豪州監督「とにかくゲームを支配したい」 W杯最終予選 日本戦前日会見

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「スペースを有効活用した側が勝利する」と試合のポイントを挙げたポステコグルー監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は31日、埼玉スタジアム2002でワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦に臨む。日本はこの試合に勝てば首位でのW杯本大会出場が決まる。試合を翌日に控えた30日、オーストラリア代表のアンジェ・ポステコグルー監督とマーク・ミリガンが会見を行った。

 ポステコグルー監督は「非常に厳しい試合になることは分かっている」とコメントした上で、「明日に関しては、とにかくゲームを支配したい」と狙いを語った。「それがフィジカルによってなのか、ポゼッションによってなのかは、その場を見て最善の策をとっていく」とし、「スペースを有効活用した側が勝利する」と試合のポイントを挙げた。

ポステコグルー「スペースを有効活用した側が勝利する」

ポステコグルー 明日の試合を大変楽しみにしている。この数日、徐々に選手が集まってきて、全員が明日の試合に向けて準備を整えている。われわれにとって、明日は非常に重要な試合になるし、大観衆の前でプレーできることを楽しみにしている。

ミリガン 日本と対戦するのはずいぶん久しぶりだが、予選の最後の2試合ということで非常に重要だ。わくわくしているし、対戦を楽しみにしている。

──昨晩、サウジアラビアが敗れたが、その結果、アプローチが変わることはあるか?(外国人記者)

ポステコグルー 明日に向けて、特にアプローチが変わることはない。今まで通りのことをやるだけだ。明日の試合は今後、先に進むにあたって、われわれにはW杯出場(という目標)がある。明日勝てば、(本大会に)進むことができる。サウジアラビアには大きなプレッシャーがかかっていたと思うが、それはどこのチームにとっても同じだ。昨日の結果によって、日本にもオーストラリアにもプレッシャーがかかってきたと認識している。

──オーストラリアは予選で日本に負けたことがないが、それについてどうとらえているか?

ポステコグルー どちらが有利ということはない。明日は、日本もオーストラリアも同じ立場で対戦すると思っている。われわれは日本のチームと選手をリスペクトしている。彼らもわれわれに対して、そう感じていると思っている。お互いに最善を尽くすだけだが、非常に厳しい試合になることは分かっている。ここ(明日の試合)にかかるものが大きいからだ。われわれは勝利するために最大限の努力をするし、これまでもうまくいっている。明日も同じ姿勢で臨むだけだ。そしてわれわれに勝利する力があることを信じて、精いっぱい努力するだけだ。

──コンフェデレーションズカップでは最後のチリ戦(1−1)で最高のパフォーマンスを見せたが、それまではフィジカルを重視する戦い方だったように思う。今回の試合もそのようなアプローチを考えているのか?(外国人記者)

ポステコグルー 明日の試合に関しては、ゲームを支配するのが目的だ。フィジカルであれポゼッションであれ、試合を支配をする中で、チリはたまたま同じようなタイプのチームだった。ポゼッションをしながらプレスをかけることでゲームを支配するチームだったため、あのような試合展開になった。明日に関しては、とにかくゲームを支配したい。それがフィジカルによってなのか、ポゼッションによってなのかについては、その場を見て最善の策をとっていくし、スペースを有効活用した側が勝利すると思っている。

ミリガン「この国でプレーできたことはいい経験」

ミリガンは3シーズンを過ごしたジェフ千葉時代を振り返り、「サッカーが大好きな人々が多いこの国でプレーできたことは、大変にいい経験」と語った 【スポーツナビ】

──日本に勝つことはモチベーションアップにつながるのか? それからミリガン選手、このようなビッグマッチでチームを率いることについてどう思うか?(外国人記者)

ポステコグルー モチベーションについては何とも言えないが、このチームはクオリティーの面で進歩したいと思っているし、実際に進化して強くなっていると思っている。このまま強くなっていけば、W杯でもいい試合ができるチームになる。ここ日本で、日本に勝つことができれば、われわれのチームが十分に形になっているという良い指標になると思う。その意味では、モチベーションアップにつながると言えるかもしれない。結果だけではなく、明日は質の高いチームに対していい試合をすることが、われわれにとってのターゲットだ。

ミリガン 正直、明日私が試合に出られるかも分からない。来日した選手全員が、しっかり準備を整えている。誰であれ、明日ピッチに立つ選手は、十分に自分の仕事ができる状況にある。

──明日出場する前提で、監督からどのポジションでという指示は受けているか? また、この質問に答えられないのであれば、日本のジェフ千葉でプレーした思い出を教えてほしい。

ミリガン 3シーズンを過ごしたが、ジェフ千葉は大変素晴らしいチームだった。私にとって厳しい時期もあったが、サッカーが大好きな人々が多いこの国でプレーできたことは、大変にいい経験となった。そしてサッカー選手としても、あの時の経験がなければ今の私はなかったと思っている。

ケーヒル(右)について、ポステコグルー監督はリスペクトを示した 【スポーツナビ】

──ティム・ケーヒルは日本では「天敵」といわれていることについてどう思うか?(外国人記者)

ポステコグルー 日本に限ったことでなく、どの国に対しても彼はゴールを決めているし、どの国でも彼は恐れられていると思う。コンフェデレーションズカップでも彼は非常に評判が高かったし、インパクトを作り出すことができる選手だ。彼は言葉ではなく、行動によって(自らの実力を)示すことができる。W杯での重要な試合、重要な局面において、必要なインパクトを作り出してくれている。繰り返しになるが、彼を恐れているのは日本に限ったことではない。彼が打ち立ててきた記録、100試合に出場して2試合に1回はゴールを決めていることからも明らかだ。私自身、彼には大いに敬意を抱いている。

──ミリガン選手へ、日本でのプレー経験があるということだが、日本は監督の去就も含めてさまざまな憶測が流れている。そういったことがオーストラリアに有利に働くと思うか?(外国人記者)

ミリガン 日本代表は、常に大きな期待が寄せられている。長らくアジアのサッカー強国として君臨してきたので、期待がかかる状況は変わらないと思うし、明日もその期待を背負って戦うことになると思う。

──オーストラリアは監督が就任して以降、自分たちのスタイルを積み重ねてきた。明日も自分たちのスタイルを貫いて勝利を目指すということか?(田村修一/フリーランス)

ポステコグルー それがとても重要なことだと思う。私が4年前に就任したときに、そういう計画でスタートしたが、今が最もクリティカル(重要)な状態にある。明日は非常に重要だ。われわれが積み上げ、進化させてきた哲学とスタイルを発揮しなければならないのが明日の試合だ。W杯予選では、ホームでもアウェーでも、どういった条件であっても常に勝利を目指してきた。それこそが今のチームのDNAとなっているので、明日もそれに変わりはない。

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