ほぼ毎日走るライター南井正弘が厳選! 気に入った2017上半期のランニングシューズ

南井正弘

【写真提供:南井正弘】

 2017年はオリンピックイヤーの前年ほどではないが、数々の新機軸が発表されたランニングシューズの当たり年であると言われている。筆者はファンランながらほぼ毎日走っており、今年に入ってからも30足を超えるランニングシューズをトライしてきた。今回はそのなかでも特に気に入ったモデルを紹介したいと思う。

1.アディダス ピュアブーストDPR

アディダス ピュアブーストDPR 【写真提供:南井正弘】

 昨年のこのレビューで高い評価を与えたピュアブーストZGがモデルチェンジし、2017年春にピュアブーストとして発表されたモデルは、その高い機能性はそのままに、特徴的なシュータンデザインやマテリアルミックスを採用することで、よりスタイリッシュな雰囲気となっていた。

 そして5月に入ってリリースされたピュアブーストDPRは走行性能を高めたバリエーションであり、大幅な軽量化にも成功していたのである。実際に走ってみるとブーストフォームを足裏でしっかりと感じられるスペックながら、低速からkm/5分を切る速目のペースまで幅広く対応。着地時の衝撃をしっかりと吸収しつつ、抜群の反発性能を発揮。明らかにピュアブーストよりも走行性能が向上しており、それは特に速目のペースでランした際に体感することができる。サーキュラーニットのアッパーはランニング時だけでなくカジュアルシーンでも活躍してくれ、この半年間で最も着用した回数の多いランニングシューズとなった。

2.アルトラ エスカランテ

アルトラ エスカランテ 【写真提供:南井正弘】

 かかととつま先部分の高低差の無いゼロドロップのスペックが裸足で立っているときと同じ自然な姿勢をランナーに提供するアルトラのランニングシューズコレクション。このエスカランテはそんなアルトラが2017S/Sシーズンの最注力モデルとしてリリースした1足だ。

 実際に履いてみると従来のアルトラのミッドソールと比較するとソフトな接地感かつ反発性能にも優れたアルトラEGOミッドソールの採用により、足に優しい快適な走行性能を発揮してくれる。また同ブランド初のニットアッパーは、優しく足を包むようなフィット感で、履き心地も秀逸であった。

 これまでアルトラというブランドは日本のランニング市場において、知る人ぞ知る存在だったが、このモデルのリリースによって、一気に知名度を向上させる可能性があると思った。ちなみにこのエスカランテだが、アメリカのランナーから高い支持を集める「ランナーズワールド」誌の2017年サマーのベストシューズに選定されている。

3.ホカ オネオネ クリフトン3

ホカ オネオネ クリフトン3 【写真提供:南井正弘】

 クリフトン3は、比類なきクッション性、着地から蹴り出しまでのスムーズな動きを提供するゆりかご状のソール形状など、前作のクリフトン2の基本性能をキープしつつ、前足部のフィット感などを向上したモデル。極厚のソールユニットで知られるホカ オネオネのプロダクトラインアップのなかではそれほどミッドソールは厚くないので、一般的なランニングシューズからの履き替えもスムーズだ。

 筆者はクリフトン2も愛用しており、その高い保護性能と軽量性、走行性能を心底気に入っていたが、このクリフトン3はそれ以上。前述の通りフォアフット部分のフィット性がアップしているので、これまでよりも速目のペースで走った際も、脚力をより効率よくシューズへと伝達することができるようになった気がした。

 ブルーのカラーリングも持っているが、本当にヘビーローテーションで履いていたのは今回セレクトしたブラックカラー。街で履いていても「やっぱりクリフトン3のブラックはカッコいいですね!」と褒められることが多かった。

4.ナイキ ルナエピック ロー フライニット2

ナイキ ルナエピック ロー フライニット2 【写真提供:南井正弘】

 2016年スプリングシーズンに、革新的なハイカットデザインのランニングシューズとして大きな話題となったモデル、ルナエピック フライニットのローカットバージョン第2弾。前作はハイカットモデルとは異なり、一般的なシューズと同様のシュータンデザインであったが、こちらのモデルではハイカットと同様にアッパーとシュータン部分が一体化したデザインとなっている。このことによりナイキ フライニットアッパーによる足を優しく包み込むような履き心地をキープしつつ、前作よりも中足部のフィット感が向上。より快適な履き心地となっている。

 どちらかいうとソフトな走り心地のランニングシューズであり、ゆっくりペースから速目のペースまで対応。カジュアルテイスト満載のスタイリッシュなモデルなので、筆者がセレクトしたブラックのように派手すぎないカラーリングなら、ランニングシーンだけでなく、ストリートシーンでも活躍してくれる点も嬉しい。

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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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