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山口慶が吉田麻也のサッカー観に迫る
「メンタル」よりも大切にしていること
吉田麻也(右)と山口慶の対談が実現。吉田のサッカーに対する考え方や思考に迫った
吉田麻也(右)と山口慶の対談が実現。吉田のサッカーに対する考え方や思考に迫った【赤坂直人/スポーツナビ】

「DFとして一番大事なことは何ですか?」


 小学生の問いに、プレミアリーグ・サウサンプトンに所属する日本代表DF吉田麻也は「点を取られないこと。点を取られない限り、試合には負けない。それを一番に考えています」と力強く答えた。


 7月1日に千葉県内で小学生を対象に行われたSkyBall社主催の「Sportaサッカースクール」の質問コーナーでの一幕である。イベントには小学校4年生から6年生までの約40名の小学生が参加し、ゲストとして登場した吉田はゲーム形式のトレーニングやプレミア仕込みのヘディングなどを子供たちに指導した。


 また、イベント前には2007年から09年の2年間、名古屋グランパスで吉田とともにプレーしていた山口慶(14年にジェフユナイテッド千葉で現役引退)との対談が実現。吉田とは「よく電話をして話をする」という山口がインタビュアーとなり、吉田のサッカーに対する考え方や思考に迫った。

現在の目標はW杯でベスト8に入ること

イベントで子供たちを指導する吉田。自身の目標を「W杯でベスト8に入ること」と語る
イベントで子供たちを指導する吉田。自身の目標を「W杯でベスト8に入ること」と語る【赤坂直人/スポーツナビ】

――麻也と話しているときによく「昔からプレミアリーグでプレーするイメージをしていた」と聞くんだけれど、それはいつごろから?


 イギリスに行きたいと思ったのは、ユースに入ったくらいのころです。ユースのときにコーチから「チェルシーとかリバプール、アーセナルの試合を見ろ」と強制的に見させられていました。それを見ていくうちに、自分もここでやってみたいというイメージが湧き始めて、それがどんどん日に日に具体的になっていきました。


――どうやって具体的にイメージしていた?


 中学校のとき机の端に年号を書いたことがありました。実はほぼ書いたとおりになってるんです(笑)。よく「夢は書け」と言うけれど、実際に(かなわなかったのは)南アフリカ・ワールドカップ(W杯)の出場くらいで、それ以外はほとんどかなっています。


――リーグ杯では「決勝の舞台まで行くのは想像していたけれど、カップを掲げるところは想像していなかった」と言っていた。やっぱり「描くこと」が大事だということ?


 結局、物事は自分が思うようになっていくので、僕は(決勝が行われた)ウェンブリーに行くところまでしか想像できていませんでしたが、多分、(対戦したマンチェスター・)ユナイテッドの選手たちは自分たちがカップを掲げるところまで想像できていたと思います。カップ戦ひとつとってもそう思いますし、他の大会もそうですけれど、そこにイメージの差というものを強く感じます。


――今具体的に描いている目標はある?


 今は代表で言えば、僕の目標はずっと変わらないですが、W杯でベスト8に入ることです。今まではベスト16までしかいったことがないので、それ(ベスト8進出)が日本の新しい歴史を作ることになる。そこにたどり着けるようになりたいと、いつも思っています。


 僕は中澤(佑二/横浜F・マリノス)さんとか(田中マルクス)闘莉王さん(京都サンガF.C.)とかと比べられることが多い。だったら、彼らより良い成績を出すしかないと思っています。だからこそ、ベスト8という目標を実現させたいと思っています。

試合の残り1分で勝敗を分けるのが「メンタル」

吉田はメンタルについて「試合の残り1分で勝敗を分けるもの」だと考えている
吉田はメンタルについて「試合の残り1分で勝敗を分けるもの」だと考えている【赤坂直人/スポーツナビ】

――日本代表の話が出たけれど、代表戦で一番プレッシャーを感じた試合は?


 日本を背負っているので、代表の試合は毎試合プレッシャーを感じます。むしろ、それがなくなってしまったら、ダメだと思っています。僕らの(名古屋時代の)大先輩である藤田俊哉さん(現VVVフェンロコーチ)からプロになってすぐの試合で「緊張しているか?」と聞かれたことがありました。「めちゃくちゃ緊張します」と答えたら、「それでいいよ」と。「緊張しなくなったら終わりだから」と言われて、そうだなと思いました。この緊張感を良い方向に持っていけるかどうかが大事なことだと思います。


 例えば、オーストラリアとのW杯出場を懸けた試合とか、もちろん緊張するんですけれど、その緊張をネガティブなものでなく、ポジティブなものに変えていくトレーニングをして、それができるようになりました。


 直近で言えば代表の(アジア最終予選の)UAE戦で初めてキャプテンマークを巻きましたが、この試合は絶対に落とせない試合でした。負けたらどうなってしまうんだろうという緊張はすごくありましたが、それも良い方向に持っていくことができて、自分のパフォーマンスも良かったですし、勝ちにもつなげることができました。


――そういった「メンタル」についても聞かせてほしい。よく「メンタルが大事」と言うけれど、メンタルの話を一番最初に持ってくるのは実は好きじゃない。僕はメンタルよりも、ちゃんと体を整えるとか、コンディションの準備の方が大事だと思っている。麻也はその辺をどう捉えている?


 メンタルにもいろいろあると思います。大舞台で緊張しないメンタル、いつもの自分でいられるメンタル、対戦相手が誰であろうが揺るがないメンタル、けがをしているけれど我慢して戦えるメンタルとか……。だから、「メンタル」と一言では言えないと思っています。僕も慶くんが言うように、最初にメンタルを持ってくるのは好きじゃない。僕は最後のところがメンタルだと思うんです。


(試合の)90分間で、残りあと1分のところでメンタルが勝敗を分ける。毎週のトレーニングでコンディションを維持して、いかに週末の試合に向けて良い状況を作るかが大事になってくる。その上で、最後のところであと一歩踏ん張れるかどうか、相手より前に行く気持ちが出てくるかどうかだと思います。

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