プロ注や元プロ、甲子園のヒーローが躍動 白熱の都市対抗は2回戦へ
涌井からサイクル安打の林も活躍
健大高崎高では2年夏から3季連続甲子園出場、2年夏と3年春は8強に進出したしたHonda鈴鹿・柘植。高卒2年目ながら同チームの正捕手として活躍している 【写真は共同】
この鈴木は、磐田東高(静岡)時代は中央では無名だったが、柘植世那(Honda鈴鹿・三重県鈴鹿市)の名前は高校野球ファンなら記憶に新しいだろう。健大高崎高(群馬)時代の14年夏、15年春の甲子園ベスト8入りに貢献した捕手。社会人2年目にしてマスクをかぶり、きらやか銀行(山形県山形市)との初戦では、決勝打を放つ活躍を見せている。
また、東芝(神奈川県川崎市)は、実力派・日本新薬(京都府京都市)との初戦を制したが、貴重な追加点の口火を切ったのが主将・林裕也だ。3対2の8回、先頭打者の代打としてヒットで出塁し、後続で生還。実はこの林、駒大苫小牧が04〜05年の夏を連覇したときのメンバーだ。05年には主将として横浜戦で涌井秀章(千葉ロッテ)からサイクル安打も記録しているから、高校野球好きのお笑い芸人じゃなくても記憶にあるだろう。
ルーキーながらエース格の吉川
関西大からパナソニックに入社して1年目の吉川。初戦で先発マウンドに上がると、14三振を奪って2失点完投勝利を収めた 【写真は共同】
東京ガス(東京都)の臼井浩は、168キロと小柄ながら、昨年の大学選手権で中央学院大の準優勝に貢献した。147キロの速球とフォークのキレで、東京2次予選では2試合に救援し、とくに明治安田生命戦では、7回から延長18回までの12回で17三振を奪うドクターKぶり。西部ガス(福岡県福岡市)との初戦では2失点と、社会人の洗礼を浴びたが、チームが4強だった昨年以上を目ざすには欠かせない存在だ。
もう1人面白いのが、西濃運輸(岐阜県大垣市)の初戦突破に見事なクローザー役を務めた嶽野雄貴。新日鐵住金鹿島(茨城県鹿嶋市)に1点リードの8回1死一、二塁のピンチに登板し、得意のシンカーで併殺に打ち取ると、9回もピシャリ。日進高(愛知)時代は夏の大会未勝利で、名古屋学院大でも愛知の下部リーグという雑草育ちが、社会人2年目で球速152キロに達し、東海2次予選では救援で9回3分の1を無失点と、14年の都市対抗覇者・西濃の切り札になっている。
大の大人が凡打にも全力疾走
デパートや喫茶店にしかクーラーがなかった古い昭和の時代、球場でプロ野球のナイトゲームを見るのは、庶民のささやかなパスタイムだった。蒸し暑い高校野球の地方大会を見た帰りにでも、涼しい東京ドームにぜひとも足を運んでもらいたいもの。その白熱、野球好きならきっと魅了されるはずです。