五輪新種目“スケボー”で注目の高校生 世界を目指す平松凱、四十住さくら
五輪で初採用されるスケートボード
2020年東京五輪で初めて採用される「スケートボード」。和歌山の高校1年生、平松凱(左)と四十住さくらは、五輪出場や世界での活躍を目指して技を磨いている 【スポーツナビ】
「スケートボード」自体を知らない人は少ないかもしれないが、競技としての実施方法が分かる人はそう多くはないだろう。
基本的には、難易度、技のメーク率、スピードなどの項目を審判がジャッジし、その得点の優劣で順位を決める採点競技。東京五輪では、「ストリート」と「パーク」の種目が行われる。ストリートは街中にある階段の手すりや斜面、縁石をイメージした障害物(セクション)を設置したコースで、一方のパークはおわん型のボウルなどを中心にしたコンビプールと呼ばれる複雑なコースで実施する。
4月には第1回日本選手権が行われ、東京五輪へ向けた強化指定候補選手が選ばれた。
高校1年生の注目選手2人
高校生ながら、プロとしても活動する平松 【スポーツナビ】
2人がスケートボードを始めたのは、平松は小学2年から、四十住は同6年から。平松は父親の友人の姿を見てスケートボードを始めたものの、最初はうまくできなくて「嫌やった」と振り返る。それでも「その時は周りの友だちでやっている人がおらん過ぎて、DVDとかを見て」と、自分なりに“研究”するほど夢中に。大人も出場する大会で結果を出し、小学5年でプロ資格も取得した(プロ登録ができるのは13歳から)。
東京五輪では「金メダルを目標に」と頑張る四十住 【スポーツナビ】
今春からは高校生活がスタートした。四十住の通学時間は電車で片道50分。自宅と高校、自宅と練習場……移動に費やす時間は合計3時間半前後。その分、中学時代より練習時間は減ったものの、短い時間で集中して取り組んでいる。
2人は東京五輪を目指しつつ、平松は「まだプロ戦で賞金を取ったことがないので、上位に入って賞金を取って有名になる」、四十住は「東京五輪に出て、金メダルを取ることもそう(目標)だけど、海外などの大会に出て成績を残せたら」と、五輪に続く大きな目標を掲げる。
心に持つ、スケートボードの魅力
軽快な身のこなしで、ジャンプする四十住 【スポーツナビ】
五輪や大きな大会で結果を出すことは、もちろん目標でありモチベーションにもなる。しかし、できなかったことができたとき、仲間や周囲と盛り上がる瞬間のうれしさも2人にとって大切なものだ。
平松、四十住はともに、東京五輪後のスケートボードの盛り上がりにも期待を寄せる。
自らの五輪や世界での活躍、そして日本に“スケートボード仲間”が増えたら――。それぞれ19歳と18歳で迎える東京五輪、さらにその先に向けて、2人の夢は高く大きく広がっている。
取材協力:パナソニック
(取材・文:小川麻由子/スポーツナビ)
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