですけど、なかなかストライクゾーンの見極めができなかった。
――2年ぶりにアメリカ代表と戦ってみて?
やっぱり日本に対する思いはすごく強いものがあるなと感じましたし、自分たちもこのチームを倒さないと世界一はない。ここを照準にこれから戦っていきたい。
――試合開始時間が変わったり、中断があったりと難しい面もあったが?
オンとオフをしっかり。中断した後はしっかりもう一回みんなで円陣を組んで、気持ちを入れて行こうと話した。
――今日の負けをどう生かしていくか?
自分たちの弱さ、何が足りないか、世界のトップがどれくらいなのかというのが今日で分かったと思います。まだ試合は続くので勝って行くしかない。しっかりと切り替えて次に備えたいと思います。(アメリカとの再戦へ)今日の負けをしっかりと無駄にしないように、この負けがあったから決勝で勝てたというようにしたい。
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