ハリル「明日の失敗は許されない」 W杯最終予選 オーストラリア戦前日会見

スポーツナビ

W杯アジア最終予選、オーストラリア戦を前に会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は31日、埼玉スタジアム2002でワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦に臨む。試合を翌日に控えた30日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見に臨んだ。

 グループBにおいて5勝2分け1敗の勝ち点「17」で首位に立つ日本は、この試合に勝てば首位でのW杯本大会出場が決まる。9月5日(現地時間)にはアウェーでのサウジアラビア戦を控える。

 ハリルホジッチ監督は会見の冒頭で「明日の試合は勝ちにいく」と力強く明言。チーム状況を問われると「非常に良い雰囲気になっている」と手応えを語った。また、短い準備期間だったため「メンタルの準備、リカバリー中心」と、コンディションの調整に時間を割いたことを強調。ホームで迎えた大一番に向けて、「私が必要としているのは11人の戦士、サムライだ」とメンタルの重要性を口にした。

「非常に良い雰囲気になっている」

 われわれはオーストラリアというチームをリスペクトしている。現アジアチャンピオンだ。しかし、われわれは明日の試合は勝ちにいく。決断力と意欲を持って勇敢にいきたい。この試合はわれわれにとっては良いタイミングではないが、この試合に勝つ意欲はある。

──短い準備期間だったが、チームの仕上がりはどうか?

 どちらかというとメンタルの準備、リカバリー中心だ。昨日は戦術的なトレーニングも少し行った。疲労や暑さを考慮して軽いトレーニングをした。(選手たちと)たくさん話はしている。個別にビデオも見せている。非常に良い雰囲気になっている。W杯に出場するために非常に重要な試合であるということを選手は理解している。

 ロシア(W杯)への出場権は誰もタダではくれない。自分たちで求めないと予選突破できない。勇敢に決断力を持って行わなければならない。相手のフィジカル的な特徴も分かっているので、そうやって戦わないといけない。

──今朝、サウジアラビアがUAEに敗れたが、この結果をどう受け止めているか?

 われわれとオーストラリアにとってはポジティブな結果だが、だからといってわれわれの状況も変わらないし、決意も変わらない。イランで戦ったイラク戦でも勝ちたかったが、そこで収めることができなかった勝利を明日収めたい。そのあとにサウジ戦の話ができると思う。

──ちまたではサッカーを知らない人も明日が重要な試合だと感じている。その中で、選手たちにどのようなメンタリティーで戦ってほしいか?

 私が来日してから、チームとして、それぞれの選手として、メンタル的に進化させようとした。もちろん相手をリスペクトしなければいけないが、その前に自分をリスペクトしなければならない。自分の可能性を信じることができなければ、自分を制限し、不可能を作ってしまう。このようなゲームがホームで開催されると、このイベントの重大さ、そして要求される大変さに応えられる状態でないといけない。

 私が必要としているのは11人の戦士、サムライだ。それで勝利を求めて戦う。今回、(招集した)人数がかなり多い、しかしその中に意欲や良い雰囲気が漂っている。選手たちそれぞれに責任を持って、彼らにとっても重要なこのゲームに臨んでほしい。

 そして、日本代表の応援をしている人たちにとっても大きなチャレンジだと思う。日本人が誇りを持っているこのチームにとって有用な試合だ。明日はいい機会であり、そこで失敗は許されない。

「しっかり武器を使いたい」

──オーストラリアの監督は先ほどの会見で、ホーム・アウェー関係なく、自分たちのスタイルを貫くと言っていた。監督も戦い方は整理されていると思うが、ストライカーをたくさん招集したことについてはどう考えているのか?(田村修一/フリーランス)

 オーストラリアは2カ月チェックしている。たくさん分析してきた。細かいところまで見ているので23人のリストを見たとき、どういう形でくるのかという可能性が2つ見えてきた。中盤を厚くして戦うのか、より攻撃的にくるのかというように分析している。もちろん相手も日本を分析している。われわれにとって、より難しいゲームかもしれない。なぜなら、いろいろな問題があり、変更を余儀なくされたところもある。しかし、それを変えることによって、相手が知らない選手もメンバーに入ってくる。

 私はオーストラリアを自分のチームであるかのように把握している。そしてゲームをスタートする選手と話をして、私が知っていることを伝えたい。経験とゲームコントロールというところではオーストラリアのほうが有利かもしれない。われわれも、相手にダメージを与えられるクオリティーを持っている。アウェーでもしっかり準備してうまくいった部分もあった。ホームでは少し形が変わる。われわれは勝つために、しっかり武器を使いたい。

──明日勝利すればW杯出場が決まるが、同点のまま終盤を迎えた場合、バランスを崩しても後ろの選手を削って、前線の選手を増やしたり、背の高い選手を置くという想定は考えているか?(小谷紘友/フリーランス)

 もしと仮定しながら話すことはできるが、もちろんわれわれもさまざまな状況を想定して、戦術を準備している。イラク戦の場合は3つの交代は想定していなかったものだった。準備していた交代は違っていた。戦略は維持したが、不運なことに3人の選手がピッチから出なければならなかった。そして、現在もたくさんの問題を抱えているが、こうした経験もある。冷静に対応しないといけない。

 こういったゲームをたくさん経験しているが、ゲーム内外でたくさんのことが起こる。しかし、われわれの意欲や決意は勝利を求めて戦うということ。われわれにとって、成功すれば偉業になる。困難が多かった分、その分の成果も大きくなる。そのためにはサポーターのみなさんの応援も必要だ。サポーターの皆さんは、勝利に値する姿を見せてくれている。その応援に答えるべく、選手たちは頑張ってくれると思う。この状況下で、勝つために全力を尽くす。

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