【新日本プロレス】内藤がオメガを下し4年ぶりG1制覇 オカダvs.EVIL、棚橋vs.ザックの王座戦へ
柴田がサプライズ登場「生きてます! 以上!」
柴田勝頼がサプライズ登場。再び戻ってくることを誓う 【写真:SHUHEI YOKOTA】
柴田は4.9両国大会のオカダ・カズチカ戦直後、控室に戻る途中で倒れ、都内の病院に緊急搬送。翌10日に緊急手術を受けていた。
テーマ曲と共にゆっくりと歩いて登場した柴田は、まずはリングに寝転び、感触を確かめてから、おなじみのあぐらへ。目をうるませ、感極まったかのように胸に手を当ててから、「生きてます! 以上!」と叫び、マイクを投げ捨てて退場。
「大丈夫かと聞かれると、何て答えていいか分からないけど、生きています」と現状を表現した柴田は、「一歩一歩、時間はかかると思いますが、やれることを最善を尽くして、全力で戦っていきたいと思います。また、しっかりとした形で会えるよう頑張ります。以上!」と、再び、必ずファンの前に立つことを誓った。
柴田は12年のG1最終戦となる8.12両国大会に桜庭和志と共にスーツ姿で登場し、「ケンカ、売りに来ました」と古巣に宣戦布告。5年前はブーイングで迎えられたが、この日はテーマ曲が鳴った瞬間に客席が大興奮。柴田の姿を見た女性ファンが、うれしさと感動で涙を流す様子も随所で見受けられた。
20選手が参加した今年のG1だが、結局は「4強」の存在感と強さがより一層引き立つ結果となっただけに、余計に「柴田待望論」が再燃することになったが、負傷箇所が負傷箇所なだけに、すべてにおいて焦りは禁物。「生きてます!」という言葉の重みを深く噛み締めながら、「その時」が来るのを待ちたいところだ。
オカダとEVILに遺恨 IWGPヘビー戦濃厚か
EVILとオカダの因縁が勃発。IWGP戦はほぼ確実か 【写真:SHUHEI YOKOTA】
IWGPヘビー級王者の“レインメーカー”オカダ・カズチカは、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとの8人タッグ戦に出陣。8.5大阪で22分47秒EVILで屈辱敗を喫したEVILと再び顔を合わせた。
EVILは試合中、オカダの首と肩に施されたテーピングをはぎ取る暴挙を見せると、試合後もリング上に積み上げたイスの上にダークネスフォールズを炸裂。だが、オカダは「前も言ったけど、プロレスラーは超人。まだまだ立ち上がるし、何もあきらめてない。EVIL、こんなんで超人超え? ふざけんな。おまえにはしっかり借りを返すから覚悟しておけ」と、リベンジを予告した。
IWGPインターコンチネンタル王者の棚橋弘至は鈴木軍との6人タッグマッチに出陣するも、G1開幕戦で敗れたザック・セイバーJr.にまたしても無念のギブアップ負けを喫した。棚橋は7.17札幌大会で17分18秒、ジム・ブレイクス・アームバーにタップ。古傷の腕を守るため、断腸の思いでギブアップを決断したが、この日は最終戦でダメージが蓄積したところを再度攻め込まれ、またしてもタップ。
試合後、ザックにIC王座を見せ付けられた棚橋は「ああいうタイプ、スゲー苦手」と認めつつ、「今の新日本はベルトを巻いているだけでは中心に戻れない。プラスアルファ、何を見せていくか」と、このザック戦を「オーバー・アンド・オーバー・アゲイン(何度でも何度でも)」の足がかりにすると前向きに語った。
NEVER無差別級王者の鈴木みのるも、マイケル・エルガンと試合後に大乱闘。両者は8.5大阪で対戦し、11分13秒、エルガンボムでエルガンが勝利。この敗戦の怒りがなおも収まらないみのるは、試合中に鈴木軍セコンド3人をリングに乱入させるも、エルガンは2人まとめて投げ捨てるなどモノともせず。ならばとみのるは試合後もイスを手にエルガンを追い掛け回すと、腹いせにヤングライオンを殴打。あくまでも「プロレス界の王様」であり続けるため、邪魔者を徹底的に排除する動きに出た。
ウォーマシンにタマ&タンガ、KESが挑戦表明
ウォーマシンがタッグを防衛したが、KESが乱入。KOしてしまう 【写真:SHUHEI YOKOTA】
圧倒的な実力差を見せ、ペイジを合体技のフォールアウトで仕留めるも、直後にタマ・トンガ&タンガ・ロア組がリングに現れリマッチを要求。さらに、ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.のKESも現れ、トンガをキラーボムで粉砕。この3チームによる3WAY戦が急浮上した。
約2年半で13度移動と短命王者が続いている同王座だが、KESは12年から13年にかけて5度の防衛に成功しており、プロレスリング・ノアでは15年2月から約1年3カ月に渡ってGHCタッグ王座の最多記録となるV10を達成。今回、KESがIWGPタッグ戦線に戻ってきたことによって、長期政権時代へと移行する可能性もありそうだ。
田口が5年半ぶり戴冠 初防衛戦、鍵は阿部美歩!?
阿部美歩さんの色仕掛けが、ジュニアタッグ戦に影響しそうだ 【写真:SHUHEI YOKOTA】
タグチジャパンはヤングバックスの息の合った連係に苦しめられながらも、田口がニックをオーマイ&ガーアンクルでとらえる間に、リコシェがマットをシューティングスタープレスで料理。田口はプリンス・デヴィットとの「Apollo55」以来、実に5年半ぶりの王座戴冠となった。
近年のジュニアタッグ戦線は、タッグ屋外国人たちの独壇場となっており、13年11月にTAKAみちのく&タイチ組が王座を手放し、今年3月にタイチ&金丸組が戴冠するまで、実に3年4カ月、外国人天下が続いていた。実力拮抗のハイレベルな攻防は確かにクオリティーが高いが、その分、王座の移り変わりも激しく、あまり「思い入れ」を抱きにくいタイトルになっていた。
そこに現れたのが、NEVER無差別級6人タッグ王座戦をめぐる戦いの中で生まれたタグチジャパンだ。田口監督の迷采配が笑いや驚きを呼び、グッズの売り上げもうなぎのぼり。だが、下ネタに走りがちなのがタマに傷で、そこを今回、見事にタイチに狙われる格好となった。
「タグチジャパンに入りたい」と直訴した阿部さんに誓いのキスを迫って、裏切りのビンタを食らわされた上、足を踏みつけられた田口だが、「もっと踏みつけられたいから、挑戦していいよ。昇天させてくれ」とドMっぷりを発揮。タイトル戦実現の際には、阿部さんの存在が勝敗のカギを握りそうだ。