ハリル「歴史に残る試合を作りたい」 W杯最終予選 豪州、サウジ戦メンバー発表

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初選出の杉本については「サッカーの高い質、テクニックを持っている選手だと信じている」と期待を寄せた 【スポーツナビ】

ハリルホジッチ GK3人。前回も来たエイジ(川島)、ヒガ(東口)、中村だ。東口と中村に関しては、皆さんも状態を見ていると思う。エイジに関しては、不運なことにチームでポジションを奪うことができず、今は若い選手が出ている。しかし、プレシーズンの準備の試合にはたくさん出ており、クラブにもお願いしたが、リザーブチームで試合に出ている。このように試合に出ながら準備をしてきており、その試合は2−0で勝ち、素晴らしいプレーだったという報告も受けている。PKも止めたということだ。エイジのメンタル面での影響、そして経験はこういう試合で必要だ。彼の存在は重要だと思っている。

 DFは8人。サイドバックは4人。酒井宏、長友、槙野などコンディションを取り戻している状況にある。酒井は全試合には出ていないが、彼にもポジションを勝ち取ってもらいたい。コンディションは上がっていると思う。

 センターバックは4人。経験と若さがここにある。若いと少し恐れのようなものもあるかもしれないが、植田や三浦など若い選手には忍耐強く接し、マヤ(吉田)、昌子など経験豊富な選手もいる。マヤと昌子は、長い間安定したプレーを見せている。それも重要な要素の1つ。そしてフィジカル的な戦いが待っている試合で、体格もある選手たちだ。オーストラリアは(W杯最終予選中)14得点中、コーナーキックからの得点が5つ、PKが3つあり、得点の6割がセットプレーから生まれている。彼らの長所であるセットプレーをさせないように、しっかり阻止しなければならない。

 中盤、守備的なMF。長谷部が復帰したことはうれしいこと。われわれにとって重要な選手だ。長い間、けがをしていたが、復帰してたくさんの試合をこなし、コンディションもトップフォームに近づけてきている。むしろたくさんのゲームをしており、多すぎるといえるかもしれないので、少し体を休ませながらコンディションを取り戻してほしい。長い間いなかったので、たくさんのプレーをしてしまうと筋肉系の問題が発生する可能性があるので、うまく休みを挟みながらコンディションを取り戻してもらいたい。

 そしてJリーグの選手、ホタル(山口)、井手口、高萩。しっかりとしたプレーを見せてくれているが、ホタルにはより攻撃のプレーを見せてほしい。身体的な特徴、テクニックを考えればもっとできる。井手口もここ最近ずっと安定したプレーを見せている。われわれは選手を見て評価するが、常に最も高い評価を受けていた。ボールを奪いにいける選手。積極的にデュエル(球際の競り合い)にいく選手。また同時に、ボールを持ったら右でも左でもパスが出せる。若い選手に自分を表現する場を与えることを私は恐れていない。

 高萩はフィジカル的にも非常に興味深い選手で、今回入ってきた。まだ守備の面、例えばプレッシャーや出だしの部分で修正点はいくつかあるかもしれないが、いいグラウンダーのパス、ゲームのビジョン、視野の広さを持っていて、海外でのプレー経験もある。海外でのプレー経験がない選手と比べればストレスが少ないかもしれない。そういった理由で、彼が今回メンバーに入った。

 より攻撃的な中盤。何人かの選手が帰ってきている。清武がけがをして長い間、いないという状況、シンジ(香川)がけがをしている状況。そのような心配があるポジションだ。そこで入ってきた小林。彼はクラブでレギュラーとして出続けているし、海外でのリズムにも慣れており、さらに性格的にも強い。彼がプレーした場合でも、問題なくプレッシャーにも順応できると思う。そして、中盤での数少ない左利きでもある。

 ガク(柴崎)の復帰も喜ばしいことだ。スペインに渡って最初は少し順応に時間がかかったが、ここ最近の2試合で非常に興味深いプレーをしていた。さらにいいプレーができると思うし、性格も素晴らしいので、彼の復帰はうれしい。そしてシンジ。心配もあったが、今コンディションを取り戻しているところだ。まだ出場時間は長くないが、今回呼んだ。彼の状態を直接見て、どうするか決めていきたい。

 FWの右。浅野、久保、若い選手たちだ。彼らはゲームに出続けている。決定力は少し足りない部分があるかもしれないが、決定機にはたくさん遭遇している。代表に来たときにはそういったシーンで決定力をあげてほしい。ケイスケはシンジとやや同じ状況だが、心配だったのでトレーナーが現地に行ってきた。直近の試合で彼は交代で入って得点も決めた。ただ、たくさんの試合をプレーしてきているわけではない。直接見て、どういう状態かチェックし、どのような役割を与えるのかを考えたい。ただ彼らの存在自体がチームにとって重要。そして今紡いでいる物語は、1人2人のものではない。このグループがW杯に向かって進む物語だ。

 FWが3人。乾と武藤はゲームに出続けている。武藤は真ん中でプレーしたりもするが、いくつかのポジションがこなせる。オーストラリアのディフェンスに対して彼のスピードは面白いかもしれない。ゲンキ(原口)はポジション、コンディション両方を取り戻そうと頑張っているところだ。しかし今季は移籍するかしないかといったことなども影響しているかもしれない。よって、彼には早めの決断をというアドバイスをした。そういったことでも悩みがあった。しかし彼は常にフィジカル的にいい状態であると見ている。クラブのことはクラブと彼の問題だ。

 真ん中のFW3人。開幕から2試合連続でゴールしている岡崎の状況はうれしい。杉本については以前も話をしたことがあるが、2年間チェックしている選手で非常に質が高い。さらに体格もある珍しいタイプの選手。彼自身も進化してきていると思う。ポジションも変わってきて、今は真ん中でプレーしており、全く問題ない。2年前からずっと追跡していて、非常にいいプレーを見せてくれている。少し波があった部分はあるかもしれないが、こうして呼べるのはうれしい。サッカーの高い質、テクニックを持っている選手だと信じている。意欲的にこれからもしっかりとトレーニングし続ければ、いい選手になれると思う。大迫も少し心配していた選手。10日〜12日、別メニューを行なっていたが、ここ1週間はトレーニングにも合流しているし、試合にも出そうだ。代表、クラブ両方からのメディカルの報告を受けているが、ポジティブだ。その前の段階で、彼はプレシーズンも準備してきているので、早くトップフォームを取り戻せると思う。

 ご覧のように今回、9人のFWを呼んでいる。その中から全員を見た上で、スタメンを決めていきたい。効果的なプレーをするということが今回、FWに求められる。誰が点を取るかでなく、勝つことが重要。以上が今回の招集リストだが、何か問題があればバックアップの選手がいる。たくさんのけが人がいるため、そこは心配。イラク戦もけがによって不在の選手が何人もいたため、役割を変えたり、チームを変えたりということもあった。われわれのプレーの連続性、継続性を考えると、そこが心配だが。

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