大井・吉冨隆安×笠松・一岡浩司! レジェンド場立ちがDG3連戦を展望

netkeiba.com

「実走着差」理論の吉冨隆安が3つの交流重賞を攻略

サイタスリーレッドは5連勝での重賞制覇をもくろむ 【netkeiba.com】

 続いて、大井・吉冨の見解だ。クラスターCのローテーション面については偶然にも、北海道スプリントC優勢という点で、前述した一岡と合致。やはり一流は一流を知る、ということか。

「基本的には先行勢が有利なコースで、JRA勢で前に行く馬が軸となるでしょう。ただ、年によっては、ラブミーチャンのようにJRA勢相手でも見劣りしない快速馬が出走することもありますが、今年のメンバーでは足りる馬がいるかどうか。ローテーションはJRA馬、地方勢を問わず北海道スプリントCに出走していた組が優勢でしょう。とはいえ、北海道スプリントCに出走していたショコラブランは、そこまで堅い馬ではありません。連勝中のサイタスリーレッドがどういった枠を引くのか、楽しみにしています。交流重賞は、精査して着順を決め打ちして馬券を買わないと利益が出ません。地方勢の取捨は、枠順と過去の対戦比較などを中心に分析したいですね」

サマーチャンピオンの連覇を狙うグレイスフルリープ 【netkeiba.com】

 サマーチャンピオンでの狙いどころについては、競馬場の特性を踏まえたうえで、こう話す。

「大井を除いた地方競馬場全般にいえることだと思いますが、直線距離が短いため、中央では差し・追い込みが利いていても、4角で早め先団に取り付いていないと競馬になりません。したがって、早く動いてもバテない。押し切れるタイプの馬が浮上すると思います。ハンデ戦ですが、JRAで実績のある馬は斤量に関係なく馬券になる傾向があり、OP特別を勝った直後のような勢いのある馬が狙い目でしょう。それを踏まえると、レーザーバレットは厳しいかもしれません。GIよりもGIIIで着順を落としているし、往年の力は発揮できないでしょう。前走の大敗は気になりますが、昨年の覇者で根岸Sの0秒9差を計算するとグレイスフルリープは有力。後は上がり馬のウインムートとどちらが好枠を引けるのかが勝負のポイントとなると思います」

 最後に、交流重賞3連戦の最終戦になる門別・ブリーダーズGCについて、

「門別の2000メートル戦は、タフなスタミナも必要でしょう。スタートから1コーナーまでの距離もあり、どの脚質の馬にも不利はありません。直線も長いので、脚を使える馬が有力です。とはいっても、過去のJRA勢の勝ち馬を見ていると、小回りコースをこなせるスピードを持っていたのは間違いありません。14年からは牝馬限定重賞になりましたが、同年の勝利馬サンビスタはその後、チャンピオンズCを勝利しました。15年、16年の勝利馬アムールブリエはその後、牡馬相手に交流重賞を勝っています。つまり、牡馬相手でも通用するだけの下地や能力を持った馬が狙いになります。牡馬相手にオープンを勝っている、もしくは牡馬が出走した重賞で馬券になった経歴のある馬に注目してみてください。構図としては、世代限定とはいえ牡馬相手に交流重賞で3着のあるクイーンマンボを他の馬が止められるか、になるでしょう。残念ながらワンミリオンスが回避してしまったので、被った人気になることが想定されます。条件戦を勝ち上がったスルターナや、昨年3着で道営に移籍したビービーバーレルなどとの対戦比較が楽しみですね」

 果たして両者の展望の結末は? ここから更なる飛躍を遂げる「上がり馬」は出てくるのか? 盛岡・佐賀・門別と繰り広げられる、交流重賞3連戦に注目したい。

展望を語ってくれた一岡浩司(左)と吉冨隆安 【netkeiba.com】

<プロフィール>
■一岡浩司
1961年三重県伊賀市生まれ。80年近畿日本鉄道入社。駅員2年、車掌3年、運転士を18年経験。2003年にスカウトされ、笠松競馬場公認の場立ちの予想屋(屋号・大黒社)に転身。07年『競馬フォーラム』誌で予想コラムを同誌の休刊まで担当。その後はテレビ、ラジオ等にもたまに出演しながら現在は、場立ちの予想の他、愛知県の『サウナイーグル』のイベント『競馬塾』で塾長を務める。2016年『週刊ギャロップエッセー大賞』の編集部奨励賞を受賞。

■吉冨隆安
1947年鹿児島県生まれ。大井競馬場公認予想「ゲート・イン」主宰。大阪市立大学法学部中退後、さまざまな職業を経て大阪で起業するも、数年後に上京。一時期、学習塾講師と競馬予想屋を両立させていたこともある。平成元年から「ゲート・イン」の屋号で、大井競馬場で場立ち予想を行なっている。常に「競馬が市民の投資対象たる金融商品なら、僕の予想は商品説明である」のもと、確固たる軸馬を1頭決める「実走着差」理論で、競馬との孤独な戦いを続ける。
「俺も頑張って後10年。予想士としての集大成をお見せしたい」

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント